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日米センターとは

所長就任にあたってのご挨拶


茶野所長

このたび、新しく日米センター所長の責を担うに当たり、ご挨拶させていただきます。

日米センターは1991年4月に設立され、爾来、四半世紀が経過いたしました。この間、楠田實、本間長世、和久本芳彦の各氏が最初の10年を、また、続く15年を紿田英哉、沼田貞昭、野村彰男氏が所長として、地球的課題解決に向けた日米間の理解と協力の促進をミッションとするセンターの活動を牽引して来られました。これら先達が示された卓越したリーダーシップの下、日米センターはグローバルな視野を備えた日米知的交流、相互理解の深化に不可欠な地域・草の根交流の両面にわたり、着実に支援の実績を積み重ね、また、日米間の将来を担う人材の育成に従事してきたところです。

私は、1982年に国際交流基金に入社し、その後の基金人生の大半を日米センター事業との深い関わりの中で過ごしてまいりました。1990年代にニューヨーク日米センター長として、また、2000年代に入ってからは、東京本部の事務局長として歴代所長にお仕えしつつ、多くを学ばせていただいた次第です。日米間の紐帯強化に強い信念を持たれ、パブリック・インテレクチュアルとしての大きな存在であった歴代所長の後を継ぐという重責に身が引き締まる思いでおりますが、これまでの実務経験、あるいはジョンズ・ホプキンス大学での研究員生活等を通じて得た知見、ネットワークを基に、微力ではありますが、日米関係の緊密化とセンターのさらなる発展のため、鋭意取り組んでいく所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

1989年のベルリンの壁崩壊後に構想され、国会で承認された500億円の政府出資金を基金として設立された日米センターは、当初よりポスト冷戦期の知的交流、あるいはグラスルーツの市民交流を、日米基軸による協力枠組みを通じ進展させていくという認識・使命の中でその活動を展開してきました。初代所長を務められた楠田實氏は、日米センターの基本理念として、「冷戦終了後の世界において、新しい秩序を構築し、平和と安定をもたらすためには、日米両国の協調と協力が不可欠」であり、その協力関係構築に向けた日米間の相互理解深化のため、「広範な対話と交流を促進して、両国知的社会の発展と地域社会の活性化を目指すことが重要」と述べておられます。同氏はさらに、「日米センターは、単なる親善交流の枠内にとどまらず、もう一歩踏み出して、知的社会の更なる創造力を導き出し、市民社会のネットワークを形成して、地球的課題解決に協力すること」と、その目指すべきところを明確に示されてもいます。

このような理念が創設初期の日米センター関係者に強く意識されたのは、1990年代前半の日米両国のGNPが全世界のGNPの40%を超えるという状況にあって、日米が緊密な二国間関係を確立し、相互に協力し合うならば、それは必然的に世界の発展に貢献するものでなければならないという認識であったからでありましょう。そこには、ポスト冷戦期における日米グローバル・リーダーシップの発揮が強く意識される様を見ることができます。

また、この理念に内包される日米協力と協調の希求は、忖度すれば、1980年代後期に両国が経験した経済文化摩擦と第一次湾岸戦争直後の日米関係の帰結としての、ある種の緊張状態の緩和に向けたものであったかとも思われます。

その後、時代は巡り、ポスト冷戦期の世界は大きく変動しました。日本にとっての「失われた20年」や、BRICsの台頭、アジアに代表される ”Rise of the Rest” の時代を経て、2012年の日米合算の名目GDPは全世界の30.6%となりました。

日米二国間関係についても、1980年代後期に吹き荒れたレビジョニストの嵐は今や過去の記憶となり、また、「同盟漂流」とも形容された第一次湾岸戦争後の厳しい日米関係はしかるべく克服され、新しい世界情勢、時代の要請に沿った両国の関係構築に向けた動きが、多様なプレイヤーによって日々更新されています。

そうした流れの中、創設初期の日米センターで強く意識された「地球的課題解決のための日米両国の協力と協調」という基本理念は、少なくとも世界経済的指標から見る限り、今や正当性を失ったと判断されるのでしょうか。あるいは、日米基軸をその中心に据えた日米センターの活動原理は、「多極体制」あるいは「無極体制」とも形容される現代の国際情勢においては、もはや過去の遺物として認識されるのでしょうか。

否、私は決してそうではなく、楠田氏が語られ、その後の歴代日米センター所長に脈々と受け継がれてきた「グローバルコンテクストにおける日米協力関係の促進」と「それに向けた日米関係の緊密化」は、現在進行中の新たな地域文脈や、冷戦終結後25年を経てさらに複雑化した世界にあって、1991年当時とは違った形の、より一層リラバントで、重要性を伴う概念として認識され、それ故、引き続きセンターの基本理念として堅持されるべきものであると考えます。

また、地政学の復権や競争的環境の中でのパブリック・ディプロマシーが人々に意識され、喧伝される昨今の言説空間の中、日米センターはそうした世界の動きにも注意を払いつつ、両国知的コミュニティの一層の関係強化を図り、あるいは市民社会の紐帯強化をさらに進めるべく、適切に日米間の団体・個人を繋ぐ触媒として機能すべきとも思料します。

加えて、時々刻々で推移する世界と地域の情勢変化の中、世界第一位と三位の経済を伴う両国の良好な関係継続は、それ自体が世界的課題の一部であるともとらえうるところ、日本は日米間の協力と信頼の重要性を認識し、その関係維持のため、不断の営為を積み重ね、より主体性と積極性を発揮すべきでありましょう。

こうした認識の下、日米センターは、日米グローバルパートナーシップ、紐帯強化の一端を担うべく、スタッフ一同全力で事業を進めてまいる所存です。ご関係の皆様方には、日米関係のさらなる緊密化とセンター発展のため、従来にも増してご理解、ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

平成26年7月
国際交流基金日米センター
所長 茶野純一


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