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「フェローシップ実務家ワークショップ2:日本の大学改革を見据えて」報告

会場の様子の写真
会場の様子
「フェローシップ実務家ワークショップ2:日本の大学改革を見据えて」報告

■主催:国際交流基金日米センター(CGP)
■日時:2005年3月24日(木) 14:30〜17:45
■場所:国際交流基金国際会議場

14:30 開会  日米センターよりご挨拶・企画趣旨説明

14:45-15:30 第1セッション:
「概観:日本の大学改革と国際化への課題」
【モデレーター】伊藤 雅夫(日米センター副所長)
【スピーカー】 米澤 彰純 (大学評価・学位授与機構 評価研究部助教授)

15:45-17:00 第2セッション:
「現場から:研究者・大学職員・学外支援、それぞれの視点とは」
【モデレーター】 茶野 純一(日米センター知的交流課長)
【パネリスト】 

渡辺 靖 (慶應義塾大学環境情報学部助教授)
  今日のフェローシップの意義大学を取り巻く環境の変化と人材育成〜安倍フェローシップの経験から〜
小窪 千早 (日本国際問題研究所研究員)
  博士課程取得前後の若手研究者にとっての研究環境 〜研究所での経験から〜
小竹 雅子 (広島大学大学院国際協力研究科教育研究活動支援グループ)
  大学職員の専門性向上の必要性〜LEAPの経験から〜
小山内 優 (文部科学省「国際開発協力サポート・センター」プロジェクト・リーダー)
  知識創造体としての大学 〜国際開発協力を事例とした大学と外部団体のとの連携について〜

17:00-17:45 第3セッション: 「まとめと提言」 
17:45 終了


2004年3月15日
国際交流基金国際会議場
日米センター主催


◆【概要】

本ワークショップは、日米センターが2004年1月から実施している一連のフェローシップ関連企画の締めくくりにあたり、「日本の大学改革」に注目して国際的に活躍する研究者養成のために大学職員や財団所属の実務家に求められる役割や連携のあり方を検証しました。
当日は、大学・研究所などの研究機関、フェローシップなどの外部資金提供団体などから約25名が参加し、パネリストからの講演を受けて、活発な意見交換が行なわれました。

《オープニング》

日米センター副所長伊藤雅夫からの挨拶、会場の参加者からの自己紹介に続き、日米センターから企画趣旨について説明し、研究助成金事業の関係者間のネットワークの維持や課題の共有と解決につながるような具体的提案への期待を示しました。

企画趣旨説明【PDF:420KB】


米澤 彰純氏
講演する米澤彰純氏
《第1セッション》「概観:日本の大学改革と国際化への課題」

第1セッションは大学評価・学位授与機構 評価研究部 助教授の米澤彰純(よねざわあきよし)氏を講演者としてお招きし、1980年代から始まり現在にいたるまでの日本の大学改革と、その社会的背景を概観した上で、2004年に行なわれた国立大学の法人化、「認証評価」の導入といった一連の大学改革について学びました。若手研究者の就職難や雇用の不安定化といった厳しい状況を踏まえ、研究者支援を行なう財団の役割は、彼らのキャリア形成に必要な対応を柔軟に提供すること、研究者以外にも各界若手リーダー育成のためになし得る支援を考えること、生涯学習など幅広い層を対象として考えることが挙げられました。そしてこれらのプログラムを強化するために、評価とマーケティングを徹底することの重要性が指摘されました。

「日本の大学改革と国際化への課題」米澤 彰純氏【PDF:309KB】


《第2セッション》「現場から:研究者・大学職員・学外支援、それぞれの視点とは」

第2セッションは、異なる立場のパネリスト4名を招き、それぞれの視点から見た、大学とその研究支援についての問題意識と提言がなされました。

慶應義塾大学環境情報学部助教授の渡辺靖(わたなべやすし)氏は、「大学を取り巻く環境の変化と人材育成〜安倍フェローシップの経験から〜」と題し、大学が世界の研究者にとって魅力ある研究場所となるには、「日本で研究する価値」を再検討する必要があることが指摘されました。また、研究者の「研究/教育/学務」という業務のうち、教育改革と比べて研究成果の点は進展が遅いといった点が指摘されました。

また、財団など外部資金提供団体へは、文部科学省科学研究費や、COE、受託研究などの既成の枠組みでは採用対象とならないような研究への支援を求めると言います。渡辺氏の反米主義の研究を例にとると、歴史学でも政治学でもなく、また人文学としても主流ではないという学際的な研究でしたが、これがCGPの安倍フェローシップでは採用となりました。分野の隙間に落ちる特殊な研究を拾うことによって、プログラムの個性創造につながるという分析がされました。更には、一旦海外に出てしまうと、資金獲得が難しく、研究継続を断念する若手留学生も多いので、こうした立場の人々への支援の必要性が指摘されました。
最後に、大学事務に関しては、簡単な仕事は学生アルバイト等に回し、大学職員にはより専門性の高い仕事を行なってもらうこと、そして研究者と職員の距離を縮めることの重要性が指摘されました。

第二セッションパネルの写真
第二セッションパネル

日本国際問題研究所研究員の小窪千早(こくぼちはや)氏は、「博士号取得前後の若手研究者にとっての研究環境〜研究所での経験から〜」と題し、研究環境としての「大学」と「研究所」の比較をした上で、フェローシップがこの両者の架け橋となる可能性が示唆されました。つまり、大学は学問的純粋さや精緻さを追究し、分野にもよりますが歴史的資料を重視する傾向があり、基本的には研究者の学問的関心によって研究を進めます。その一方で研究所では、最終的に実際の政策へのインプリケーションを目指し、現在の事象に対して分析を試みるため、研究対象への社会的関心を感じ取ることが重要です。
小窪氏は安全保障研究奨学プログラムのフェロー時代に政策指向型の研究に触れ、この双方の視座を踏まえた研究の重要性について考える機会を得たと言います。若手研究者にとっては、こうしたフェローシップは視野の拡大につながるのみならず、ネットワーク構築や、資金的支援の面で非常に有用なものですが、今以上に、純粋学問と政策研究との間のインタラクションを促す仕組みが出てくればより望ましい、とのご提言をいただきました。

広島大学大学院国際協力研究科教育研究活動支援グループ主任の小竹雅子(こたけまさこ)氏は、「大学職員の専門性向上の必要性 〜LEAPの経験から〜」と題し、自身が1999年から1年間アメリカで研修を行なったフルブライト・メモリアル基金国際交流リーダーシップ・プログラム(Leadership in Educational Administration Program, LEAP)と、2004年に1ヶ月間オーストラリアへ派遣された研究マネジメント担当職員キャリアアッププログラムの紹介に続き、その経験からの問題意識が共有されました。
これらプログラムを通じて大学職員の専門性向上の必要性を実感した小竹氏は、現在の教員と職員に加えて、第3のカテゴリーと言える「教員とイコールの立場で仕事ができるよきパートナーとしての人材」を育成することを提案しています。小竹氏によれば、大学での研究支援機能を充実させるためには、プロジェクト管理、コーディネーション等のマネジメント能力に加えて、研究内容への知識、更には国際的活動に対する理解と関心や積極的な姿勢を兼ね備えた新しいカテゴリーの人材が求められます。
この新しい人材の育成のためには、日常業務をプラス思考でこなすこと(OJT)がまず何よりも大事ですが、学内に目指すモデルがなかなか存在しない(=OJTの限界)の現状への対応として、例えば大学職員が一定期間、外部団体において実務を経験しながら、研究マネジメントに必要な知識やスキルを身に付ける「大学職員養成プログラム」(Work Shadowing Project)が提案されました。

最後に、文部科学省「国際開発協力サポート・センター」プロジェクト・リーダーの小山内優(おさないまさる)氏からは、「知識創造体としての大学〜国際開発協力を事例とした大学と外部団体との連携について〜」と題し、日本の大学院改革の中で、実務に強い研究者の養成を行なうとともに、研究者の国際開発協力現場への関与を促進するプログラムを行なってきたサポート・センターの活動が紹介されました。世界銀行、アジア開発銀行などの国際機関や国際協力機構(JICA)や国際協力銀行(JBIC)といった国内開発援助機関と、国内の大学とを結び、途上国に対する開発協力プロジェクトに大学が参画するようにサポートすることで、大学がもっている「知」を社会へ還元するひとつの仕組み作りに取り組んでいるといいます。
今後の日本の大学の課題として、寄附金を含む外部資金導入が評価されるシステムの構築や、社会貢献や国際協力といったサービスを任務として捉え実践していくことの必要性および教育と事務職員との格差を埋めるひとつの方法として、教員の中から研究でも教育でもなく、学務のエキスパートとなる人を育てるといった新たなスキームの導入の可能性などが話されました。

知識創造体としての大学〜国際開発協力を事例とした大学と外部団体との連携について〜
小山内 優氏【PDF:87KB】



休憩時間中の歓談の様子の写真
休憩時間中の歓談の様子

《第3セッション》「まとめと提言」

提言としては、「研究資金の管理や国際交流事業に関するサーティフケートを創設し、その業務に専門にあたる人材を育てるような仕組みがほしい」、という提案や、「年に1回程度に財団から関係者が集まり、それぞれのプログラムの活動や抱えている課題について話し合う機会を続けてはどうか」、といった発言がなされました。

中でも会場の関心を引いたのは、新しい職域としての「プログラム・オフィサー」を、研究資金をとりまく関係者で盛り立てて行こう、という言葉でした。今回集まった財団や大学の職員はそれぞれ立場は異なりますが、国際的に活躍する人材育成、という使命は共通に持っています。そのために今後より連携を強め、問題意識を共有し、取り組みを続けていきたい、ということを確認し、会は幕を閉じました。

【アンケートより】

新しいかたちでの国際化とは何かという問いが印象的だった。
海外で研究している日本人が日本国内の奨学金を受けにくいと言う話が印象的。
新しい職域としてのプログラム・オフィサーの話が新鮮だった。国際的な問題に関するアカデミックな研究者、政策に関わる研究員、官庁関係者、ジャーナリスト等をパネルに招いた横割型のシンポを期待する。
「ネットワーク」が奨学金・助成金の大きな魅力となるとのお話が興味深かった。
研究者だけでなく、事務職員にもっとフェローシップを売り込んではどうか。
本日の討論・提言が広く認識されて、日本社会が動くきっかけになると信じております。

【おわりに】

日米センターでは2004年1月から2005年3月までの15カ月の活動を一冊の報告書にまとめました。詳細はこちらから。PDFファイルでの参照が可能です。また希望者には無料で送付しています。どうぞお申込みください。
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