地球温暖化は、恐らく今日世界の至るところで最もよく話題にのぼるテーマの一つであろう。現在の環境の状況は大きな関心事項であり、この環境という問題への一つの解決策や解決へのはっきりとした道のりが欠如していることに対して、我々の多くが大きな不安を抱いている。この問題に対してどのようなことを信じていようとも、大気を汚染することは良くないことで、解決方法を見つける必要があることは皆同意するところであり、人々は、将来の世代のために、環境を良くするために変化や犠牲を払うことを惜しまない。
勿論、二酸化炭素排出レベルは上昇しており、その殆どは、エネルギー消費が原因である。米国では、二酸化炭素の82パーセントがエネルギーの発生によるものである。日本では、温室効果ガスの半分が産業やエネルギー業界から排出されている。私たちが益々エネルギーを消費していることは、共通の認識である。広告や多大な努力が“クリーンな”自動車を作ることに集中しているが、すべての自動車がそれに取替えられたとしても、温室効果ガス排出という問題にはあまり影響しないのである。
米国では、いくつかの違った方法でこの問題に対処することによって、温室効果ガス放出を削減しようとしている。全体的に、連邦政府は、技術開発やその効果の実証を促進するために科学・技術に5億ドル(570億円)を費やしている。事実、すべての政府機関には、温室効果ガス削減に協力するためのプログラムがある。ほぼ、中期及び長期的な解決方法は、開発されつつある。エネルギー省は、電力発電所の効率及び保全を高めることによって、エネルギー消費を削減することを促進している。それと平行して、二酸化炭素を取り集め、保存する技術も改善され、代替燃料の開発や使用等も促進されている。このためには、継続的な研究開発の流れが必要であり、米国は、これを開発及び実行しようとしている。これらのプログラムの現在の年間予算は20億7千万ドル(約3008億円)である。
究極の解決方法は、低コスト、ゼロ排出システムであり、“Future Gen”と呼んでいる。これは、10年間で10億ドル(約1140億円)のマルチナショナルプログラムである。このシステムは、すべての副生蒸気と技術を効果的に利用し、結果的に実際に排出量がゼロとなる石炭を基本とした発電所システムである。石炭は、電気を生産するために統合ガス化循環システムによって生成される。水素副産物は、直接使用、または液体化させることができ、これにより、発電所と輸送システム用にエネルギーを補充することができる。二酸化炭素は、取り集められ、保存または、石油生産の増加のために使用される。現在では、多くの石油生産者は、この目的のために二酸化炭素を購入している。
上記のようなことが起こるには、燃料電池、二酸化炭素の隔離、浄化隔離に伴うガス化、有効利用高レベルタービン、水素生産を含む、幾つかの技術開発とその効果の実証が必要である。これらのすべての技術は、現在開発中であり、2012年の初頭には順々に統合される計画である。
一方、コストが低く手頃な環境調整技術により、現存の発電所を浄化する作業が行われている。これらの技術は現在既にあるものだが、すべての排出量を除去するほど十分ではない。排出量を削減する2つの最善の方法は、発電所技術の効率性を高めることと最初からクリーンな燃料を使用することである。ガス燃料による発電所は、石炭燃料発電所と比較すると排出量は約半分である。それに加え、最新の石炭を基本とした発電所は、単に高い効率性によって二酸化炭素を25パーセント削減することを証明した。2020年までの私たちの目標は、排出量を40パーセント削減するための技術を向上させることである。
二酸化炭素ガスは発電所から隔離される前に、比較的純粋なガスとして取り集められなければならない。その後、二酸化炭素の使用や保存方法は開発されなければならない。
次世代のために豊富で、低コストのエネルギーときれいな環境を確保するには多くの課題がある。排出量の削減、土地利用、安全性、エネルギー保障、熟練された労働力などである。今日、私たちは、エネルギーと環境の問題が、もはや国境内でとどまらず、グローバルであることを認識している。次世代のためにこれらの問題を共同で解決するには、もはや単独で行動することはできず、他国と協力しなくてはならない。メタンハイドレートのような新しい燃料資源は米国と日本の両国で確認されており、クリーンエネルギーとエネルギー自立を可能にし得る。今回のシンポジウムでは、日本はこの問題に対して、熱心に取り組む姿勢であり、率先してすべての国々をまとめ、炭素排出量削減に向けて取り組んでいることが明らかになった。各パネリストは生態系にやさしい環境に向けて様々なアプローチをとっているが、皆、持続可能なエコフレンドリーな将来に注目している。温室効果ガス削減にすべての国々が参加することは、環境に優しいライフスタイルと、より進歩したエコ農業プロセスを人々にもたらすことになるだろう。更に、環境と経済は、近い将来に常識となりうる排出権取引から恩恵をうけることになるであろう。
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シンポジウムにご参加いただいた他のパネリストの方々からもエッセイをご寄稿いただきました。こちら(ジョシュア・モルダビン教授エッセイ / 有村俊秀准教授エッセイ)からご覧ください。
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