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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2005年3月)
フェロー:川上 豊幸

報告書リスト

「電話会議」「助成財団に会おう」「助成金のあり方の違い」など
(川上 豊幸氏より)

フェロー:川上 豊幸(特定非営利活動法人AMネット理事)
研修テーマ:成果を導く効果的なプロジェクト・マネジメントと資金管理
研修先:International Forum on Globalization (IFG) (San Francisco, California)
研修期間:2004年10月9日〜2005年10月8日


電話会議(conference call)

AMネットは小さな団体であるが、IFGも常勤スタッフは6名で、それほど大きな団体ではない。ただ、理事会や他の様々なネットワークは広く強力で、多くの事業、活動が他団体などとの協働事業として展開されている。その意味で、そうした事業形態はAMネットとして学ぶ点も多い。
特になんらかの活動、事業実施を行なう上で他団体との調整や連携は非常に重要で、プロジェクト開発、プロジェクト実施においても重要なファクターとなっているようだ。IFGでは、グローバリゼーション問題における一つのコアとして、世界貿易機関(WTO)での貿易自由化の議論に焦点を当てている。

今年1月末に私も参加した世界社会フォーラムで会ったNGOなどと、現在、WTOで行なわれている非農産物市場アクセス(non-agricultural market access:NAMA)交渉に関する活動連携のあり方を議論するための電話会議(conference call)に参加した。
IFGは、こうした遠距離電話による会議を通じて、コストを削減しつつ、情報交換、意見交換とともに活動連携を行なっている。

このNAMA交渉では特に、林産物や水産物の貿易自由化も議論されている。しかし、これら分野においては貿易自由化に伴う消費の拡大が環境の悪化・劣化を招いてしまうと同時に、貿易などには無縁な小規模生産者は、より不利な立場に追いこまれてしまう。
さらに、特にこの分野では、日本政府も指摘しているように違法伐採、密貿易、違法な漁獲などの問題が山積しており、こうした現状を放置したまま貿易の自由化が進むと、世界の持続可能な資源管理は全く実現不可能になってしまいかねない。

これに対処すべく各国の環境NGOなどは活動を行なっている。今回の電話会議では、私はとりあえず、IFGが連携している団体向けに、まずは議論のための材料として林産物、水産物に関するNAMA交渉への日本及び日本政府のポジションについての解説文作成を行なうとともに林産物、水産物などの天然資源についての声明文案の作成を手伝うこととなったが、こうした作業を通じて、IFGの持つネットワークとのコンタクトを広げることができれば、今後の活動においても非常に有益となり得る。


「助成財団に会おう」

さて、一方で、今月は、Foundation Centerで、「Meet the Grantmakers: Focus on Funding for the Environment(助成団体に会おう: 環境への助成に焦点を当てて)」というセミナーに参加し、コンプトン財団、ローズ財団、サンフランシスコ財団らによる話を聞いた。Rose FoundationからはTim Little さん、San Francisco FoundationからArlene Rodriguezさん、Compton FoundationからJennifer Sokoloveさんが参加していた。

それぞれの財団がそれぞれに個性を持っていて、助成する団体やその内容などについて一定の制約がある。たとえばコンプトン財団は、最近ガイドラインの改定を行なって海外団体への助成は行なわなくなったものの、地域的には最も幅広くにわたって助成先があるが、特定の問題に特化しているとのことだった。

また、Rose Foundationは、比較的グラント規模が小さく、小規模の団体向けであるし、また、北カリフォルニアに焦点を当てているとのことだった。
また、San Francisco Foundationは、分野は芸術から教育、環境・社会問題まで、様々な問題への助成を行なうが、その名前の通り、サンフランシスコでの団体、活動に絞って助成するコミュニティ型の助成団体であり、それぞれ特性をもった団体が紹介された。

よって、個々の団体の特性やプログラムに合う助成元を探し、アプローチすることがまずは大事だということが繰り返されていた。今回は「環境」がテーマになっていたが、昨年も同様のイベントで国際フィランソロピーというテーマのものがあり、これにも参加した。しかし話の内容は近く、とにかく、個別の助成団体、プログラムの詳細は、各団体のホームページで確認して、まずはコンセプト・ペーパーを送ることに尽きるという。

また、これらの団体のプログラム・オフィサーらは彼ら同士で日頃から情報交換を行なっているとのことで、おもしろい企画であれば、自分の団体がダメだとしても他の財団などへの紹介を行なうなど、風通しはいいと話していた。ということは逆に財団ごとに小細工をするのは逆効果で、プロポーザルには一貫性を持たせておくことが必要だとのことだった。

また、当初達成目標として掲げていた問題が、非常に困難であるとか、あるいは予想外の外的環境変化で実施不可能となった場合の対応などについても、助成団体は、監査し、欠点を見つけ出そうとしているわけではなく、助成先団体を支援しようと思っているわけだから、とにかく、早め早めに現状を伝えて、現実的な問題があればいっしょに解決に向けて財団に相談することが有効だとの話だった。

こうした状況変化に伴う問題への対処は、私が、このフェローシップの応募時に抱いていた疑問の一つだった。申請したとおりプロジェクトを実現するに越したことはないものの、何らかの新しい状況変化や問題で実施が不可能になったり、財団、当該団体にも予測できない不慮の事態については、その時点で改めて双方で協議するということで問題解決を図るしかないのは当然といえば当然だが、今回のセミナーでも、他のセミナーでの議論と同様であって、こうした問題への対処法は比較的、多くの財団が共有する認識であることが確認できた。


助成金のあり方の違い

その日は、ちょうどその後、Foundation Centerの資金調達計画づくりのセミナー(Introduction to Fundraising Planning)もあったので、これにも参加した。ここでは、財源の分散化と多様化、コアになるプログラムの特定、強み分析、目標設定、スケジューリング化といった一連の流れについての概略説明及びワークシートでの説明などがなされ、概略理解として有益なものだった。

最近、IFGでも財団からの大口の助成金が決まった。特に、これはプログラムに向けた助成金ではなく、人件費を含めて使途を限定しておらず、unrestrictedな資金として組織自体を支援しようという形態のものなので、非常に有益だとのことだった。

日本の財団では、(学者・研究者向けのものはいくつか見受けられるものの)、こうした支援を非営利団体向けに行える財団及びプログラムをあまり知らないが、米国では、結構一般的な形となっている。もちろん、プログラムに焦点を当てた申請の方がより資金を得やすいのは米国でも同様のようだが、一定の信頼関係と実績に基づいて、こうしたより深い資金拠出を行なうことで、組織全体を評価し、支援することも行なわれている。さらに、たとえ、プログラムを中心にした助成金であったとしても、オーバーヘッド(間接経費)として管理費に全予算の十数%程度を充当できることとなっているようだ。
※国際交流基金日米センターの助成プログラムでは、直接経費に対する助成額の10%を上限に、間接経費の申請を受け付けています。また、事業に直結する限りで人件費を助成金に含めることがあります。(日米センター注)

どういうわけで、日本には非営利団体向けのこうした形態での助成金が少ないのかわからないが、前に聞いた話では、財団の審査力、審査能力の中身と、財団としての方向性の明確さなどについての考え方が異なっている点にも関係があるのかもしれない。

さて、IFGとしてその大口の助成金の獲得にどれほど時間がかかったのかと聞いてみたところ、2年ぐらいとの返事が返ってきた。結構、時間がかかると思ったので、これは平均的な方かどうかと聞いてみたところ、もちろん財団によるが、今回は時間がかかった方で、もっと短期間で採否が出るのが普通だそうだ。

今後は、具体的にどのような財団がどのような問題に関心があるのかを調査するといった活動にも参加してみたいと思っているし、すでに研修期間の半分が終了してしまったわけだが、今後は、当初予定していた他団体へのsite visitを、もう少し増やしてみようと思っている。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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