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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2006年4月)
フェロー:黒田かをり

報告書リスト

黒田かをり
日米センターNPOフェローシップ(第6期)
月次研修報告書(2006年4月分)

フェロー: 黒田かをり(CSOネットワーク(東京) 共同事業責任者)
研修テーマ: 途上国の地域社会の問題解決に向けたステークホルダー間のパートナーシップ
研修先: Social Accountability International (New York City)
研修期間: 2006年2月27日〜2006年10月26日


4月10日から12日にかけてワシントンで開催されたふたつのイベントに出席した。ひとつは、アメリカの国際開発・人道支援NGOの集合体であるインターアクションの年次フォーラム、もうひとつは世界銀行研究所(WBI)主催の「企業とNGOと開発:ミレニアム開発目標の達成にむけた戦略的な取組」という会議である。ふたつのイベントは別会場でほぼ並行して行なわれたため、それぞれ部分的に参加した。
以下、それぞれのイベントのプログラムから、今回のフェローシップに関わりのあるNGOの基準作りと、マルチステークホルダー・パートナーシップについて、簡単に報告する。

NGOの行動規範づくり

160以上の国際開発・人道支援NGOの集合体であるインターアクションは、1992年にPVO(Private Volunteer Organization)スタンダードという行動規範を作成した。90年代以降、NGOは、その影響力を強める一方で、アカウンタビリティや正当性の欠如などを批判されてきた。そこで、危機感を強めたNGOは、自らの信頼性を高めるために、自主的な規制強化に努めてきている。

PVOスタンダードは、ガバナンス、インテグリティ、財政、一般社会とのコミュニケーション、マネジメントと人材、プログラム、公共政策、事業実施などについて規定を設けている。インターアクションの会員団体は、PVOスタンダードの自己診断を行なうことが義務付けられている。更に、インターアクションは、チャイルド・スポンサーシップ(里親制度)を実施する団体を対象としたスタンダードも開発した。
私のホスト団体であるSocial Accountability International (SAI)は、このスタンダードの認証と監査に関わっている。これについては、ウォール・ストリート・ジャーナル(2005年3月9日付)が国際大手のNGOがはじめて、外部の監査機関により寄付金がきちんと使われていることの認証を得たという主旨の記事を書いている。
また、2004年には更に厳しいアカウンタビリティ基準を設けた自己診断ツール(Self Certification Plus)のパイロット事業に着手している。これらの基準の詳細は、Inter ActionwebサイトLinkを参照されたい。

今や、NGONPOにとって、信頼性の確保やアカウンタビリティの向上は、最重要課題になりつつある。日本でも国際協力NGOセンター(JANIC)が2002年にNGOアカウンタビリティ委員会を立ち上げ、基準づくりを行なってきた。NGOの社会的責任が問われる時代にあって、NGO自らが、透明性、アカウンタビリティ、正当性の確保に積極的に努める姿勢がますます重要になっていくのであろう。

マルチ・ステークホルダー・パートナーシップ

開発機関やNGOが企業人を招き、ミレニアム開発目標/貧困削減などをテーマにした会議を開催することは今日めずらしいことではないが、今回のWBIの会議は、「お客様」的な存在になりがちの企業を、明らかにターゲットにしたものであった。4月中旬には、ニューヨークでも、国連も同じような趣旨の会議を主催している。今回の会議で強烈に印象に残ったのは、「貧困削減は大きなビジネスチャンス」という発話者の発言であった。世界的に話題をよんでいるC.K.プラハラードのビジネス書『ネクスト・マーケット』の影響も大きいだろうが、貧困層を新たな巨大市場と見なし、貧困問題の解消にも取り組んでいこう、ということであろうか。なお、この本を出版したウォートンビジネススクールもこの会議の協力団体として名を連ねていた。

しかし、世界の貧困問題の解消と企業自身の利潤追求は簡単につながるものではないだろう。NGOなどがつなぎ役(コーディネーター/リーディング・エージェント)となり、現地の人々や自治体などのニーズや意見を尊重しながら、マルチステークホルダー・パートナーシップの枠組みの中で行なう必要があるのではないか。NGOの中には、企業との連携に否定的・懐疑的なところも少なくないが、途上国に流れる民間資本が政府開発資金の4倍になっているなか、企業をエンゲージしないことのリスクや、企業と連携することの効果や機会を重要視しているNGOも増えている。本会議に発話者のひとりとして参加していた大手国際NGOの代表が、「貧困問題の解消のためには企業とのパートナーシップは重要である」と言い切っていたのが印象的であった。

企業のエンゲージメントといってもいろいろな形がある。インターアクションのフォーラムで社会責任投資をとりあげたセッションがあったが、その中で、問題のある企業の株主となり、内部から積極的に方針変更を訴えるというNGOのアクションが取り上げられた。時間の関係もあり、詳細には至らなかったが、これに関しては今後もう少し調べてみたいと思う。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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