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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2006年4月)
フェロー:中村絵乃

報告書リスト

中村絵乃
日米センターNPOフェローシップ(第6期)
月次研修報告書(2006年4月分)

フェロー:中村絵乃 (特定非営利活動法人開発教育協会(東京) 事業・研修担当)
研修テーマ:NPOの組織強化/国内の教育活動
研修先:ESR Metro (New York City)
研修期間:2006年1月20日〜2007年1月19日


4月は、ワシントンDCで開催されたInterActionのフォーラムに参加した。今回は、そのフォーラムと、アメリカの開発教育の現状について報告したい。

InterAction Forum2006 について

2006年4月10日〜12日、ワシントンDCのL`Enfant Plaza Hotelで開催された。テーマは『私たちの共通の声を見つける』。アメリカ全国から主にInterActionLinkのメンバーである開発PVO(Private Volunteer Organization)のスタッフが約200名参加した。

国家安全保障の軸としての「開発」

2004年、ブッシュ政権は、国家安全保障の軸として、Defense(防衛)、Diplomacy(外交)とともにDevelopment(開発)を掲げた。それに伴い、USAIDのトップが副外務大臣に格上げされるなど、開発援助が国家戦略の重要な部分を占めつつある。
さらに、1月にはライス国務長官が海外援助政策の大幅な変更を示唆するスピーチをしたことから、今回の会議ではアメリカの援助政策の行方が焦点の一つともなった。

イラクやアフガニスタンに出される資金はここ数年で3倍近くに膨らみ、それが多くのPVO(Private Voluntary Organizations)NGOの資金源ともなっている。中には財源の8割以上をODAでまかなう組織もあり、政策の独立性を保つのは難しいのでは、と思った。多くの大きな援助組織は政府の下請けか、コンサルタント化しているようで、それがとても気になった。

この政策の背景には9.11以降、軍事力がある国を脅威として見るだけでなく、貧困や低開発を解決することが、アメリカのそして世界の安全をも作り出すことに気づいてきたことが挙げられる。
とはいえ、開発を、外交・防衛とともにを国家戦略として考えるのはやはり無理があるのではないか。フォーラムの中で、アメリカの援助政策をテーマに話し合ったセッションでは、外交と開発ははっきり分けるべきであると言った大学教授が大きな喝采を浴びていた。

プログラムの内容

3日間のプログラムは、分科会や全体会、議員へのアドボカシーや、クリントン元大統領のスピーチなど盛りだくさんであった。マーケット会場も設けられていて、参加団体がブースを並べていた。PVONGOなどと並んで、安い航空運賃を提供する航空会社や、商品を提供する企業もブースを出していた。資金も潤沢なのか、皆とても立派な看板を出していた。

分科会のテーマは、プロジェクト評価、アメリカの援助政策、緊急援助、グローバルキャンペーンなど、様々。「グローバルキャンペーン」の分科会では、OXFAMのキャンペーン戦略やGCAP(Global Call to Action against Poverty)の経験などが共有された。国際的なキャンペーンを成功させる重要事項として、北側と南側の政策を調整すること、南の国々にオウナーシップを持たせること、継続するために意識を喚起すること、などが共通して挙げられた。
会場からは、資金や労力をかけるわりには成果が見えにくい、開発問題だけでなく、エイズやしょうがい者など、様々なテーマに関してキャンペーンが行なわれる中で一緒に協力できないのか、という意見も出た。それに関しては時間がなくて議論できなかったが、とても重要な問題だと思う。

アメリカの開発教育の現状

フォーラムでいろいろなNGOに出会えたのはとても良かった。必ずしも大規模な団体ばかりでなく、ほとんど政府から資金をもらわずに頑張っている団体もたくさんあった。しかしその中で「開発教育」を行なっているという団体は皆無であった。

National Peace Corps Association

フォーラムの後、the National Peace Corps Association(NPCA)Anne Baker氏を訪れ、アメリカの開発教育の現状を聞いた。NPCAPeace Corpsの帰国隊員やその趣旨に賛同する人たちをメンバーに、開発教育や、アドボカシー、教員研修などのサービスを行なっている。Anneとはイギリスで行なわれた開発教育の会議で数年前に会って、NPOフェローシップの受入先団体について相談したりしていた。今回のフォーラムの感想を述べると、なるほど、と納得していた。数年前はInterActionのフォーラムにも開発教育の分科会があり、人気だったという。しかし、最近は、学校や一般の人向けに開発教育を行なうというよりも、寄付者や支援者向けのものが中心になってしまったようだ。

その中でもNPCAは教員のグループをつくり、新しい教材やカリキュラムの情報を共有したりしている。半月に1度発行されるGlobal TeachNetニュースレターLinkはメールでアメリカ全国4,000人の教員向けに発行されていて興味深い。NPCAも制作に協力した教材“US in the World” では、開発、貧困、環境など世界の様々な問題を身近な人に伝えること、関心を高めること、さらに政策に変化を起こす方法を参加者と議論しながら考える教材で、面白い。学校ではもちろん、ユースワークや地域の活動などでも広く活用できると思う。

The American Forum for Global Education

この団体は、アメリカの社会科教員のネットワークで、アメリカで中心的にグローバル教育を進めている団体。世界の文化、歴史、政治、経済、社会などの多面的な理解をテーマにたくさんのカリキュラムを作成している。事務局のHazel Greenberg氏を訪れた。

アメリカンフォーラムの作成するプログラムの目的は、子どもたちが、世界や社会の問題を、様々な視点から見ること、つながりを理解すること、そして日々のニュースで取り上げられたとき、関心を持って記事を読み、建設的な議論を進めることができることである。そのため、参加型で、様々なリソースを使った教材やプログラムが目立つ。5月5日に行なわれた社会科教員対象のアジアについて学ぶシリーズ第4回目「インド」にも参加させてもらい、非常に面白かった。
特にインドのデモクラシーに焦点を当て、欧米のデモクラシーと何が違うのか、未来はどのような形か、などのキーとなる質問を教員自身に考えさせるプロセスが面白かった。しかしながら、アメリカンフォーラム自体の活動は今後縮小傾向にあるという。財政面の問題もあると思うが、非常に残念だ。ここで出会った社会科教員の授業を今度見せてもらう予定だ。

上記のように、アメリカで「世界とのつながりからよりよい社会を考える」という開発教育の概念は、あまり進んでいないように思える。その理由としては国内に抱えている問題が非常に大きいからかもしれない。しかし、実際にアメリカの行動が世界に大きな影響を与えているし、逆もしかりである。上記2つの団体は、そういう意味でも世界とのつながりに焦点を当てて教育プログラムをおこなっている、数少ない団体であると思う。その他にもいくつか関心のある団体を今後訪れてみようと思っているが、上記2つの団体とは定期的に連絡を取って、イベントなどに参加させてもらう予定だ。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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