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NPOフェローシップの様子の写真4

日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2006年6月)
フェロー:岩附 由香

報告書リスト

岩附 由香
日米センターNPOフェローシップ(第6期)
月次研修報告書(2006年6月分)

フェロー: 岩附由香 (特定非営利活動法人ACE(東京) 代表) 
研修テーマ: 児童労働分野のNGOのアドボカシーとプログラム、資金調達とネットワーク活動
研修先: Winrock International (Arlington, Virginia)
研修期間: 2006年3月29日〜2006年12月28日


NGO訪問インターアクション(Interaction)(ワシントンDC)

NPOフェローシップの様子の写真1
Interaction が隔週に発行しているニュースレター、Monday Developmentに写真デビューを飾ってしまった(写真右下)。巻頭に4月に行なわれたフォーラムの様子をレポートしており、そのひとこまとして、観衆のひとりとして登場。左ページはフォーラムのスペシャルディナーで招待されていたクリントン元大統領/ツナミ特別大使。

インターアクション(Interaction)はアメリカ国内の国際協力を行なう約600団体が加盟するネットワーク組織であり、アドボカシー団体である。4月に行なわれたインターアクション・フォーラムの主催団体である。4月の月次研修報告書に参加報告を書いたが、このフォーラムの様子を報告した出版物に、いち参加者として私の写真が掲載されており、驚いた。

インターアクションのアドボカシー担当であるジェニファー・クルズ(Jennifer L.Kurz)さんに話を聞いた。クルズさんはインターアクションの中でアドボカシーを担当するだけでなく、他団体との共同キャンペーンも担当していた。そのひとつが“One Campaign”であり、これは私が関わっていたほっとけない世界のまずしさキャンペーンに相当するもので、同じ傘(Global Call to Action againt Poverty、通称GCAP)の下であったことから、親近感を持って話をすることができた。アドボカシーを学ぶにあたって有用な書籍などのリソースを教えてもらい、現在それらが大変役に立っている。

インターアクションのアドボカシー活動はワーキンググループ(作業部会)を通じて行なわれている。現在70の作業部会があり、2週間おきにミーティングが行なわれることになっているが、定期的にミーティングを行なっているのはそのうち20グループ程度である。そのほかに、2週間ごとにある政府へのアドボカシーを行なう作業部会と、月1度会合のあるアウトリーチに関する作業部会が2つある。作業部会のテーマは様々で、コンゴやスーダンなどの国別のものもある。日本のインターアクションに相当するネットワーク組織と比べて規模がかなり大きいので、その分活動も多岐に渡り、アドボカシーにも力を入れているように思った。 

また、アメリカのNPOセクターのアドボカシー活動をサポートするソフトウェアも複数あり、インターネット経由でのアドボカシー活動が民間企業のサービスによって支えられていることがわかった。

NGO訪問 International Center on Child Labour and Education (ICCLE(ワシントンDC)

ICCLEは、「児童労働に反対するグローバルマーチ(Global March Against Child Labour :児童労働に関する世界的なネットワーク組織)」の北米事務局でもある。ここでの主な活動はアドボカシーである。事務局長のスダンシュ・ジョシ(Sudhanshu Joshi)さんはグローバルマーチの代表と共に児童労働や教育に関する会議に参加するため、アメリカ国内の活動だけではなく欧州への出張等も多い。アメリカ政府がなぜ児童労働について熱心なのかをたずねたところ、やはりトム・ハーキン上院議員の名前があがった。1997年のユニセフ発行世界子ども白書には、ハーキン議員が1990年代に児童労働で作られた製品を禁止する法律を提案し、可決されなかったもののバングラデシュの繊維産業に混乱をもたらしたということが記述されている。このことが彼を世界的に有名にしたのではないかと思う(少なくとも私はそのきっかけで知るようになった)。現在もハーキン議員はカカオ栽培の児童労働についての協定を作る立役者になるなど、児童労働への熱心な取り組みを続けており、同時に彼がいるからこそ、労働省の国際児童労働プログラムに予算が確保され、それがIPECへの出資にもつながっていると、多くの人が認めている。ジョシュさんによると、ハーキン議員とグローバルマーチの代表カイラシュ・サティヤルティ(Kailash Satiyarthi)さんとの友好関係が、ハーキン議員の児童労働への熱心な取り組みが始められた理由ではないかとのことだった。

●6月12日の児童労働反対世界デー 国際労働機関、世界銀行共催イベント

6月12日は国際労働機関(以下ILO)が定めた児童労働反対世界デーである。毎年世界各地でこの日を記念したイベントが行なわれる。ワシントンDCでは、ILOワシントンDCオフィスと世界銀行の共催で、ラウンドテーブルが開かれた。20名弱の研究者や専門家が集まり、国際労働機関、世界銀行、NGOなどから計10名ほどのプレゼンターが、研究成果を発表し、意見交換を行なった。

はじめにILO-IPEC(International Programm on the Elimination of Child Labour、国際児童労働撤廃計画)のギア・ミスタッド(Geir Myrstad)さんがILO本部のあるジュネーブから電話会議システムで参加し、今年5月に発表されたグローバルレポートのポイントを3点指摘した。1)政府の政策の選択 2)政治的意思 3)政策の一貫性である。1)については特に教育や貧困削減を行なう際にいかに正しい政策を選ぶかという点が決定打であること、2)についてはブラジルを例にあげ、児童労働の減少を政府の取り組みにあると述べた。

NPOフェローシップの様子の写真2
経済発展が関係があるのは確かだが、経済発展をすれば必ず児童労働が減るわけではなく、1)と2)があるからこそ削減したのだとのことだった。また3)については特に国内の省庁間での一致性が求められることを強調するとともに、特に国際レベルにおいては一体としてのの問題分析、つまり児童労働の意味、背景、そして教育や貧困削減とあわせた解決策についての共通理解を有する必要があると述べた。

その後、各研究の発表と意見交換が行なわれた。研究発表の内容は、ラテンアメリカで特に多い“Cash Transfer”(子どもが学校に行くことを条件に、家族に手当てを渡すこと)や、アフリカでの現地統計調査などであった。また世界銀行から出版されたアフリカの児童労働の出版物の著者が、写真を交えてプレゼンテーションを行なった。(写真)

●危機にさらされている子ども(Children at risk)セミナー

NPOフェローシップの様子の写真3

ILOワシントン支局の代表と、Child Labor Coalitionの共同代表がスピーカーとなって行なわれたこのセミナーには、NGO関係者、学生など50人近くが詰め掛け、関心の高さをうかがわせた。

会場からの質問も幅広く、児童労働の定義から、貿易政策に関するものまであった。Child Labor Coalitionではキャンペーン等を通じて世論喚起を行なっており、とくにカカオ農園の児童労働に関してはチョコレート産業との協定を結ぶにいたるまでのプロセスに関与した実績がある。(写真左の中央がChild Labor Coalitionの共同代表)

●資金調達ワークショップ(Fundraising Workshop)

6月22日、23日の2日間に渡り資金調達のワークショップに参加した。講師はGIFT(Grassroots Institute for Fundraising Training)の事務局長、ソニヤ・ガルシア(Sonya Garcia)さん(写真)。参加者は8名で、それぞれの所属はColonias Development Council(ニューメキシコ州の国境近くの移民への水道、下水、学校など公共サービスの充実を図るNGO), Asian American Lead(アジア系移民への生活改善プログラムを実施するNGO), Appalachian Sustainable Development(タバコ栽培農家の有機農法での野菜作りへの移行補助とその野菜の卸を行なうNGO)など、アメリカのそれぞれのコミュニティーに根ざした活動をしているNGOである。
2日間のワークショップは参加型で行なわれた。参加者がブレーンストームをしたり、ペアになって意見交換をしたりしながら理解を深めていったことで、講師からのインプットだけでなく、参加者から学べる部分も多くあった。資金調達の経験が1カ月から5年以上とばらつきが多い中で、参加者の満足度が高かったのは、Sonyaさんのファシリテーションの素晴らしさにあると思った。

NPOフェローシップの様子の写真4

GIFTは私が受けたような資金調達トレーニングを行なうほか、資金調達インターンシップ(トレーニングを受けたインターンを各団体に送り、そこで実地訓練を行なう)も行なっている。特に“People of color”(有色人種)の資金調達能力強化をめざしている。この背景にはNPOセクターの資金調達がほとんど白人によって行なわれているという現実がある。
GIFTのトレーニングマニュアルの中にあるメキシコ系アメリカ人の署名記事では、「ある団体の理事になることを依頼されたが、自分の関心である資金調達ではなく、プログラム担当の理事に任命されたこと」や、「ある団体では理事が全員メキシコ系アメリカ人であるにも関わらず資金調達の担当は全員白人であったこと」などを例として紹介し、いかに有色人種が団体運営の指導権にも関わる資金調達から疎外されているかを指摘している。

資金調達ワークショップの詳しい内容は別途報告しているが、2日間でカバーされた内容は以下のようなものである。

1.寄付はどこから? -Who Gives? Who Gets? Fundraising Myth
2.資金調達への恐れ タブーを乗り越える 
3.資金調達の目的  -Build relationship
4.資金調達の技術 -宛名が手書きの封筒、手紙の冒頭、最後、そしてPS
5.主要寄付者へのアプローチ AbilityBeliefContact

今回のワークショップでは目からウロコがパラパラと落ちて行くのを感じた。これまで「資金調達」は悩みの種以外の何ものでもなかったのが、このワークショップでポジティブなものとして捉え直せた気がする。資金調達は関係構築であり、自分たちの団体の活動の意義を信じているのなら、堂々と寄付のお願いをするべきであるということを、理屈だけでなく感情で理解でき、またこれまでいかに自分が寄付の可能性があった人たちを寄付お願いリストから外してきたかを実感した。そのような資金調達に関するウロコがとれて、視界がすっきりクリアになった気がする。また、アメリカの寄付者の20%しか税控除をしていないという統計を知り、アメリカは日本と違って税が控除されるために資金調達が日本より容易であるという自分の考えが間違っていることにも気づいた。

●ワークプランの修正

ワークプランとは研修当初にスーパーバイザーと確認した研修の内容及び成果物、またそれにかかる時間を示すものである。毎月の予定も書いているので、適宜見直して変更を加えている。今回の変更点は、フェローシップの成果物である論文のテーマである。児童労働のアドボカシーについてのペーパーについてコンセプトペーパーを書いたところ、内容がより明確になってきたため、それに合わせる形で仮タイトルを修正した。また、民間と公のパートナーシップを含めたペーパーについても、企業の社会的責任と児童労働というテーマで捉えなおして書くことにした。

●調査票の作成

アドボカシーに関する論文を作成する情報収集として、NGO訪問の際に使用する調査票を作成した。10項目に渡る質問の内容は、児童労働に取り組み始めた経緯、また現在行なっている活動(とくにアドボカシー的側面)、また企業との関係等である。この調査票は事前にEmailで送っておき、実際の訪問時に内容を確認しながら記入してもらう。集計結果は、児童労働のアドボカシーについての論文に反映する予定だ。

以上

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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