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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2006年6月)
フェロー:黒田かをり

報告書リスト

黒田かをり
日米センターNPOフェローシップ(第6期)
月次研修報告書(2006年6月分)

フェロー:黒田かをり (CSOネットワーク(東京) 共同事業責任者)
研修テーマ:途上国の地域社会の問題解決に向けたステークホルダー間のパートナーシップ
研修先:Social Accountability International (New York City)
研修期間:2006年2月27日〜2006年10月26日


●SA8000社会監査基礎講座

Social Accountability International(以下SAI)は、国際労働規格であるSA8000の認定機関(accreditation agency)であるが、同時に社会監査、サプライチェーン・マネジメント、その他の研修の実施・主催団体でもある。

一番人気の高い社会監査の基礎講座は、20近くの国で年間50本以上開催されている。この講座は社会監査人を養成するために開設されたものだが、ここ数年SA8000に関する基礎知識を習得するために受講する人も増えている。

今回、研修の一環として6月1日から5日までワシントンDCで実施された講座に参加した。他の出席者は開発コンサルタント、企業のCSR担当、CSRのコンサルタントなどである。今回はNGOからの参加はなかった。これは4日間の講座で最終日に筆記テストがあり、合格者には免状が渡される。もっとも社会監査は経験が重要なので、免状があってもすぐに仕事には結びつくものではない。講座は、グローバリゼーション、人権というマクロなイシューの導入から始まり、SA8000の要求事項の具体的な内容や課題を議論する。 実際の事例をもとにしたケーススタディをもとに小グループで討論を行なったり、インド、中国、ブラジルなどの工場や社員寮などをビジュアルに紹介するバーチュアル・ツアーを行なったりと、内容も盛りだくさんである。

SA8000は人権と労働環境の向上を世界的に目指し、国際労働機関(ILO)の条約・勧告、世界人権宣言、国連こども権利条約、国連女子差別撤廃条約を基礎に1997年に作成された国際規格である。2005年12月31日現在、30カ国以上で総計881社がSA8000を取得している。

SA8000の要求事項は以下である。

  1. 児童労働
  2. 強制労働
  3. 健康と安全
  4. 結社の自由と団体交渉権
  5. 差別
  6. 懲罰
  7. 労働時間
  8. 報酬
  9. マネジメントシステム

この講座は、社会監査人として豊富な経験を積み、各地で同様の研修を実施している人が講師を務める。今回の講師は、自身の経験を踏まえ、授業で勉強することと生の現場の間にいかに大きなギャップがあること、そして社会監査人はいつもジレンマの中で仕事をしなければならないということを何度も強調していた。

道路の制限速度を多くのドライバーが守らないように、法律と現実の世界の間には常にギャップがある。さらに、文化や慣習、伝統など考慮すべきことがたくさんあり「べき論」ではなかなか解決しない現実がある。

その他にも、労働者の保護という名目で実際は監視が行なわれていたり、差別を助長するようなことが行なわれていたりなど実態を見極めるのがむずかしい状況に出くわすことも少なくない。また、工場等で働く人にインタビューを実施するときも細心の注意と配慮を払うなど、社会監査人には技能だけでなく人間力も大きく問われる。しかも、予算と時間的な制約が厳しい中で監査を行なうのであるから、問題群に優先順位をつけて結論を出さなければならない。

このように社会監査人はあらゆるレベルでのジレンマを抱えながら監査を実施している。私は財務監査にほんの少し関わった経験を持っているが、今回の講座で、人を対象とした監査がいかにむずかしいかということをあらためて学んだ。ひとりの参加者が「社会監査人にはなれない」とため息をついていた。しかしとても意義のある仕事であり、今後、社会監査人を目指す人が増えることを期待したい。

●インターンと昼食セミナー・シリーズ

アメリカでは夏休みに大学生・大学院生が企業やNPOなどでインターンとして実地経験を積むのが一般的である。SAIも毎年数名のインターンを受け入れている。

今年は4名の大学生が6月から約2カ月の予定で職場に来ている。インターン・プログラムを統括するオフィス・マネージャーは、事前にボランティア・マネジメントのセミナーに通い、入念な準備を行なった。

それぞれのインターンの専門や特技(例えば外国語やITなど)に照らして、プロジェクト担当者にインターンの仕事をリストアップしてもらい、本人たちが到着してから個別面談で具体的な仕事とスケジュールを確定するという手順を踏んで、インターンシップが開始した。また、6月中旬からは、昨年の夏に好評だったという昼食セミナー・シリーズも始まった。この運営もインターンの仕事である。セミナー・シリーズは計11回で、講師はSAIのスタッフと社会監査人、テーマはSA8000の要求事項やその他の企業プログラム、ISO26000、マーケティングなどである。セミナーには、4人のインターンと私のほかにSAIに来て1年以内のスタッフも2名参加している。SAIの業務を理解するのに非常に良い機会だと思う。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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