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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2006年11・12月)
フェロー:中村 絵乃

報告書リスト

中村 絵乃
日米センターNPOフェローシップ(第6期)
月次研修報告書(2006年11・12月分)

フェロー: 中村絵乃(特定非営利活動法人開発教育協会)
研修テーマ: NPOの組織強化/国内の教育活動
研修先: ESR Metro (New York City)
研修期間: 2006年1月20日〜2007年1月19日


11月、12月は公立小学校の教員にインタビューを行ない、ESRのプログラム改善のための提案をした。また、11月末にスタッフ・リトリートが行なわれたので、この2つについて報告したい。

1. 教員インタビュー

10月にスーパーバイザーのトム・ロドリック(Tom Roderick)氏と相談し、ESR Metroのプログラムを実施している公立小学校の教員対象にインタビューを行なうことにした。目的は、プログラムに対するフィードバック(内容、インパクト、支援体制)を集め、プログラム改善に役立てることである。

まずは、インタビューのための質問表を作成し、スーパーバイザーのアドバイスをもらって変更を加えた。特徴としては、通常、子どもや教室、学校への影響に焦点があたる「インパクト」に関する質問項目に、プログラム実施による教員自身の変化について尋ねる項目を盛り込んだり、具体的な話を聞きだすためのオープンクエスチョンを増やしたことが挙げられる。

スタッフデベロッパーに協力をしてもらい、4校14名の教員の協力を得ることができた。忙しい中授業の合間を縫って時間を作ってもらった。多くの教員はプログラムを高く評価しており、その目的や重要性についても実感していた。あえて質問項目に加えた「教員自身の変化」に関しては、質問を聞かれて改めて気づく人も多く、「昔は教室の問題を自分で解決しなければいけないと気が重かったが、今は子どもたち同士が解決できると思うようになって、楽になった」「子どもの言い分を聞くようになった」「すぐに自分で判断するのではなく、子どもの対応を待つようになった」などの声が寄せられた。さらに「自分の子どもや家族に対しても対立解決の手法を使うようになった」という教員も多く、教員自身がその重要性を体験しているので、プログラムに対する信頼と評価も高くなるように感じた。

大きな発見は、以下のとおり。
a.幼児から2年生までとそれ以上の学年ではプログラムの目的の理解が異なる
b.低学年向けにはよりビジュアルなツールやワークシートなどが求められている
c.多くの子どもの態度や行動などに、プログラムによって変化が見られる
d.教員自身にもプログラムによって変化が見られる
e.多くの教員が学校運営スタッフや校長からのプログラムの支援を望んでいる
f.学校全体の文化の変化は、学校運営スタッフやすべての教員がプログラムに参加しなければ不可能である

テープ起しやメモの整理を通して、教員の答えを分析し、まとめた。そして、12月に行なわれた会議で報告した。スタッフデベロッパーへの提案としては、以下のことを挙げた。
a.スタッフデベロッパーは、プログラムの専門家であるとともに、教員の重要なサポーターとして捉えられていること
b.教員たちの実践を認め、励ましてあげることが重要
c.運営スタッフへの働きかけの強化は教員も望んでいること

多くの教員は教室での子どもたちの変化やクラスの変化に気づき、プログラムの有効性を感じているが、それを共有する場がないという。教員を孤立させないために最大の支援者として、運営スタッフや他の教員への働きかけを強化することを提案した。

スタッフデベロッパーからは、「教員自身がそんなに変化を感じているとは気づかなかった」「幼児向けのカリキュラムへの工夫は早急に対応が必要なようだ」「教員同士が話し合える場を作ることができるのでは」などの意見が挙がった。この報告はスーパーバイザーや他のスタッフも関心を持ってくれ、現在、ニューヨーク大学と共同で行なわれている「プログラムにおける成果の研究」に「教員自身の変化」を入れ込むことができるのでは、という意見もあった。このプロジェクトの報告はニュースレターにも掲載されることになった。

2.スタッフ・リトリート

11月22日に、スタッフのリトリートがスーパーバイザーのトム・ロドリック(Tom Roderick)氏の家で開催された。主なテーマは団体の名称変更に伴う今後の組織の方向性をスタッフ全体で共有すること。まず最初に今までのESR Metroの歴史を振り返り、印象に残っていること、自分との関わりなどについて、年表にポストイットで貼っていく作業をした。さらに、今までのミッション・ステートメントを振り返り、新しいステートメントに加える言葉についてブレインストーミングした。

次に4人グループに分かれて、今後の組織の方向性について、模造紙を使って絵で表現した。宇宙の惑星、家、まち、木など、様々な形で表現されていた。大きく共通したのは「全国展開」「世界的な問題への取り組み強化」「社会的感情的学習」など。言葉で表現するよりビジュアルに表現するほうが、微妙なニュアンスも伝わり、グループの個性が現れて面白かった。

昼食をはさんで後半は新名称を使って、実際にどのように名称変更について説明するかを練習した。まずは、3行で組織の活動を説明する文章を考え、共有した。そして3人組になって「エレベーターでの会話」のロールプレイを行なった。一人はESRのスタッフ、一人は教員やその他の人物と決めて、1分〜3分でどのような会話ができるかを実践してみた。一人はそれを観察し、後でフィードバックを行なう。私は観察者になった。スタッフ役の人が、つい使ってしまう専門用語や略語が気になった。後で指摘すると、本人も意識せずに使ってしまう言葉があることに気づいた、と言っていた。このような作業は時間がないと難しいが、意識を喚起するためにもとても重要だと思う。とっさに説明するのも心構えがないと困難に感じた。こういった作業をスタッフ全員で共有できるのは貴重だと思った。

最後に自分以外のスタッフの名前が書かれたカードにその人への感謝の言葉を書き添え、カードを交換した。これは、スタッフ間の人間関係をよくすることにも効果があり、普段言えない言葉も伝えられてとてもよい方法だと思った。

今回、いつもと違う雰囲気でリラックスしてリトリートができたのは、会議室ではなく、スーパーバイザーの家で行なわれたことがとても大きいであろう。また食事もケータリングでみんなでわいわい言いながら食べ、その他デザートなども持ち寄ったので、楽しみがあったこと、さらに次々に課題が与えられメリハリがあったことも1日のリトリートが苦にならなかった理由である。このような形でのスタッフミーティングの形は日本でも参考になるものと考える。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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