本文へ 日米センター(CGP)は日本とアメリカにて、助成、フェローシップ、ボランティア、人物交流、情報発信を行なっています。
国際交流基金 日米センター
CGP NY | 国際交流基金 | English | サイトマップ
トップページ
日米センターとは
公開イベント
団体で助成金をお探しの方へ
個人向け支援・ボランティアの機会をお探しの方へ
安倍フェローシップ
日米パートナーシップ・プログラム
Japan Outreach Initiative
NPO フェローシップ
CGPの人物交流事業
情報室(刊行物、寄稿など)
アクセス
お問合せ
FAQ
更新履歴
日米センター公募助成プログラム
CULCON(カルコン) 日米文化教育交流会
メール配信サービス
コラムス
個人向け支援・ボランティアの機会をお探しの方へ

日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2007年3月・4月)
フェロー:松原弘子(鮎川葉子)

報告書リスト

松原弘子(鮎川葉子)
日米センターNPOフェローシップ(第7期)
月次研修報告書(2007年3月・4月分)

フェロー: 松原弘子(鮎川葉子)(エイズを伝えるネットワーク(TENCAI)(東京)代表) 
研修テーマ: 社会課題解決のためのネットワーキング研究
研修先: Men's Resource Center for Change (Amherst, Massachusetts)
研修期間: 2007年3月22日〜2007年9月21日


研修目的:

ある社会的課題「例えば暴力」が存在すると認識した時、人々は何とかしてその社会的課題を解決しようとする(または解決に導くために行動し始める)。私の研修目的は、この「問題解決をしようとする人々が集まり、組織を作り、政治に働きかけ、事業を作り出していく様子を観察する中から、アメリカでの非営利活動がどのようなネットワーキング機能によって支えられているかを理解する」ことである。
問題解決のために人々が起こす行動は、必ずしも非営利とは限らないし、必ずしも事業(*1)の形をなしているとも限らない。また、必ずしも組織を作っているとも限らない。私の関心は、NPOのマネジメントよりも、NPOの周辺に広がる「問題解決行動の文化的差異」と、その差によってどのような制度が作られている(または、きた)のかというプロセスを見ることにある。その観察の中から、私が活動の基盤を置く東京で、人々が、より問題解決に関わりやすくなるような仕組みづくり-社会的課題に関わる文化を作るための-のヒントが得たい。文化的差異の中にある普遍性を取り出すことができれば、それは可能なはずである。
*1 ここで言う事業とは、個人・団体が、プログラム、サービス、商品などの財を流通させることで、直接、間接的な資金の還流を生み出している動き全体を指している。NPOの事業では、直接対価(消費者から代金を得る)、間接対価(税金など別の財源から代金を得る)以外に、ニーズ対応型社会投資とも呼べるような、対価を産まない事業が存在するため、対価性と事業性を同一のものとして理解しようとすると団体の活動が見えにくくなる。
参考資料:「NPOの事業の仕組みに関する調査」(2002年・シーズ=市民活動を支える制度をつくる会)

研修計画:

研修を受けるMen's Resource Center for ChangeMRC)は、マサチューセッツ州の中西部にある町アムハーストにある小さなNPOである。暴力の加害男性に対して、暴力的でない人間関係を構築できるように支援することで暴力を防止するという目的を掲げて活動している。マサチューセッツ州では、ドメスティック・バイオレンス(DV)の加害男性に対して裁判所命令によって暴力的でない人間関係を学ぶ訓練が科されるが、MRCは西マサチューセッツ地域で加害男性に対するサービスを提供するとともに、男性の暴力を防止するための教育や啓発活動なども行なっている。この団体を拠点に、「男性の暴力」という問題に関わる(または関わろうとする)人々(支援者、ボランティア、スタッフなど)や組織に対して、次の4つの観点から聞き取りを行い、また公式・非公式のネットワークづくりの場に足を運ぶことによって、問題解決のためのネットワーキングの促進と阻害要因を明らかにしていきたいと考えている。
1)対象者が所属するコミュニティ、組織における役割と立場
2)組織間の目標の違い
3)資金・資源の配分方法
4)社会構造及び文化的背景

2007年3月-4月の研修目標に対する達成度:

3ー4月の研修の位置づけは、ホスト団体であるMRCのイベントやプログラムに参加しながら、MRCという組織及び組織に関わっている人々、他団体との関係を探るとともに、西マサチューセッツの男性の暴力(特にドメスティック・バイオレンス)の現状を知ることにあった。
渡米時期が団体のイベントの時期と重なったため、この目標は効率良く達成することができた。渡米翌日の3月22日、23日はボストンでポルノとポップカルチャーに関する会議、翌週の29日から31日までは地元アムハーストで中絶の権利に関する会議があり、この両方に出席して、MRCと他団体の関係について情報を得ることができた。また4月は連邦レベルでは家庭内の暴力防止月間、州レベルでは被害者支援月間に当たっていて、大小さまざまなイベントが開かれたため、キャンペーン会場に足を運び、近隣の他団体に関して情報収集を行なった。さらにMRCが主催する年次のネットワークパーティが4月22日に行なわれたため、この準備と実施に関与することで、団体の支援者、ボランティア、理事、その他関係者が、公式、非公式なミーティングの中でどのように関係づくりをしているのかもつぶさに観察することができた。
この間の一番の成果は、今まで頭で理解していた、「アメリカでのNPOの活動の活発さは寄附と行政からの委託事業の制度上の違いから来る」という認識を肌で実感したことだ。MRCは私が今まで働いてきたNPOと同程度の規模だが、サービス部門と教育・啓発及びアドボカシー部門のスタッフはばらばらに動いている。イベント出席のための外出が多かった前半は動きがつかみにくかったが、事務局に配属され、会計担当者の隣の席で仕事を進めているため、後半はかなり事業の流れを把握できるようになった。
4月22日に行なわれたネットワーキングパーティはファンドレイズも兼ねた規模の大きなものだったため、このイベントが終了するまではスタッフにインタビューする余裕がなかったが、イベント終了後に各部門のスタッフが実施しているプログラムに参加したり、個別にインタビューして、MRCの常勤・非常勤スタッフの役割、仕事への動機付けなどを探り始めている。この1ヶ月半スタッフとして働いた成果が認められ、他のスタッフとの信頼感が築けたことで、インタビューの依頼やプログラムの見学もスムーズに進んでいる。

今後の研修計画:

現時点では、5月、6月は当初の予定通り、MRCを中心に関連団体への訪問、取材を行なっていくよう計画しているが、今年はMRCの設立25周年であり、記念事業として新しく始めようとしているネットワーキングキャンペーンの企画に、私の提案が採用されたため、調査を行ないながらMRCのファンドレイジングも兼ねたネットワーキング企画も推進することになっているため、調査と業務をどの程度連携させて研修目的を達成していくか、現在方法を検討中である。

研修の進捗に関しては、研修報告専用のブログを立ち上げており、ここで詳細な報告を行なっているので参照されたい。ネットワーキングの手法の背景にある文化や制度の違いを説明しながら、読んで楽しい報告を発信していけたらと考えている。
研修報告ブログ:「短冊通信」

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

Top

TOKYO OFFICE
国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 日米センター
160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3
Tel (03)5369-6072 Fax (03)5369-6042
NEWYORK OFFICE
The Japan Foundation Center for Global Partnership, N.Y.
1700 Broadway, 15F, New York, NY 10019, U.S.A
Tel (212)489-1255 Fax (212)489-1344