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日米センターNPOフェローシップ 月次報告(2008年2月・3月)
フェロー:鈴木 歩

報告書リスト

鈴木 歩
日米センターNPOフェローシップ(第8期)
月次研修報告書(2008年2月・3月)

フェロー: 鈴木 歩(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会(東京)) 
研修テーマ: ファンドレイジングを実践するための組織運営のあり方を米国の非営利セクターに学ぶ
研修先: ユナイテッド・ウェイ・オブ・ セントラル・インディアナ
研修期間: 2007年8月15日〜2008年5月14日


「ハウス・リスト」は社会の鏡

■データベースは団体の規模を問わない共通の悩み

インディアナ州インディアナポリス市でのユナイテッド・ウェイ・オブ・セントラル・インディアナおよび、インディアナポリス市内のNPOの訪問、ワシントンDCのNPOの訪問などを通じ、意外な発見をすることができた。それは、団体のデータベースをどう作って、活用するのか。名簿の一元化、それは団体の規模を問わない共通の悩みだったということだ。

セント・メリー・チャイルド・センターは、インディアナ州インディアナポリス市で、貧困、虐待、暴力、親との離別などを経験した3歳から5歳までの子供に対して半日のデイケアプログラムを展開し、小学校入学時までの幼少期における教育を45年以上にわたって行なっているNPOである。事務局長のコニーさんによるとここでは名簿をエクセルで長い間管理していたが、6年前にファンドレイズのデータベースを導入。名簿の一元化を図ることができたそうだ。

アメリカン・レッド・クロスは全米に700のオフィスを持つ全米のレッド・クロス(赤十字)の本部。本部はワシントンDCのホワイトハウスから歩いて20分ほどの場所にある。ここでは、支部ごとにデータベースを作成していて、その名簿の一元化が課題とのこと。「レッド・クロスは支部ごとに独立会計を取っているが、寄付者の立場からすればどこのレッド・クロスに寄付をしようともレッド・クロスに寄付をしたという意識である。どこに寄付をしても同じように感謝され、たとえ引っ越しても同じようにレッド・クロスに寄付をしてもらえることが大事である。」ビジネス・システム・マネージャーのアンさんは、これが次のステップとして大切だと話す。

インディアナポリスのダウンタウンから北に車で30分ほどにあるFFAFuture Farmers of America)は、1928年に設立された農業の教育を通じて若者の育成を図る団体である。これまでに800万人が卒業している。個人寄付担当のロブさんは、1年半前からこの団体で働いている。寄付者を募る際に、これまでにFFAのプログラムを利用した経験のある卒業生にアプローチをしたいのだが、実はその卒業生名簿はなく、今から集めていくとのことだった。

こんな課題を抱えながらも、これらの団体はとても上手なファンドレイズをしている。セント・メリー・チャイルド・センターは、年間規模が180万ドル。年間2000ドル以上の寄付をする強力なサポーターが200人いる。アメリカン・レッド・クロスは、年間の募金規模が7億500万ドル。FFAは、55万ドルである。さらなるファンドレイズ向上のためにデータベースの改良や、利用充実の努力を続けている。

■ハウス・リストは団体の畑

「ハウス・リスト」とは、団体のデータベースのことを言う。ユナイテッド・ウェイ・オブ・セントラル・インディアナでファンドレイズ・リサーチャーをしているリンジーさんは、「ハウス・リストは団体の畑だ」と話してくれた。団体のデータベースは、生き物であり、日々活用していくもの。畑のように耕して、使うものだとのことだ。そういう心掛けでこそ、データベースの活用が進むのだと思う。

ユナイテッド・ウェイ・オブ・セントラル・インディアナでは「アンダー」というユナイテッドウェイのために独自に開発されたソフトウェアを使用している。アメリカ中西部のユナイテッドウェイが共同開発し、利用している。

ユナイテッド・ウェイ・オブ・セントラル・インディアナでは個人の寄付者と何かしらのコンタクトがあった際、次のような項目を記録していく。

  • 誕生日
  • 未婚、既婚、死別、離婚
    配偶者の名前、結婚記念日
    子どもの有無、人数、年齢
  • 学歴
  • プロフェッショナル団体のメンバーか
  • 団体所属
  • 財政情報
  • 表彰
  • ユナイテッド・ウェイ・プログラムへの関心
  • フィランソロピー分野への関心
  • 最も関心のある事柄は何か
  • 他団体への寄付の履歴
  • フィランソロピーをする上でのプライオリティー
  • プライオリティーの中でのユナイテッドウェイのランキング
  • なぜその人がユナイテッドウェイに寄付をしているのか
  • その人のボランティア経験の最初、最高、最低の思い出
  • 価値のある寄付の経験。それがなぜ重要なのか。
  • 寄付をして最初に受け取ったものの思い出、また特に印象に残っている思い出。

スタッフミーティングでは繰り返しデータベースへの迅速かつ適切な入力が教育された。担当者が「氷の上で滑って頭を打って、記憶を失っても、記録がされていれば別のスタッフがフォローできる。」冬の長いインディアナらしい、説得力のある説明だ。

■ハウス・リストは社会の鏡

ユナイテッド・ウェイ・オブ・セントラル・インディアナでデータベースを担当しているジョンさんは、「ハウス・リストは社会の鏡だ」と話してくれた。団体のデータベースは、その団体が取り組む課題に関心を寄せる人たちを集めたもの。どんな性別、年齢、職業、地域、関心の人が、その団体と関係があるのかをハウス・リストは的確に示す。だから、これは社会を映し出す鏡なのだということだ。

なるほど。その通りだと思う。

団体の取り組む課題を映し出すデータベースこそ団体にとって、また社会課題の解決のために必要なものだ。

 

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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