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NPOフェローはいま
「フェローの経験が新たな組織の活動展開に貢献~アメリカからアフリカへ~」

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「フェローの経験が新たな組織の活動展開に貢献〜アメリカからアフリカへ〜」

特定非営利活動法人ACE (エース) 代表 岩附由香
                             第6期(2005年度)NPOフェロー


1997年、当時大学院生だった頃に立ち上げ、今も代表を務めているのが(特活)ACE(エース、以下ACE)です。ボランティアをしていたNGOで、「児童労働に反対するグローバルマーチ」が98年に開催されることを知り、それを日本でも開催するために学生5人で6カ月限定のつもりで活動をはじめました。あれから12年、お金も、コネも、有給スタッフもいないNGOだったACEは、2005年にNPO法人化して有給スタッフを雇用してから毎年成長を続け、2009年度予算は4000万円を超える収入を見込むNGOになりました。NPO法人の財政規模は65%が500万円以下で、3000万円以上ある団体は全体の10%(2005年の統計による)と言われています。ACEがこの65%の中から、上位10%に入れたのは、強運によるところが多いと思っていますが、何よりも私たちが地道に、まじめに児童労働問題をどう解決できるかを考え、行動してきた結果とその過程で、多くの人がこの問題の重要性に気づき、共に活動を広げてくださったからだと思っています。

CGPのプログラムはNGOに勤める友人から聞き応募しました。2004年の応募当時、私は通訳の派遣社員を週2日行ない、ACEの活動を残りの時間に無給で行なうという生活でした。2005年になると、「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンの実行委員になり、多忙を極めました。ホワイトバンドの運動の盛り上がりを受けて、安室奈美恵さん、松嶋奈々子さんが協力してくださった撮影に出向き趣旨説明を行なったり、デートにもパソコンを持参し、車の運転をする彼を尻目にメールと電話でやりとりして印刷物を作成しました。ホワイトバンドがバッシングを受けた時には、ぐるぐると考えすぎて自分でも驚くくらい電車を乗り過ごしました。2006年3月にCGPのプログラムで渡米しましたが、実はACEの資金が不足していて、資金調達の目処がつかないまま行くことになってしまい、結局アメリカに就いてからホテル住まいの間に申請書を書いた助成金をいただけることになり、首の皮一枚でつながった、という状態でした。

CGPの研修で2006年3月から12月までの間は公私ともに充実した時間を過ごしました。ここでの経験や学びが、帰国後の私のACEでの活動に大きな影響を与えています。

渡米後すぐに感じたのが仕事環境の違いです。研修先のウィンロック・インターナショナル(Winrock International、以下ウィンロック)は、当時年間予算約5000万〜6000万ドル(50億円〜60億円)のNGOで、1985年に元々あった3団体が統合して出来たNGOです。ワシントンD.C.から地下鉄で数駅に立地するオフィスビルの中にある事務所では、職員1人1人に電話と内線番号が与えられ、個別に仕切られたブースや部屋があてがわれていました。

ACEの新事務所でスタッフとの写真
ACEの新事務所でスタッフと

その環境で仕事をしてみて、まず生産性の違いにびっくりしました。自分のやるべき仕事に集中でき、思考が途切れずどんどん進められるため、仕事がスムーズに捗りモチベーションも下がりません。身をもって職場環境の重要性を感じた私は帰国後、他団体と共有していた事務所から、当団体だけで占有できる一室に2007年12月に引っ越しました。そこでの効果もかなりありましたが、スタッフ数が増えて手狭になり、この原稿を書いている2009年7月末に再度引っ越します。職員やインターン、ボランティアのみなさんがこれまで以上力を発揮できる環境を整えることで、生産性があがり、ACEのビジョンに一歩でも近づけるようにと願っての決断です。

ウィンロックで私がまかされた仕事が、ベスト・プラクティス集の作成でした。これは、米国労働省から資金提供を受けて実施しているCIRCLEプロジェクトの成功例を集めた文書です。CIRCLEプロジェクトは教育を通じた児童労働の撤廃を目指し、現地で活動するNGOの90以上の プロジェクトを支援していました。このときの上司であったヴィッキー・ウォーカー氏を2008年に日本に招へいし、ベスト・プラクティス集の要約版を日本語に翻訳しました。

米国での上司Walker氏をACE主催のシンポジウムに招きの写真

米国での上司Walker氏をACE主催のシンポジウムに招き

その後ACEではカカオ産業の児童労働に取り組むことを決め、ウォーカー氏にガーナのCRICLEプロジェクト実施団体だったNGOを紹介してもらい、2008年2月に現地調査を実施しました。その結果、2009年2月からACEと現地NGOCRADAが協働するスマイル・ガーナプロジェクトがスタートし、これまでインドのみだった国際協力活動が、アフリカ大陸まで広がることになりました。アメリカで出来た縁が、アフリカでの新しい縁ももたらしてくれたのです。こうして振り返ると、CGPの研修がACEが踏み出そうとした大きな一歩を強力に後押ししてくれているのだと改めて気づき、感謝の気持ちでいっぱいです。

資金調達も研修テーマのひとつでした。ウィンロックは財源の9割を米国政府等公的機関からの資金から賄い、私が学びたかった一般市民からの寄付はほとんどない状態だったため、ファンドレイズの研修に出たり、個人的にエイズマラソンというプログラムに参加し(詳細はぜひ報告書をご覧ください!→日米センターNPOフェローシップ フェロー研修報告書(5/6期))3600ドルを集めるなどしながら、米国流のファンドレイズを学びました。今では研修で培った考え方がすっかり自分のものとして定着してきています。また米国ではNPO向けのデータベースのソフトウェアが100ドル以下で手に入ることを知り、またその重要性は私が思っていた以上に高いことを知ったので、その経験と感覚を活かし、昨年からACEでも新しいデータベースのシステムを導入し、データの移行を終え、現在はよりファンドレイズに適したカスタマイズを行なっています。これまでかなり事業にエネルギーと意識をとられ、どうしても後回しになってしまう資金調達の環境整備でしたが、担当のスタッフを新たに置き、積極的に強化していくことが私だけでなくスタッフにも意識が共有され、実際に使ってみると資金調達活動や業務全体の効率を上げることができると少しずつ手ごたえを感じ始めているところです。現在の課題は、まだ個人のサポーターの数が数十人と多くないことであり、マンスリー・サポーターを募集するキャンペーンを行ない、支援者の輪を広げようと努力しているところです。

インタビューに応えて下さった家族と(ガーナにて)の写真

インタビューに応えて下さった家族と(ガーナにて)

他にも研修の学びと経験が活きている面は多くあります。これも、一定期間前線から離れ、落ち着いて自分やこれまでの活動を見直し、米国のNGOと比較することで、個人、団体、そしてNPO業界の課題を俯瞰することが出来たからではないかと思います。昨年は141団体が加盟した2008年G8サミットNGOフォーラムのキャンペーンチームリーダーを務め、今年から私は国際協力NGOセンターの副理事長、日本NPOセンターの評議員のお役目もいただきました。これまで以上にNPONGO全体に関与することになりましたので、今後も研修で得た学びや経験を多くの人に共有しながら、共にNPO業界を盛り上げていきたいと思います!

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※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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