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NPOフェローはいま
「日米のNGOコミュニティで活動中」

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「日米のNGOコミュニティで活動中」

レインフォレスト・アクション・ネットワーク
日本代表:川上 豊幸
第5期(2004年度)NPOフェロー

約4年半前、第5期NPOフェローとして渡米し、「成果を導く効果的なプロジェクト・マネジメントと資金管理」とのテーマでNPOでの研修の機会を得ました。米国では資金獲得手法や活動のマネジメント手法などを幅広く学ぶとともに、NPO活動をさまざまな形で幅広く支援する財団、中間組織やコンサルの存在などのNPO活動をめぐるコミュニティ、市民社会の存在を肌で感じることのできた貴重な体験でした。細かいところでは助成金申請の書き方から、活動の進め方まで、幅広い知識と経験を得ることができました。

帰国後は、研修を行なっていたサンフランシスコに本拠を置く環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワークRAN)で職を得ることとなりました。ただ活動の現場は米国ではなく、日本でRANとして活動するというものでした。そこで、それまでボランティアとして参加していたNPO法人のAMネットには理事として参加しつつも、東京でRANの日本事務所の立ち上げに携わることとなりました。現在もRAN日本代表部として日本の紙原料の供給地であるタスマニアの原生林保護活動に携わっています。米国NGOに所属していることで、一事例ですが、その仕事の進め方について実地で学ぶ機会となっています。昨年からは近しい活動を行なっている熱帯林行動ネットワークJATAN)にも運営委員として参加しています。

タスマニアの森林伐採地の写真

タスマニアの森林伐採地
(Wilderness Soceity 提供)

RANには、帰国後の2005年10月末あたりから従事しているので、すでに3年半以上になります。この間、本部と緊密に連絡をとりながら、活動を展開しており、一定の成果をあげてきています。タスマニアは、オーストラリア南部にある、北海道よりやや小さい島です。有袋類など特有の生物の多いオーストラリアの中でも、特に豊かな森林と自然が残されてきた場所です。高さが80mにも達し、広葉樹としては世界でも最も高くなるセイタカユーカリなどを含む巨木の天然ユーカリ林が、ほとんど人が足を踏み入れたことのない原生林として残っています。しかし、このタスマニアの貴重な原生林を含む天然林が、年間で平均約1万数千ヘクタール(山手線の内側の2倍程度)の速さで伐採されており、伐採された木材の9割近くが木材チップの小片に砕かれ、その大多数が日本への紙原料として輸出されています。私達が、毎日使っているコピー用紙やティッシュの一部にも、タスマニアの天然林が使われています。

タスマニアには世界遺産委員会に登録された保護区域がありますが、森林伐採対象とするために、多くの巨木の原生林が世界遺産の指定から外されており、本来保護されるべき森林が保護されない状態となっています。

2008年7月に行なわれたユネスコ世界遺産委員会においても、現在の世界遺産の隣接地に世界遺産の価値に値する自然が存在する可能性があるとして、豪州政府に対して世界遺産地域の拡大を要請しています。さらに、こうした森林伐採によって、絶滅危惧種の動物たちには重大な影響が及ぼされていることが認定されていますが、豪州の環境保護法の例外規定によって、これらの伐採に対しては罰則が適用されないこととなってしまっています。このユーカリの巨木の森林には、1ヘクタールあたり1100トンから1600トンの炭素を蓄積していると報告されており、これらの森林を伐採することによって多くのCO2が排出されます。このように、気候変動問題、生物多様性問題の観点から見ても、タスマニアの森林問題は非常に重要な問題であり、日本の紙消費による原料調達が重大な影響を及ぼしている問題です。現地タスマニアでは、このように問題のある伐採やチップ事業に対して現地住民やNGOが長年反対しています。しかし、なかなか解決につながらない状況が続いている要因の一つは最終的な購入者である日本社会でのこの問題に対する認知度が低いことではないかと考えられます。こうした状況を改善するために現地での伐採状況と環境への影響などについて購入企業などに情報提供を行ない、改善を求めています。

世界遺産の近接地の写真

世界遺産の近接地
Wilderness Soceity, Geoff Law 提供)

現在、携わっているNGO活動を進める上で、NPOフェローとして米国で学んだ内容は有益で、様々な形で活かされていると感じています。例えば、2009年2月末には、熱帯林行動ネットワークとして地球環境基金主催のイベントである環境保全戦略講座の「森林保全活動のための戦略講座&戦略会議*」の企画・運営を行ないました。これは受託事業でしたが、コンペ形式の選考を通り、JATANとして実施しました。このイベントでは、「効果的なキャンペーン立案方法」のセミナーを、主に環境NGOや環境保全活動を行なっている方々向けに実施しました。こうした内容のセミナーは、これまであまり実施されておらず、活動の質を高める上でも重要な課題であり、私自身もセミナー内容を検討する中で有意義な内容となり、概ね、参加者からは良好な評価をいただきました。

セミナー風景の写真

セミナー風景

最近、資金獲得のためのセミナーは広がりを見せてきていますが、これらの活動手法や運営手法に関するセミナーなどのターゲットを絞り込んだ形で、活動の「質」を高めるためのセミナー実施は重要なものと考えており、米国での研修で得た知識や経験、日本でのNGO活動での経験を活かしたより実践的なセミナーを実施していければと考えています。

また、特に助成金獲得に関しては、米国で学んだ経験を活かすことで、実際にいくつかの助成金を得ることができました。もちろん、フェローとして渡米する前においても、助成金申請を行ない、獲得した経験はありました。しかし、その当時と比較して、今は、その心構えに大きな違いがあります。心構えの違いにどのような意味があるのかと思われるかもしれませんが、私にとっては大きな違いでした。こうした感覚こそ、単に書物で読んで得た知識とは異なり、実際に米国で体験しなければ、なかなか得がたいものであり、私がNPOフェローとして非常に有益だったと思えるものの一つだと考えています。それは、たとえば、寄付や助成金を「お願いすること(asking)」の重要性への認識、断られたからといって、あるいは助成金が取れなかったとしても反発したり、諦めるのではなく、何が問題だったのかを検討、改善して、再度トライしていくという気構えです。実際、帰国後、助成金を数件獲得できており、また、協力しているNGOの助成金申請書きで、一度、獲得できなかったものが再度トライして獲得できたりもしました。さらには、助成金を拠出したり、寄付をいただく方は、自分達のプロジェクト実施に賛同、協力してもらえるパートナーとして付き合っていくという感覚でしょうか。そうした資金的な協力をお願いすることにまつわることに関する考え方を学ぶことができた点は、現在の活動にも活かされている点だと思います。

最近は、こうした資金獲得のためのセミナーなどが日本でも活性化してきているようですので、そうした事例を学びつつ、自らも経験を積んで活動の財政基盤の強化とともに、経験交流もしていければと思っています。

セミナーでのディスカッション風景の写真

セミナーでのディスカッション風景

こんな調子で、なんとか社会変革に寄与することを目指しながら、おかげさまで、今のところ、現在もNGO活動を続けており、日米のNGOコミュニティの間で活動しております。

*「森林保全活動のための戦略講座&戦略会議」の関連資料はこちら
  http://www.erca.go.jp/jfge/training/h20/pdf/nature2_h20.pdf【PDF:外部サイト】


※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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