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NPOフェローはいま
「社会的責任(SR)とマルチステークホルダー・パートナーシップ」

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「社会的責任(SR)とマルチステークホルダー・パートナーシップ」

CSOネットワーク
共同事業責任者 黒田かをり
第6期(2005年度)NPOフェロー

黒田かをり氏ソーシャル・アカウンタビリティ・インターナショナル(SAIでの研修

<2006年2月末から8ヶ月間、米国ニューヨーク州ニューヨーク市にあるSAIという人権NGOで研修を行ないました。研修目的は大きくふたつありました。ひとつは、SAIが中心となって策定したソーシャル・アカウンタビリティ8000(SA8000)という国際労働規格について勉強すること、もうひとつはその策定プロセスにも見られますが、多様なステークホルダーの連携により共有する問題の解決等をはかるマルチステークホルダー・パートナーシップについて学ぶことでした。SAIは、アドバイザリー・ボードの構成からプロジェクトの実施まで、マルチステークホルダー・パートナーシップを原則としている団体です。なお、マルチステークホルダー・パートナーシップというのは、わたしたちが今日抱える環境や社会の問題は、社会を構成する各セクターの協力や連携なくして解決することができない、という考え方に基づくもので、1990年代ごろから発展してきたと言われています。

ISO26000:社会的責任のガイダンス文書

帰国後、SA8000について話をしたり、書いたりする機会が増えるようになりました。2007年9月には、(特活)ACEとともに、SAIの社会監査の東京での研修を実現させました。また、ISO(国際標準化機構)が2005年から開発に取り組んでいるISO26000(社会的責任のガイダンス文書)の策定プロセスにも積極的に関わるようになりました。これまで社会的責任を推進する方策として、企業、国際機関、NGOなどにより多数の行動指針や規格・基準が策定されてきていますが(SA8000もそのひとつです)、ISO26000はそれらの標準化を目指し、持続可能で公正な社会の実現に向けて環境保護や人権の尊重といった普遍的な価値基準を世界のあらゆる組織に浸透させることを目的としています。ISO26000の策定プロセスの特徴として、作業部会が消費者、政府、労働、産業界、NGOSSRO(サービス、サポート、研究及びその他の略)の6つのステークホルダー・グループにより設置され、全グループのコンセンサスを得るまで議論を尽くすという極めてユニークなマルチステークホルダー対話により規格の開発が行なわれていることがあげられます。これはISOにとっても初めての試みです。

■ 社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク(NNネット)の誕生

ISO26000の策定プロセスに、日本のNPO/NGOも積極的に参画していこうということで、2007年の初めから有志が集まり、報告会や学習会を開催しました。そして2008年5月1日に「社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク(通称:NNネット)を設立しました。CSOネットワークは、準備段階からこのネットワークに参加し、NNネット設立後は、幹事団体として活動しています。ISO26000の作業部会には、2007年11月のウィーン総会(オーストリア)からエキスパートとして参加をしていますが、NNネット設立後はNNネットの代表協議者という立場で、このプロセスに参加しています。

NNネットは、会員数31団体(2009年7月16日現在)で、事務局は(特活)日本NPOセンター内にあります。NNネットは、NPO/NGOの自発的な参画と連携を通じてセクター間の対話を促進し、市民セクターの定着と社会的な位置づけの向上を目指すとともに、あらゆる組織が社会的責任と信頼を高め、住みよい社会を創造することを目的として、社会的責任(SR)関連のワークショップや学習会の開催、情報発信・出版事業、提言事業などを行なっています。

■ 安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議

日本においても、持続可能で公正な社会の実現に向けて、多様な主体が対等の立場で参加してさまざまな社会の課題に協働して取り組む試みが始まっています。そのひとつに、「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議(以下、円卓会議)」があります。円卓会議は、政府だけではもはや解決できない社会的課題に、広範な主体が協働して自ら解決にあたるための新しい「パブリック」の枠組みとして2009年3月に設立されました。円卓会議は、事業者団体、消費者団体、労働組合、金融セクター、NPO/NGO、専門家、行政のマルチステークホルダー・グループにより構成されています。NNネットは、ISO26000の策定への参加・提言とともに、この新たな枠組みにも積極的に参加しています。私も円卓会議に運営委員として参加しています。円卓会議では、「ともに生きる社会の形成」「地球規模の課題解決への参画」「持続可能な地域づくり」「人を育む基盤の整備」を課題としてあげ、それぞれにマルチステークホルダーによるワーキンググループを設置し、来春を目処に、最初の「安全・安心で持続可能な未来に向けた協働戦略」を策定する予定です。

NPOとマルチステークホルダー・パートナーシップ

多くのNPO/NGOは、環境、人権をはじめとするさまざまな社会的課題の解決に草の根のレベルから政策レベルまで、さまざまな取り組みをしています。マルチステークホルダー・パートナーシップというのは、実は問題解決に取り組むNPO/NGOがこれまでもさまざまなレベルで実践し、また他セクターに働きかけをすることで推進してきたものです。上にも書いたように、世界で、あるいは日本で、また地域においても、多様なステークホルダーが協働する枠組みが推奨されていますが、実践にはまだまだ課題が残されています。たとえば、「異なる主体の対等な関係」というのは、言うは易しですが、現実社会がそうなっていない以上、協働のルールをしっかりと敷かない限り、そう簡単には築けないと思います。マルチステークホルダー・パートナーシップを響きの良い「ことば」から「実践」に落としていく上で、NPO/NGOに求められる役割はますます大きくなると思います。たとえば、社会的に不利益を被っている人たちの参加の保証、セクター間の「つなぎ役」としての役割、またプロセスの公正さや透明性のチェックなどです。同時に、NPO/NGO自身の社会的責任も問われる時代になっています。今後、ますます多様なステークホルダーが「社会的責任」をひとつの共通言語として対話、協働していくことが重要になっていくと思いますが、NNネットとともに、マルチステークホルダーの枠組みに関わり続けていきたいと思います。

*関連のウェブサイト

※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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