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NPOフェローはいま
「社会変革型のNPOの組織強化支援をグローバルに」

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「社会変革型のNPOの組織強化支援をグローバルに」

(特活)ニンジン
常務理事・事務局長 槇ひさ恵
第4期(2003年度)NPOフェロー

はじめに

かつて(社)日本青年奉仕協会という全国的なボランティア活動の推進機関で仕事をしていたことが、いまの私の活動につながっています。80年代には、さまざまな分野で市民の自発的な活動がおきてきました。各地のリーダーの方たちと出会い分野をこえた市民活動のネットワーキングを進めながら、日本の市民社会がしっかりしていくにはどうしたらいいのかということを日本ネットワーカーズ会議等のネットワークで模索してきました。

90年代には、米国を中心としてNPOの仕組みが紹介され、阪神・淡路大震災を経て、ついに特定非営利活動促進法が施行されるという大きな変化がありました。その当時、非営利の市民活動の社会的基盤をどう整備していくべきかを検討するための日米のNPO中間支援組織の調査に携わり、米国のNPO支援基盤の幅の広さ、奥深さに出会いました。NPO支援に携わる関係者との出会いのなかで、草の根の当事者による活動を強化することに役立てればとの思いから、NPOフェローシップに応募しました。

フェローシップで学んだこと

MOSAICAの多様性に満ちたスタッフとの写真

MOSAICAの多様性に満ちたスタッフと

私は、NPOフェロー4期生として半年間、ワシントンDCにあるMOSAICA:The Center for Nonprofit Development and Pluralismという、移民や難民自身によるNPOを主な対象にトレーニングやコンサルテーションを実施している小規模のNPOで「NPOのキャパシティビルディング」をテーマに研修させていただきました。

ここでは、MOSAICAが実施するNPOマネジメント能力向上のためのトレーニング、コンサルテーションに携わり、組織強化支援の実際を学びつつ、NPOのキャパシティビルディングへの資金の流れについて調査しました。米国へ来て市民権を得て生活基盤をつくりつつある移民・難民自身による新興のNPOへの支援は、ニーズを抱える人びと自身が米国のNPOの仕組みを活用し、自分たちのコミュニティを強化していけるようにするものでした。異なる文化的背景を持つコミュニティ同士の協働を進めるトレーニングや、公的施策の中へ支援対象となる人びと自身の参画を促進する支援をはじめ、MOSAICAのミッションに基づいた多様なプログラムを学ぶことができました。こうした支援をするNPO自身が持続できるマネジメントのあり方も大切な研修でした。また、NPOの組織強化支援と資金供給がセットとなった協働的な支援のあり方は、今後に向けて大きなヒントとなりました。

帰国後、ニンジンの活動開始

帰国後、まず取り組んだのはニンジンの活動です。フェローシップに参加する以前から携わっていた、モンゴルの障がい児支援、北タイの少数山岳民族の自立支援などを核にアジアを中心とする海外支援・交流を進めるNGO、ニンジン(モンゴル語で『人道的な』という意味)の設立に参画し、運営しています。

ミャンマーの山地民の農民リーダーたちとの写真

ミャンマーの山地民の農民リーダーたちと

 

ここでは、困難な状況下で課題解決に立ち上がった現地の人びと・NGOとどう協働していけるかをテーマにしています。例えば、モンゴルでは行政からの支援がない中でNGOを立ち上げ障がい児の療育センターを運営している障がい児のお母さんと、北タイでは焼畑農業を脱して定着型の有畜複合農業で山岳民族の自立をめざすNGOと、いずれも社会的なハンディをクリアしようと立ち上がった内発的な取り組みです。いま、ミャンマー・シャン州の山岳民族が農業で自立をめざす取り組みへの応援も始まっていますが、市民を組織化することができない社会での活動の方法を模索しています。

市民活動の中間支援センター運営

帰国した翌年、2005年から2年間、栃木県が開設し民間に運営委託している「とちぎボランティアNPOセンター(ぽ・ぽ・ら)」の事務局長として運営にあたりました。要請を受けたときには、事務局の組織強化・スタッフの養成が急務とのことで、NPOフェローシップで研修したことを生かすことができる場でもあると思い、引き受けることにしました。

当時、県内のNPO法人数は300弱であり、県内に市民活動を支援する中間支援NPOはわずかで、その多くは公設の支援センターを運営し、委託費が収入のほとんどを占めていました。県内の公設中間支援センターをネットワーク化し支援することや、NPO・行政・企業との協働を促進するためのフォーラムの開催等も実施していましたが、多くのNPOは資金源をもたず、行政からの資金に依存する傾向が強く見られました。

NPOへの資源循環の試み

とちコミ2008年「花王」冠ファンド授賞式の写真
とちコミ2008年「花王」冠ファンド授賞式

そこで、県内でNPOの活動を支援する協働的な仕組みを検討しようと、中間支援NPO、経済団体等に声をかけて研究会を始めました。そこから、民が民を支える仕組みをつくろうと取り組みが始まり、「とちぎコミュニティファンド(とちコミ)」が生まれることになりました。NPOの情報公開を進め、NPOへの信頼と共感をつくり出し、市民の寄付という形での社会参加を応援する「民が民を支える」資源循環の仕組みとして、助成金の運営や寄付キャンペーン、NPO向けの情報開示セミナー、地域公益ポータルの運営などに取り組んでいます。

いまは、中間支援NPOの協働プロジェクトとして動き出したところですが、幅広い市民の共感を呼び起こすために、より多くの人びとにこの仕組みを支える担い手に参加してもらう取り組みが待たれるところです。「ぽ・ぽ・ら」事務局長は2年で終わりましたが、栃木とのご縁は切れることなく続いています。

これから

早いものでまもなく帰国して5年になります。持ち帰ったテーマはいくつかありましたが、振り返ってみればニンジンを基軸に栃木での取り組みを始め、パブリックリソースセンター(最近はオンライン寄付サイトGive Oneを開設)他、理事として参画しているNPOでの取り組みも含め、少しずつ展開してきているのかと思います。

現在では10年間で3万6千を超えた日本のNPO法人のなかに、長期に持続していけるだけのマネジメント力、資金調達能力をもつNPOがどれだけ存在しているのでしょうか。個々の規模は小さくても社会に変化をもたらすことのできるNPOの存在がますます必要とされています。大きなビジョンを持ち社会に変化をもたらせるNPOが増えるために、少しでも貢献できればと願っています。


※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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