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NPOフェローはいま
「活動の広がりをめざして」

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「活動の広がりをめざして」

青森インターナショナルLGBT
                             フィルムフェスティバル
実行委員長 成田容子
第7期(2006年度)NPOフェロー


Amnesty International USAでのフェローシップから既に3年が経過しようとしていますが、それほどの時間が経ったことを信じられない気持ちで思い起こしています。当時オフィスで共に仕事をしていたスタッフ、インターンたちとは今も連絡を取り合い、情報交換などをしています。その中の一人とは、昨年デトロイトで開催されたLGBT人権擁護組織による全米会議で再会し、楽しく有意義な時間を過ごしました。ですから、私の中では今もフェローシップが続いているようなもので、終わったようには思えません。そしてそれは大変嬉しいことだと思っています。

立ち上げたばかりの「青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル」の第1回を2006年7月に開催し、それから2カ月後にフェローとしてニューヨークに出発しました。映画祭のミッションは、以下のように掲げています。

「多様な性を考える映画祭です。LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取ったもので、セクシャルマイノリティ(性的少数者)の総称として一般的に使われています。LGBT映画を通して、人権を考え、あらゆる人々が人権を享受できる社会をめざします。」

このミッションを達成していくために、これからの映画祭をどのようにしていくか、今後の方向性を考えながらのフェローシップ開始でした。4カ月の滞在で様々なヒントが得られましたが、特に研修先の組織であるAmnesty International USAの活動が多くの会員によって支えられ、運営されていることが一番心に残ったことでした。そこで、帰国後、まず考えたことは、先に述べたミッションを達成するために、活動の広がりをめざすことでした。

何かを伝えたい場合、映画は実に有効な手段であると考えます。視覚、聴覚に強く訴えてきます。しかしながら、映画を見る人の数は限られています。映画館にはほとんど足を運ばないという人もいます。より多くの人たちに人権について考えてもらうために、映画以外の方法として、講師を招へいして講演会を開催したいと考えました。また、映画祭という形ではなく、より小規模な特別上映会も考えました。会場を変えてやってみるのも活動の広がりと考えたからです。人的ネットワーク構築、情報収集のためには、できることなら県外に出て、他団体で開催する映画祭やセミナーに参加したいとも思いました。

そこで、最初にとりかかったのが、助成金申請です。「青森県ボランティア基金(青い森ファンド)」に応募し、幸いなことに2008年度から2010年度まで、この基金としては最も長い3年間の助成金を受けることが決定しました。これにより、フェローシップが縁で出会った方々や組織と協力してイベントが開催できる態勢が整いました。

2008年7月には、同期のフェロー土井香苗さんと、日本経済新聞社 論説副委員長 伊奈久喜さんを招へいし、おふたりによるトークショー『世界中の人びとの人権を守るには』を開催しました。人権をLGBTの人権に限らず、より広い視野で考える良い機会となりました。10月には、フェローシップ後の報告会の際にコメンテイターとして来て下さった、NPO法人アカー(OCCUR)の柏崎正雄さんを招へいし、市民のためのLGBT基礎講座『日本のLGBTの状況〜経験と実践から〜』を開催しました。日本におけるLGBT人権擁護組織として最も長い歴史をもつアカーで活躍されている柏崎さんのお話は、地元の若者たちを大いに元気づけるものでした。

弘前大学での上映会の写真
弘前大学での上映会
今年度は5月に、アムネスティ・インターナショナル日本のご協力を得て、「タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド」上映会を開催しました。上映後、国際キャンペーン担当の川上園子さんのお話、『アメリカ・「反テロ」戦争とグアンタナモ〜オバマ政権は変えられるのか?』 を伺いました。長年その活動に注目し、フェローシップ応募のきっかけともなった組織と協力して上映会ができたことは、私にとって夢の実現ともいえるできごとでした。6月には、弘前大学を会場として特別上映会を行ないました。青森市以外でのイベント開催は初めてのことです。この上映会がきっかけとなり、県外の大学からも上映会をしたいという連絡が来るようになりました。映画祭にとって大きな前進であったと思います。 今後の予定としては、ニューヨーク滞在中にお世話になったジャーナリスト 北丸雄二さんを招へいし、『オバマ、宗教、ノーベル賞——LGBT眼鏡で見えてくるあなたの知らないアメリカ』というテーマでお話を伺います。

このようにフェローシップによって築かれたネットワークのお陰で多くのことが可能になりました。参加される方々も年代、職業、地域など、あらゆる面でより幅広くなったように思います。

映画祭が始まってから、青森には新しいLGBT自助グループがいくつか生まれました。それぞれのグループがイベントを開催する時にはスタッフ同士お互いに協力して楽しくやっています。今後も、交流を深めながら一緒に進んでいきたいと思います。

昨年の夏、カリフォルニア在住の親戚が私の家にホームステイしながら映画祭を手伝ってくれました。日系4世の大学生です。アメリカに帰国後、「LGBT人権擁護組織のボランティアに登録しました」、という嬉しい連絡をくれました。LGBTフレンドリーな街サンフランシスコ近郊に生まれ育った彼が、青森に滞在し、映画祭を手伝ったことで何かを始めようと思ったわけです。数日前も、「同性結婚についての嬉しいビッグニュース!」というメールが届き、私を思わず微笑ませてくれました。

映画祭会場の写真
映画祭会場

「映画祭が成功する」ということについて、よく考えます。観客の数が年々増えていくことは間違いなく成功です。上映作品の本数が増えること、映画祭の期間が長くなることなども成功です。でも、それだけではないと思っています。アメリカからやってきた一人の若者の心の中に何かが起きたことを私は宝物のように思います。これからも彼は周りの人たちに影響を与え、一人が二人になり、さらに多くの人たちの心のなかに変化をもたらせていくことでしょう。今は、成功というよりは、映画祭スタッフの一員としてやってきたことに誇りを感じています。

「活動の広がり」は確実に進んでいます。

◆関連のウェブサイト


※本報告内容は、執筆者の見解によるもので、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の公式見解とは必ずしも一致するものではありません。

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