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日米センター 地域・草の根交流プロジェクトレポート Vol.3

地域・草の根交流プロジェクトレポート一覧

日米経験交流事業「米国災害予防トレーニングと国際災害救援の経験から学ぶ」

日米コミュニティ・エクスチェンジ
石川 結加

石川結加去る2005年1月、特定非営利活動法人「東京いのちのポータルサイト」の招きにより、米国NPOCollaborating Agencies Responding to Disasters (CARD)」からアナマリー・ジョーンズ(Ana-Marie Jones)事務局長、そして別のNPOAmerican Friends Service Committee」からスティーヴン・マクニール(Stephen McNeil)地域部長が来日しました。

日米センターの「米国NPOを知ろう」という助成金を得て行なわれたこの招へい事業では、まず8日および9日に、アナマリーさんを講師にして、東京の建築会館にて、日米経験交流事業「米国災害予防トレーニングと国際災害救援の経験から学ぶ」と題したトレーニングが実施されました。

市民が学会とともに考える東京の地震防災の写真
「市民が学会とともに考える東京の地震防災」

これは、阪神淡路大震災10周年事業「市民が学会とともに考える東京の地震防災」のサブイベントとして開催したもので、日本建築学会、土木学会の共催もいただきたました。アナマリーさんとスティーヴンさんには、さらに日本各地のNPOの訪問視察にも回っていただきました。これら一連の招へい事業の実施には、日米両国で活動するNPO「日米コミュニティ・エクスチェンジ」が協力いたしましたので、担当の石川からご報告させていただきます。

 

事業の背景

昨年、今年そして来年と、日米にとって自然災害を記念する年が続きます。2004年は、サンフランシスコ・ベイエリアにおけるローマ・プリエタ大地震の15周年、2005年は、阪神淡路大震災10周年、2006年はサンフランシスコ大地震の100周年です。米国の西海岸、特にサンフランシスコのベイエリアは、太平洋プレートと北米プレートの境界付近に位置しており、日本と同じようにプレート境界型の大地震が発生しやすい場所です。両国とも、過去の大地震によって大きな被害を受けた経験を持ちます。

過去の大地震を記念する年が続くだけではありません。まだ、記憶に新しい、昨年10月に起こった新潟県中越地震、そして12月に発生したスマトラ沖大地震と大津波。自然災害は、予期せぬうちに、人類に大きな被害を与えるということを改めて見せつけられました。
今回の災害予防に関する日米経験交流事業は、このような昨今の状況を踏まえて開催されました。

事業の目的

米国カリフォルニア州のサンフランシスコ・ベイエリアは、上にも述べたとおりこれまで大地震をはじめとする自然災害にたびたび見舞われてきた経験から、災害時の被害を最小限に抑えるために、地域が中心となり、高齢者、障害者、子どもなどの社会的弱者も含めた災害予防のあり方を模索し、その研修に早くから取り組んでいます。その先駆的な啓発を行っているのが、今回来日されたアナマリー・ジョーンズさんです。

今回の事業の目的の第一は、アナマリーさんを講師に迎えて米国のそうした先駆的な災害予防の研修を実施し、その中から日本で活用できることを学ぶことでした。一方、日本の災害予防や災害救援活動に関してアナマリーさんに理解を深めていただくことや、災害予防という共通の課題に向けて、将来、日米のNPOが協働の取り組みを行うきっかけを作ることも、あわせて目的としていました。

米国災害予防トレーニングと国際災害救援の経験から学ぶの写真
「米国災害予防トレーニングと国際災害救援の経験から学ぶ」

CARDによる米国災害予防トレーニング

1月8日および9日のトレーニングには、両日とも約50名、延べ70名の方の参加を得ることができました。
1日目は、災害対策について、NPOと行政機関の協働の歴史と今後の新たな協働のあり方について、講義が行なわれました。アナマリーさんは、従来の行政主導の災害対策のモデルとCARDの災害対策モデルを比較しながら、従来の災害対策がいかに社会的弱者を見落としてきたかを説明しました。また、災害が起こる前に、社会的に最も弱い人々を念頭においた救援計画がなかったこと、そして地域のセクター間の連携がなかったことによって、災害の「被災者」を「犠牲者」にしてしまったという米国の経験が共有されました。
2日目は、実際米国で実施されている標準危機管理制度(Standard Emergency Management System / SEMS)について研修が行なわれました。SEMSが作成された歴史的背景、5つの主なポイント、そして非常時指揮体系について説明があり、また、災害時の役割と責任を効率よく実行するための小グループによるディスカッションも行なわれました。
CARDのトレーニングは、災害に備えて一人ででもできることや、さまざまなセクターとの協働の重要性を、私たちに教えてくれたと思います。そして、明日からでも活用できる実用的な災害時の指揮管理のノウハウを教わりました。

参加者からの感想

参加された方から次のような感想をいただきました。「『震災が起きたらどう逃げようか?』から『震災が起きたらどう助けようか?』への変化は、意識革命に近いです。1日目のワークショップの後、アナマリーさんに駆け寄り、その感動を伝えました。また、懇親会でもいろいろと話しました。別れ際、彼女は言いました。「災害は起きる。それは腕の骨が折れるようなもの。でも、腕を強固にサポートし治療すれば、治ったあとの骨は前より強くなるでしょう」。「それは、まさにあなたの活動、そして今日の授業の概要ですね」と私が言うと、彼女の両の掌はふっくらとしてあたたかく、この手がたくさんの子どもたちを癒したのだと、また感動しました」
スクーバダイビングNPO代表者からは、「インストラクター研修に『SEMS』の危機管理の考え方、ICSの非常時指揮体系は最適であり、直ぐにでも利用したい、アメリカを参考にしながら『日本型』のプログラムづくりを考えても良いように思いました。是非深めていきましょう。また、トレーニングへの参加により、皆さんと大変有意義な時間を共有できたことが何よりの収穫でした」とのことです。

講師からの感想

またアナマリーさんからは、このような感想をいただきました。「非常に熱心な参加者とともにトレーニングを実施することができてうれしい。米国と日本のシステムに、もちろん違いはあるけれど、人々や様々な機関との協働のあり方は日米同じだと思います。今回のトレーニングが、どのように協働できるかを参加された皆さんが考えるきっかけになれば、このトレーニングの目的は果たせたといえるでしょう」

NPOの訪問

2日のトレーニングの後、1月10日から13日にかけて、アナマリーさんとスティーヴンさんが、東京を皮切りに、新潟、名古屋、神戸で災害救援に取り組んでいるNPOを訪問しました。
新潟では、中越地震の被災地である小千谷市を訪れ、被害にあった場所、仮設住宅を視察しました。ひとり暮らしのお年よりのお宅を訪問させていただくと、「人工透析のために週3回は病院に通わなくてはいけないのですが、雪道をひとりで通うのは困難。そして、将来が心配」とのこと。新潟の小千谷市におけるボランティア活動のほとんどは終了し、継続しているのは中越元気村というグループだけだといいます。一人一人のニーズにこたえるためには、ボランティアの役割はまだまだ大きいと感じました。

視察を終えた後で、中越元気村の草島進一代表をはじめとするスタッフの方々と、意見交流会を行ないました。ここでは、CARDが実施している非常時指揮体系のマニュアルについて紹介を受けたスタッフから、とても実用的で明日から早速活用させていただきたいと喜びの声が上がりました。

次へのステップ

今回の事業からさらに日米交流事業を発展させる事業の準備が、実は進みつつあります。東海地震の発生を早くから想定し、災害予防に取り組んでいる東京都の多摩田園都市地域と、CARDが協働している米国サンフランシスコ・ベイエリアにあるサンレンドロ市との交流事業です。お互いの経験の相違点を確認しながら、災害予防の最善のあり方を検討し、最終的には行政に政策提言できるような成果物を得ることができることを目的としています。

以上ご報告しましたように、今回の招へい事業の3つの目的は、十分達成できたと自負しています。この成果を今後の災害予防事業にいかし、現在準備がなされている新たな事業の実施に向けて、邁進していきたいと考えています。

国際交流基金日米センターをはじめとして、今回の事業にご協力いただいた団体、個人の皆様には、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。

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