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日米センター 地域・草の根交流プロジェクトレポート Vol.11

地域・草の根交流プロジェクトレポート一覧

『日米ボランティア・センター協働プロジェクト』その後の日本での展開

東京ボランティア・市民活動センター
チーフプログラムコーディネーター 河村暁子

 

企業人ボランティア・プログラムの共同研究を目的として

3年前に国際交流基金日米センターの助成を受け、米国のボランティア・センターのネットワークの拠点であるポインツ・オブ・ライト財団(POLF: The Points of Light Foundation)と、全国2,600のボランティア・センターとのネットワークをもつ東京ボランティア・市民活動センター(TVAC: Tokyo Voluntary Action Center)とがパートナーシップを組んでして実施したのが、『日米ボランティア・センター協働プロジェクト』である。このプロジェクトがその後、日本においてどのような発展をしたかについて、簡単にご紹介したいと思う。

本プロジェクトの目的は、日米両国のコミュニティにおいてさまざまな問題が噴出しているのにも関わらず、それらの解決に取り組んでいるNPO/NGOにボランティアが集まりにくくなっているという共通の課題について、双方の活動から学び会おうというものだった。この背景には、今までボランティアの中心だった主婦層が高齢または就労のために減少しているということがあり、それに替わって、現役あるいは退職した企業人たちが注目されてきている。特に、現役の忙しい企業人がどのようにボランティア活動に参加できるのか、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)の論議の中で、その研究やプログラム開発が求められていた。

先行事例からの学びあいと両国での推進

活動風景まず、2003年6月には、TVACをはじめ、大阪、静岡、東京の4つのボランティア・センターが米国ワシントンDCで開催された『全米ボランティア会議』(National Conference on Community Volunteering and National Service)に参加した。「企業とNPOのパートナーシップ」や「忙しい企業人が参加できるボランティア・プログラムの開発」といったテーマの分科会に参加し、米国においては、企業とNPOのパートナーシップや、企業人が参加できるボランティア活動の魅力的な実践事例が多い。そして、考え方や方法論が、非常によく整理され、マニュアル化されていることに驚いた。

また、日本のボランティア・センターの取り組みを発表する分科会も開催し、多彩な企業人ボランティアがチームをつくり、ドメスティック・バイオレンス(DV: Domestic Violence)被害者にパソコンの基礎技術を教えるという『ITボランティア・プログラム』(マイクロソフト社およびヒューレット・パッカード社の支援事業)についてTVACからも、紹介した。会場には日本に支社を持つ米国企業の社会貢献担当者が数多く参加しており、「ぜひ、日本の社員ボランティアの推進に協力してほしい」との依頼があった。

同年の10月には、米国からPOLFをはじめ5つのセンターのスタッフが来日し、「企業人ボランティアの進め方について」や「企業人などの多彩なボランティアの受け入れ方」に関するセミナーを日本の企業やボランティア・センター、NPO向けに開催するとともに、日本のボランティア・センターとの情報交換会も行なわれた。セミナーの中で、忙しい企業人が参加しやすいボランティア活動の形態として、単発あるいは不定期の活動(エピソディック・ボランティア)や週末に家族と参加する活動(ファミリー・ボランティア)、インターネットでの活動(e-ボランティア)などについて紹介があった。また、企業の中でどのように社員のボランティアを推進していくかについても具体的で詳細な説明があった。今まで、企業側もNPO側もボランティアとは定期的に継続する活動という固定観念があったが、それを打ち破るような、企業人の力を活かしつつ、参加しやすいという多彩なプログラム事例が紹介されたのである。

こうした、米国および日本で開催されたプロジェクトから、TVACとしても多くのことを学び、その後のさまざまな企業人ボランティア・プログラムの開発に活かしてきている。

日本における企業人ボランティア・プログラムの開発

活動風景まず、米国から帰国して1週間もたたずして、日本におけるGEの社会貢献担当者から電話があり、「米国で分科会に参加した本社の社会貢献担当が、ぜひ、日本でのプログラムづくりにTVACに協力してもらうようにという指示があった」ということだった。何度かミーティングを重ねながら、GEに現在の地域ニーズを伝え、GE社員の持つリソースと組み合わせて生まれたのが、『地域に役立つ発明家になろう!プロジェクト』である。ちょうど、2002年から全国の小・中・高校で「総合的な学習の時間」が始まり、生徒が自ら課題を見つけ、解決していくような体験型の学習をすることになっていたが、クラスに1人の先生しかいない状況の中で、子どもたちを学校の外に連れていくことはリスクが大きく、また、子どもたち一人ひとりの関心やアイデアを引き出すことも容易ではないという状況があった。そこで、日頃から社会ニーズの発見やそれにもとづくサービスの開発について創造的に話し合ったり、プレゼンテーションを実践したりしている社員たちが、5〜6名の子どもたちのグループに1〜2名が参加し、子どもたちと一緒に街を歩きながら、子どもたち自身が地域のニーズに気づき、それを解決する方法をグループで話し合い、発表することをサポートしている。

当時、このように多くの企業人が参加して学校で行なわれる学習は前例がなかったため、TVACが最初の6校を紹介し、学校と企業との相互理解が図れるように調整に入った。初年度2003年度に参加した社員は約120名だった。子どもたちも社員も楽しく有意義な学びをし、先生や保護者は企業人のもつ教育力に驚き、社員たちにとっては子どもたち・学校・地域の状況を知り、より積極的に支援したいと考えるきっかけになったようである。そして、このプロジェクトはテレビのニュースをはじめ、多くのメディアにも取り上げられている。

活動風景本プロジェクトはその後、学校から学校へ、社員から社員へと口コミで伝わり、毎年飛躍的に拡大していった。そして、4年目の2006年度は全国24箇所の教育施設と約1,000名の社員が参加して実施される予定であり、さらに、聴覚障害のあるGE社員と彼女を日頃からサポートしている社員たちが、聾学校において、このプロジェクトに挑戦する。

本プロジェクトの開発・推進にあたって、米国のボランティア・センターから学んだノウハウは大変参考になっている。

 

多数の企業からの相談や研修の依頼

TVACには、多くの企業から、社員の参加できるボランティア活動に関する相談が寄せられている。相談の内容としては、社員が参加できるボランティア活動の紹介から、その会社のオリジナル・プログラムの企画・運営の依頼、あるいは、社員を対象としたボランティア入門講座や体験講座の企画・運営への協力、さらに、近年では新任研修や若手組合員の研修などにボランティア体験を入れてほしいという依頼も多い。

昨年度から開始したNTT東日本の新任研修では、約300名の新入社員に対して、障害のある方、外国籍の人、小さな子どもを抱えた母親たち、災害や環境保護に取り組むボランティアなど、70名以上の地域の人々に協力していただき、社員たちが1日ボランティア体験をしたが、アンケートの結果をみると、「有意義だった」「まあ、有意義だった」と回答している社員は、2年連続で98%以上となっている。社員たちは、こうした体験を通して、それまで交流する機会のなかった地域の人々と出会い、また、地域の課題に気づき、一市民として、あるいは、一企業人として何ができるかを積極的に考えるように変化している。

今まで、日本の男性たちの多くは企業の中だけでその人生の大半の時間を過ごし、地域社会とは無縁であったために、退職後になかなか地域社会に参加できないという問題がある。そうであれば、忙しい現役の企業人が年に数回だけでも地域社会でのボランティア活動に参加することは、社員個人にとっても、企業にとっても、地域にとっても大きなメリットとなるのである。

日本においても、ここ数年、CSRがトレンドとなっており、企業各社が社会貢献の方法を模索している中で、ボランティア・センターが、今まであまり関係のなかった企業・企業人と地域とをつないでいくという役割は非常に大きいと思う。そして、このことは今後、東京だけでなく、全国各地のセンターを巻き込みながら展開していくことが重要だと考えている。

最後になったが、日本において企業人のボランティア活動を進める大きな原動力となった国際交流基金日米センターおよび米国のボランティア・センターの支援に心より感謝したい。

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