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日米センター 地域・草の根交流プロジェクトレポート Vol.13

地域・草の根交流プロジェクトレポート一覧

生涯現役社会づくりプログラム開発:日米東アジアの比較と協力

山口県立大学大学院健康福祉学研究科教授
九州大学名誉教授
小川 全夫

 
小川全夫氏の写真
小川全夫氏

プロジェクトの目的と概要

日本のエイジング(少子高齢化)は、世界のトップレベルの速さで進んでいる。そしてその速さのゆえに、さまざまな制度の急激な改革と人々の意識の変化を迫っている。公的介護保険制度の導入から、年金改革、医療改革などの社会保障制度の改革をはじめとして、高年齢者継続雇用、定年延長、団塊の世代対策、地方へのU/J/Iターン促進、次世代対策や子育て支援などさまざまなプログラムが打ち出されている。

かたや米国の中でもハワイでは、アロハとオハナの精神で助け合ってきた社会が、米国本土よりも早いエイジングによって次第に変貌する可能性を秘めている。

さらに、東アジアのエイジングの速度は、欧米に比べてはるかに速い。それは世代間の助け合いで老後を支えるという東アジアの伝統的な精神だけでは切り抜けられない社会に急速に変わりつつあることを意味している。日本はこうした地域に対してエイジングへの取組みを伝える使命を担っている。

そこで九州大学東アジアセンター・オン・エイジングは、新しい時代に備えて、アクティブ・エイジング、すなわち老若男女が共に支えあい、生涯にわたって現役生活が送られるようにするためのプログラム開発を、市民の取組みから学びあうことを目的に、3年間のうちに6回(福岡市、周防大島町、ホノルル市、福岡市、釜山市、上海市)のシンポジウムと6地点(福岡市、周防大島町、ホノルル市、マウイ郡、釜山市、上海市)の現地視察を行なった。この交流を通じて、日米東アジアの市民活動家と研究者が相互に事例を紹介し、比較し、学びあった。

センター・オン・エイジングの特徴

日米中韓の関係者が自国の取り組みを紹介するワークショップの様子
日米中韓の関係者が
自国の取り組みを紹介する
ワークショップの様子

高齢市民と研究者と政策立案者が相互に情報交換できるように、米国の大学にはセンター・オン・エイジングという組織が設置されている場合が多い。
これに学んで九州大学内部の研究組織(リサーチコア)として設立された九州大学東アジアセンター・オン・エイジングは、ハワイ大学センター・オン・エイジング(現在はセンター・オン・エイジング・リサーチ&エデュケーションと改称)と連携してアジア太平洋地区のアクティブ・エイジングを考えるコンソーシアムを発足させた。
そして日米のセンター・オン・エイジングの連携を機軸として、東アジアに市民と研究者のネットワークを広げ、特にアクティブ・エイジングを推進するために、次のようなことを重点課題として協議してきた。

  1. 要介護状態にならずにすむような健康づくりのプログラムの開発

  2. 単に高齢者がサービスの受け手としてだけでなく、サービスの担い手となって社会参加するための高齢者ボランティア活動、サイバーネイバー・サイバーファミリー(インターネットを使って、新しい隣人関係、家族関係を築きあげる試み)、及び高齢者活動を民間非営利組織化するプログラムの開発

  3. 住みなれたところで老後が過ごせるようにするという「エイジング・イン・プレイス」の理念を実現するためのNORC-SSP(Supportive Services Programs in Naturally Occurring Retirement Communities: 自然発生的退職者コミュニティの支援的サービスプログラム)や高齢者モデル居住圏構想など、住民参加型生活支援プログラムの開発

  4. 介護が必要な状態になっても、介護保険制度やPACEThe Program of All -Inclusive Care for the Elderly)のように地域に根ざした継続的で包括的なサービスが得られるプログラムの開発

今後のビジョン

福岡で行なわれたシンポジウムの様子の写真
福岡で行なわれたシンポジウムの様子

3年にわたり国際交流基金の助成を得て主催したシンポジウムは、途中ハワイ側ではボランティア・ネットワークの努力で継続開催が受け継がれ、さらに国際交流基金の助成が終わった翌年2007年には、韓国側の参加者の努力により韓国慶尚南道南海郡(ナムヘは韓国でもエイジングが進んでいる地区であり、同時に長寿の島でもある)において、このアジア太平洋地区のアクティブ・エイジングのシンポジウム事業が継承されることになっている。さらに2008年には上海市で継続される見通しも強くなっている。
南海のシンポジウムには、WHOやシニアネットが出席、さらにはヒラリー・クリントンアメリカ上院議員から趣旨に賛同するビデオメッセージが寄せられる運びになっている。
また今後、相互にウェブサイトをリンクさせ、情報交換をすることや、介護の問題を人々に啓発するための介護劇のような寸劇を相互に紹介しあうことなど大小さまざまな交流を少しずつ進めることになっている。

またこの事業をこれまで主催してきた九州大学東アジア・センター・オン・エイジングは、福岡市にエイジングに取り組む活動を紹介する場としてのまちづくりを「福岡エイジング・オープン・ミュージアム構想」と名づけて提案したところ、独立行政法人都市再生機構の平成18年度事業として採択され、現在その調査研究事業を進めているところである。
同時にこの構想は、安倍内閣が進める「イノベーション25」にもとづく日本学術会議イノベーション推進委員会にも提案し、報告書の参考資料として掲載された。今後は、福岡市に日米東アジアの市民、研究者、政策立案者が協働できるアクティブ・エイジングの情報研究センターの設立を呼びかける予定である。

最前列左から3人目が筆者の写真
最前列左から3人目が筆者

2007年2月

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