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日米センター 地域・草の根交流プロジェクトレポート Vol.14

地域・草の根交流プロジェクトレポート一覧

日米の交流を通じたユース・フィランソロピー教育の推進

日本青年奉仕協会
調査研究員 村上徹也
 

青少年に対するフィランソロピー教育

米国では、コミュニティサービスあるいはサービスラーニングと称して、子どもたちが社会に貢献する機会を広げる取り組みが盛んに行なわれてきた。将来社会に貢献できる人材を育てたいという願いがそこにはある。そんな米国において、フィランソロピーをキーワードにした教育プログラムを推進しようという動きが始まっている。  ファンドレイジングについて学ぶ専門コースを持ち、米国における非営利セクター研究のメッカとして知られるインディアナ大学のフィランソロピー研究所(Center on Philanthropy)では、フィランソロピーを「3つのT(Time, Talent, Treasure)で社会に貢献すること」と定義して、その考え方、方法、技術を学ぶ教育プログラムの開発推進を行っている。そして、一昨年からは、CGPの助成金を受けて、「日米グローバル・ネットワークを通じた青少年フィランソロピー教育推進共同イニシアチブ」が、米国のフィランソロピー研究所と日本のボランティア活動や教育関係者で組織した実行委員会の共同で続けられている。筆者は、この実行委員会の一員として、日本側の事務局役を担っている

フィランソロピー教育のパイロットプログラム開発

この共同事業では、日米双方で2つの高校と2つの地域団体を指定して、フィランソロピー教育の先駆的なプログラムを開発して実施する試みを行なってきた。日本では、東京都立武蔵高等学校、兵庫県立舞子高等学校、埼玉県の鶴ヶ島市社会福祉協議会、京都市の塔南の園児童館が、パイロットプログラム実施先として、日米の交流を通じた学び合いをもとにして、新たなプログラムを開発する、またはこれまで取り組まれてきた先駆的なプログラムを発展させる取り組みを行なっている。

武蔵高等学校では、英語のオーラルコミュニケーションの授業において、外資系企業の社員ボランティアとの会話を通じて社会貢献について考えるプログラムが行なわれた。舞子高等学校では、全国でもこの学校だけにある環境防災科の生徒たちが、災害について学びながら災害支援や防災の活動に取り組んできた。鶴ヶ島市社会福祉協議会では、市民活動にたいする助成金の公開審査に小中学生が大人と一緒に審査委員として参画する福祉教育プログラムが実施されている。塔南の園児童館では、児童館に集まる高校生たちが、自分たちで企画運営するお年寄りへの配食サービスをとおして市民として成長するプログラムが続けられている。

それぞれのパイロットプログラム実施先では、独自の取り組みを進めるだけでなく、今年行なわれるパイロットプログラム実施先を訪問し合う日米の交流プログラムに備えて、ペアになった米国側のパイロットプログラム実施先との間で、相手の学校の授業の教材となる自作のパンフレットや資料を送ったり、ホリデーカードの交換をしたりもしてきた。

日本の青少年による米国交流ツアー

日本の青少年による米国交流ツアーの様子

まず先に、日本のパイロットプログラム実施先から1人ずつ選ばれた高校生3人と中学生1人が、3月26日から4月3日(帰国日は4月4日)まで、米国のインディアナポリスを訪問した。交流の相手は、米国側のパイロットプログラム実施先であるカセドラル高校、ユニバーシティ高校、そしてインディアナ州中央地区ユナイテッド・ウェイ(米国版共同募金会)、ユース・フィランソロピー・イニシアチブ(青少年ボランティア活動推進団体)という2つの地域団体でフィランソロピー教育プログラムに参加した高校生たちである。

米国側のパイロットプログラム実施先でも、それぞれにフィランソロピー教育の特色ある取り組みが行われてきた。カセドラル高校では、地域における助け合いの精神を日本に学ぶという意味で「結」プロジェクトと名付けた授業を、人文地理や米国史(米国民主主義社会の歴史)のクラスの中でフィランソロピーと結びつけて実施した。ユニバーシティ高校では、ハリケーンカトリーナと阪神淡路大震災について調べて災害救援と防災について学習する授業が行なわれ、高校生たちはビデオ映像として学習成果をまとめて全校生徒に発表した。ユナイテッド・ウェイでは、青少年主体のボランティア活動にたいする助成金プログラムを青少年の審査委員会によって運営しているユース・アズ・リソーセズというプログラムが取り組まれている。ユース・フィランソロピー・イニシアチブでは、青少年が自分たちのボランティア活動の資金を自分たちで集めるプログラムを推進していて、それを行なった青少年グループが参加する集会を青少年リーダーの実行委員会を組織して実施する。

日本の青少年による米国交流ツアーの様子

今回の交流ツアーで日本の青少年たちは、パイロットプログラムを実施している高校の訪問、米国の青少年と一緒に助成金の申請と審査を行うワークショップなど、密度の濃いプログラムを連日こなしてきた。特に、ユナイテッド・ウェイで行われた助成金のワークショップでは、チャリティラン&ウォーク大会のコース案内を行うボランティア活動を企画して、100ドルの助成金を受け取って実際に活動も行なった。

フィランソロピー教育の成果を証明して見せた日本の青少年たち

日本の青少年による米国交流ツアーの様子

今回の交流ツアーを引率して深い感銘を受けたのは、パイロットプログラム実施先の代表として選ばれて参加した日本の青少年4人全員が、はじめての海外体験にもかかわらず、行く先々で即座に自分たちの役割を自覚して、積極的にコミュニケーションを図り、的確な自己表現と主張を行っていた姿だった。ボランティア活動で大切にするべき事柄についての具体的な説明、相手がうまく説明し切れていない内容を察した上でのするどい質問、日本の文化では受け入れられない米国流のプログラム内容についての批判的な分析など、大人でも真似できないようなパフォーマンスを見せてくれた彼らの姿には、米国側の青少年も指導者も圧倒されたように見えた。

日本の青少年による米国交流ツアーの様子

彼らは、フィランソロピー教育の観点で優秀と認められて選ばれたのであって、英語力は問われていないし、実際に出発のために空港に集まった時には、彼らはごく普通の青少年と同じに片言で英単語が話せるレベルだった。しかし、彼らは毎日積極的に交流を続けた結果、帰る頃には通訳を介さなくても十分に相手の話を理解して、意志を伝えることができるようになっていた。社会に貢献できる市民を育むために、フィランソロピー教育がいかに効果的であるかということを、今回交流ツアーに参加してくれた4人の日本の青少年が実証してくれたと感じている。

6月には、米国側の青少年たちが日本にやってくる。彼らにも、有意義な体験を積んでもらいたいと、米国を訪問した日本の青少年を中心にして準備を進めている。

日本の青少年による米国交流ツアーの様子

2007年5月

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