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日米センター 知的交流プロジェクトレポート Vol.7

知的交流プロジェクトレポート一覧

 

 

「都市エコシステム・イニシアティブ」

東京大学先端科学技術研究センター客員教授
ピーター・J・マーコトゥリオ

ピーター・J・マーコトゥリオの写真

概要

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)日米センター(CGP)から、東京大学先端科学技術研究センター教授の大西隆氏とその研究室所属の私が、国連大学高等研究所とともに行った、アジア地域の都市計画や運営に対するエコシステム(生態系)関係の取り組みの適用についての国際共同研究に研究助成金をいただいた。このプロジェクトでは、国際ワークショップが3回開かれ、ヨーロッパ、北米、オセアニア、アジアから29人を超える研究者が集まった。最終ワークショップは、2004年11月、ニューヨークで開かれている。ここでは、プロジェクトの目的、その目的に合わせた実質的活動内容、そしてその成果について述べることにしたい。

目的

本研究の目的は、都市開発におけるエコシステムに関する知見を調査研究し、そこで得た知識を環境計画や運営上の課題に適用することである。エコシステムに配慮した取り組みはますます注目を集めているが、こうした取り組みが、特にアジアにおける都市計画および運営において適切かということについては、あまり重視されることはなかった。我々の研究は、この取り組みが都市計画にとって、これまでと比べてどういった点で新しく、どのような違いや利点があるか、またアジアという枠組みの中で、果たして有益かということについて焦点を当てた。

具体的課題は以下の通りである。

1)都市のエコシステムを理解するための知見にはどのようなものがあり、それらに共通する要素は何か。

2)アジアの都市開発において、地域の都市計画や運営のための新たな取り組みを必要とするような独自の状況は何か。

3)当地域の都市において、知見の適用がそれぞれの状況に役立つのか。

Uninvited participants

三段階からなる研究調査

本プロジェクトは、都市のダイナミクスの解明するために利用される、エコシステムに関するさまざまな知見を調査対象研究としている。プロジェクト第1段階では、エコシステムに関する知見の調査で、物流分析、環境影響範囲、人間エコシステムの枠組み、回復力についての取り組みやその他の統合モデルが対象に含まれる。

こうした知見には、次のような共通要素がある。すなわち、a)都市エコシステムがどのように機能しているかを理解するため、そのダイナミクスを研究すること、b)人間とその行動を生物物理学的な環境構成要素と統合してとらえること、c)地理的、時間的尺度により、人間の行動が環境に与える影響を分析すること、d)さまざまな規模のエコシステムで、たゆみなく変化する生物物理学的パターンとプロセスが、人間の快適な暮らしにどのような影響を与えるかを分析すること、そしてe)このような新たな解釈に基づき、総合的な対応政策の概要をまとめていること、である。この分野に寄与する調査研究はこれまでになく、大変刺激的で、エコシステムに基づいた計画や運営を都市に適用していく上での基礎となっているのである。

プロジェクトの第2段階は、成長を続けるアジア地域の都市の現状を把握することであった。研究のこの段階において、そうした作業を行なうことにより、新しい取り組みが本当に必要かについて確認した。この作業の成果として、当地域の都市のうち、すべてではないにせよ、ほとんどの生活エコシステムに関連した場所が特定され、大都市圏中心部における成長のダイナミクスや、変化をめぐる主要間接的要素の傾向、また、それらが都市環境の移り変わりや環境ガバナンスの分析に与える影響について調査が行なわれた。この結果から、アジアの都市は、大都市も含めて急速に成長し続けているという事実が浮かび上がる。
こうした都市では、低所得層が直面する環境問題も大きな課題であり、今日の先進国の実情と比較して、長期的・加速度的に増えており、かついっせいに現われることが多くなっている。しかも、環境ガバナンス体制は、まだ、都市の影響に関する取り組みについて着手していない。このような状況を受け、私たちの研究は、特に都市環境および資源消費に焦点を当てることで、アジアにおける都市開発特有の難しい課題を見いだすことに貢献できると考えている。

プロジェクトの第3段階では、アジアの特定の都市にて、エコシステムに関する知見の適用を試みることであった。給水、給水管理、大気の状態、自然生態系の管理、植物の生育計画と管理、および固形廃棄物処理計画や運営など、数多くの都市環境課題について調査を実施した。
研究対象は、数ある都市の中から日本の東京都と那覇市、マレーシアのクランバレーとプトラジャヤ、タイのバンコックとチェンマイ、中国の北京、バングラデシュのダッカ、インドネシアのジャカルタが対象となった。
我々は比較のために、北米の都市においても若干の研究を行なっている。研究者たちは、この取り組みによって提唱された学際的知見をはじめ、さまざまな尺度による知見が有益であることを発見している。なお、その地域の都市の意思決定の際にこうしたエコシステムに関する知見は適用されるのか、適用される場合、どのような方法か、ということについては今後解明してゆく課題である。

成果

調査研究によりわかったことは、すべての都市にあてはまるエコシステムの知見というものはひとつもないが、都市を理解する上においては、さまざまな知見が個別の場面場面で貢献していることである。確かに、アジア地域における都市化は特異な形で進んでおり、そのダイナミクスは、根本的に以前とは違った新しい取り組みを求めている。新しい取り組みの中で非常に注目すべき点のひとつは、複雑さや深刻さを増しつつある環境課題に都市が適切かつ効果的に対処していく上で、エコシステムに基づいた計画や運営の適用が役立つと約束されていることだ。さらに、都市が廃棄物の量や天然資源の消費を削減することができれば、全世界がこれまでよりも持続可能な道を歩むことになるだろう。

この課題は引き続き重要であり続けることから、私は学術的および実務的立場の都市環境管理に関心を持つ人々に向け、今後はこの研究成果についてまとめた図書の出版を予定している。

以上
*英文の原稿を和訳して掲載。

U of Hawaii workshop Nov 2003

 

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