本文へ 日米センター(CGP)は日本とアメリカにて、助成、フェローシップ、ボランティア、人物交流、情報発信を行なっています。
国際交流基金 日米センター
CGP NY | 国際交流基金 | English | サイトマップ
トップページ
日米センターとは
公開イベント
団体で助成金をお探しの方へ
公募助成プログラム
以前の助成プログラム
申請に関するQ&A
採用後の手続きの流れ
助成事業紹介レポート
助成データベース
個人向け支援・ボランティアの機会をお探しの方へ
CGPの人物交流事業
情報室(刊行物、寄稿など)
アクセス
お問合せ
FAQ
更新履歴
日米センター公募助成プログラム
CULCON(カルコン) 日米文化教育交流会
メール配信サービス
コラムス
団体で助成金をお探しの方へ

 

日米センター 知的交流プロジェクトレポート Vol.9

知的交流プロジェクトレポート一覧

日米同盟と豪州—9.11後のアジア太平洋地域における新しい戦略枠組みを求めて

青山学院大学国際政治経済学部・教授 山本吉宣

山本吉宣氏9.11の同時多発テロ、それに続くアフガニスタン、イラクにおける戦争は、グローバルな戦略環境、さらにアジア太平洋の安全保障環境を大いに変化させた。ポスト・ポスト冷戦という言葉がおおいに現実味を帯びることになった。
すなわち、テロや大量破壊兵器の拡散などの新しい脅威の顕在化であり、国際安全保障協力に関する新しいあり方の登場である。日本は、この間、第2次世界大戦後初めて、海上自衛隊をインド洋に派遣し、米豪などの連合国に給油を行なった。

また、イラクのサマワに人道復興支援を旨とする陸上自衛隊の派遣を行ない、オーストラリアはその自衛隊の安全を担っている。米国は海外における軍の再編成を進めており、日米の安全保障協力も新しい段階に入った。オーストラリアは、米軍の日本における基地の再編成にかかわりの多いものであるし、また米国とミサイル防衛協力を進めている。

目を東アジアに向ければ、9.11後、アメリカと中国との間には、戦略的安定ともいえるような安定した関係が維持されてきた。ASEAN+3(日中韓)の東アジア協力は進展し、2005年12月には、オーストラリア、ニュージーランド、インドの参加を得て、東アジア・サミットが開催されるに至っている。経済を中心とした地域的な協力は、ますます発展していくであろう。しかしながら、テロ、環境、疫病などの新しい脅威だけではなく、北東アジアにおいては、北朝鮮の核兵器の問題がおき、6者協議がもたれ、また中国の軍事的な台頭に大きな関心が向くようになった。

日米同盟と豪州シンポジウム風景このような課題に直面して、2005年5月に、米豪外相は、日米豪の対話を閣僚レベルに格上げすることを宣した。ある意味で当然のことであろう。このようなことを背景に、日米同盟と日米豪の安全保障協力の可能性を検討し、採るべき政策を明らかにしようとするのが本プロジェクトの目的である。

本プロジェクトは、平成16年4月から一年半にわたって行なわれた。日本側は財団法人 平和・安全保障研究所、米国側は、Asia Pacific Center for Security Studies(APCSS)、オーストラリア側は、オーストラリア国立大学、メルボルン大学などの研究者が参加した。平成16年度には、東京とハワイで国際会議(ワークショップ)が開催され、平成17年度は、7月に政策提言を公の場で発表し、大方の理解と意見を聴取するために、東京でシンポジウムが行なわれた。
その際、プロジェクトの研究成果と政策提言を合わせた、日、英併記の、『日米同盟と豪州—9.11後のアジア太平洋地域に置ける新しい戦略枠組みを求めて—』を配布し、政策提言の周知を図った。

研究成果に見られる共通の認識としては、1.日米豪の協力が、グローバルにもアジア太平洋においても、積極的な貢献が出来る土壌が整いつつある、2.日本は「普通の国」になりつつあると言えるが、それは日本がより建設的な役割を果たす契機となろう、3.日米豪の協力、またいままで薄かった日豪協力も強化されなければならない、さらに、4.日米豪の安全保障協力は、中国などの敵愾心を呼んではならず、中国を如何にアジア太平洋の安全保障に関与せしめていくか、ということが3国協力の一つの大きな目標となろう、というようなものであった。以上のような共通認識から、次のような政策提言がなされた。

  1. アジア太平洋において、大量破壊兵器、テロなど幅広い脅威に対応する「非排他的な」安全保障の枠組みを構築するべきであり、そのなかで、日米豪の協力は中心的な役割を果たさなければならない。

  2. 日米豪にとって核心的な共通の課題を設定し、アメリカ主導の地域安全保障枠組みと地域的多国間安全保障機構との補完性をはかる方策をとり、その中で、中国の関与を図っていくべきである。

  3. 6者協議をにらんで、北東アジアにおける安全保障対話の恒常的な仕組みを構築する努力をすべきであり、オーストラリアは、出来るだけ北東アジアとの対話を促進することが望ましい。

  4. 日米豪は、地域の政治的安定、経済統合を促進するよう協力すべきである。日本とオーストラリアは、アメリカに対して、アジア太平洋地域の政治的、経済的な要請に対して、より効果的な関与を行なうように働きかけるべきである。

  5. 日米豪3国はそれぞれの社会が直面している変化と挑戦、およびそれらが安全保障に及ぼす影響に関する理解を広めかつ深めるために、経済人、政治家、政府関係者によるハイレベルの対話を定例化するべきである。

日米豪の研究者が一所に集い、アジア太平洋の安全保障に関して共同研究を行ない、3国間協力の可能性やあり方を議論する機会はそれほど多くはない。本プロジェクトはそのような機会を与えてくれたものであり、3国間の理解は大いに進んだと考えられる。
このような中で得られた研究成果とそこで作られた日米豪の知的研究ネットワークを基にして、更なる共同研究を図る考えであり、その一環として研究成果を英語で出版する計画も進んでいる。


2005年12月

Top

TOKYO OFFICE
国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 日米センター
160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3
Tel (03)5369-6072 Fax (03)5369-6042
NEWYORK OFFICE
The Japan Foundation Center for Global Partnership, N.Y.
1700 Broadway, 15F, New York, NY 10019, U.S.A
Tel (212)489-1255 Fax (212)489-1344