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日米センター 知的交流プロジェクトレポート Vol.11

知的交流プロジェクトレポート一覧

農学国際協力における日米大学の連携をめざして

名古屋大学 農学国際教育協力研究センター教授 松本 哲男

松本 哲男氏
開発途上国の人口の3分の2は農民であり、農業の発展なくして貧困の問題も、教育・医療の問題の解決もあり得ない。途上国の農民は、私たちに必ずといっていいほど、「エイズなど怖くない。エイズにかかって死ぬのは2、3年後だ。食糧がなければ、私は一週間後には死ぬ。」と話してくる。
国連も「テロや紛争、内乱の根本的な原因は、余りにも貧し過ぎる人々がいることであり、農業の発展による生活向上がその解決の助けになる」と、国連大学高等研究所を通して「平和のための農業事業」Agriculture for Peace Project - Promoting Agricultural Development in Support of Peaceをアフリカで展開している。

名古屋大学農学国際教育協力研究センター(ICCAE)の教員を中心とする農学国際協力日米大学連携推進プロジェクトグループは、国際交流基金日米センター(CGP)の助成を得て、米国のAssociation Liaison Office for University Cooperation in Development (ALO) (現、Higher Education for Development; HED)と共に2005年10月31日から11月2日の3日間、名古屋大学野依記念学術交流館において日米の大学・研究機関と援助機関から農業と農学教育の専門家を招へいして日米大学間対話セミナー「農学国際協力における日米大学の連携をめざして」を開催した。
ここではセミナーの内容、成果と課題、アフリカの農業支援に日本の大学が果たし得る役割などについて紹介する。

このセミナー開催の背景として、世界に大きな影響力を持つ両国の高等教育・研究機関には、途上国の農業開発支援や農学教育を通して、人づくり支援に関して多くの経験・教訓が蓄積されているにもかかわらず、これまで両国間において、これらの経験や教訓の組織的な交流は行なわれてこなかったことがある。そこで本セミナーでは、以下の目的を設定した。
1) 両国の途上国における農業開発支援や農学教育の国際協力の経験を交流し、討議を通して、連携の可能性を追求し、アジア、アフリカにおける農業・農学分野の人材育成を含めた国際協力推進の相乗効果を図る。
2) 開発途上国における人材育成のための制度的パートナーシップを築く重要性を追究する。
3) 農学協力における実用的モデルの構築に努める。
4) 2004年10月広島において日米センターの助成を得て開催された広島大学教育開発国際研究センター主催の「教育協力日米大学間対話セミナー」をさらに農学分野に発展させ、日米大学連携の可能性を広げる。

セミナーの様子の写真

セミナーには日米それぞれ10大学・研究機関、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、米国国際開発庁(USAID)の援助機関、文部科学省、国際開発サポートセンタープロジェクト(SCP)、外務省の関係者35名が、聴衆は主に大学、協力機関、NGO関係者を中心に約50名が参加した。

オープニング・セッションでは、名古屋大学を代表して平野総長から歓迎の挨拶、文部科学省井上国際統括官、外務省佐渡島参事官から開催挨拶があり、国連大学高等研究所ザクリ所長が基調講演を行なった。その後、以下の5つの主なトピックを設け、参加者による発表と討議を行なった。
(1)「研究・技術開発とその移転協力事例紹介」;大学の教育・研究強化、研究協力、研究成果の農民への普及および小規模起業化の成功例、(2)研究・教育を通した「人づくり」、(3)「これまでの国際協力からの教訓」、(4)「災害(戦後)復興」;アフガニスタンのカブール大学復興支援、インドネシアのスマトラ沖地震・津波復興支援の中での人材育成、(5)「大学協力プログラムへの資金」;外部資金確保。

主な成果は、次のとおりであり、今後、両国の協力事業の情報交換をすることが確認された。
1) 両国大学の取り組み状況が把握でき、意見交換ができた。特に米国側は戦略的思考と短期目標の設定、成果の評価方法において、日本側は現場主義的な長期的な取組みにおいて特色があり、連携によりそれらが相互補完的に働く可能性があることがわかった。
2) アフガニスタン復興支援への日米関係大学の連携が強化された。またカンボジア支援の連携を具体的に模索する道が開けた。アフリカ・ケニアにある「アフリカ人づくり拠点」(AICAD)の米国による積極的な利用とネリカ米研究・普及への参加が日本側から提案された。

残された課題として議論されたことは、次の2点が上げられる。
1) セミナーの成果を確実にするためには、組織的な連携強化を今後さらに追究する必要があること。
2) 日米両大学の予算獲得の継続性の不確かさが、連携維持に直接影響すること。それを克服するには、お互いに予算申請書にカウンターパートとして加えるような配慮が必要であること。

最後の自由討議の結論は、「日本の大学はアジアの農業支援において大きな役割をこれまで果たしてきているが、アフリカについてはまだ、緒に就いたばかりである。米国は日本の大学がアフリカ、中近東で米国大学のパートナーになることを期待している。
日本は人材育成を基本として、環境と伝統技術を尊重しながら穀物、根菜類の技術移転を進めていく。米国の過剰な期待を除きながら、米国のコミュニティー開発や農作物への付加価値における豊富な経験を活かすため、この地域での連携をよりいっそう追究することが大切である。」ということであった。

以下に対話セミナー参加した大学・研究機関名を示す。
日本側
九州大学、鳥取大学、広島大学、京都大学、名古屋大学、豊橋技術科学大学、東京農工大学、東京大学、帯広畜産大学、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)
米国側
Iowa State University, University of California-Davis, University of Georgia, University of Illinois at Urbana-Champaign (2), Pennsylvania State University (2). Southern Illinois University-Carbondale, Washington State University, Purdue University

2006年6月
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