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日米センター 知的交流プロジェクトレポート Vol.12

知的交流プロジェクトレポート一覧

米軍再編後の日米安全保障協力:アジア太平洋地域の危機と沖縄に求められる役割

特定非営利活動法人沖縄平和協力センター(OPAC) 事務局長 清水磨男


知的交流プロジェクトの様子の写真1 2001年に始まったブッシュ政権が、外交問題の最大のテーマとして中国の台頭を取り上げようとしていた矢先、予期せず9.11テロは起こった。他方で米軍では、技術革新などに支えられたトランスフォーメーションが、常に模索され、追求され続ける目標であった。これら両者は作用しあうことで具体性を帯び、計画から実行へと進められることになった。トランスフォーメーションを踏まえた米軍というコンセプトに対し、9.11テロや中国の台頭といった現実の問題が、米国に具体的な実施を決断させた。

具体的実施はGPR(Global Posture Review)と呼ばれ、地球規模での米軍の取り組みであり、米軍が展開する地域ごとに抜本的な変更が行われた。東アジア地域においては、例えば米韓の協議はFOTA(Future of the Alliance Policy Initiative)として2003年ごろから開始され、日米においてもDPRI(Defense Policy Review Initiative)として2002年末ごろから開始された。その中では「責任ある利害関係者」とされた中国との関係も協議されている。

分散と集中を大きなテーマに掲げたGPR作業は、冷戦が終わったヨーロッパからの撤退、朝鮮半島有事の際に最前線となる韓国からの削減を決めると同時に、重要拠点である日本との連携強化、日米の役割の再確認などを決めた。これは戦後60年間に渡り、大きく変化することの無かった日米の安全保障協力に対し、新たなありようを求めていくこととなった。

知的交流プロジェクトの様子の写真2そこで本事業は、新たな日米関係の出帆に際し、過去の問題点を整理して、現在ある議論内容を検討する。これは日米の外交・安全保障の研究者にとって、避けては通れない問題である。特に駐留米軍の見直しが著しい沖縄に着目し、そこから日米関係や沖縄の持つ役割を問い直し、周辺の地域情勢との関係も分析することで、ここでの検討が政策提言に繋がることを目的としている。

歴史に鑑みると、沖縄は日米安全保障関係において頻繁に議論の焦点となるものの、総じて亀裂という結果を生み、認識のギャップを深めてしまう存在であった。日米関係は世界でも有数の成熟した貴重な二国間関係であるが、沖縄を巡っては失敗を繰り返してきている。日米にとって大掛かりな取り組みとなる今回、過去と同じ失敗を繰り返さないように、本事業が微力ながらも役割を果たせるよう挑むこととなる。

事業の実施に際しては、日米の若手安全保障研究家として、日本側に川上高司拓殖大学教授や村田晃嗣同志社大学教授、米国側にゴードン・フレイク(Gordon L. Flake)マンスフィールド財団所長やディレック・ミッチェル(Derek J. Mitchell)戦略国際問題研究所上級研究員など、第一線で活躍する総勢12名の人材を揃えた。同時にこれまでおざなりにされてきた沖縄からの有識者にも参加を募り、人材育成も視野に入れて学生レベルの若手にも会議への参加を呼びかけている。日本側研究者については、本事業開始前から米軍再編に向けたグランドストラテジーを政策提言として発表するなど、同問題に対して継続的に調査活動を続けているメンバーである。沖縄の有識者の参加呼びかけについては、OPACがこれまで数多のテーマで研究会を主催しており、そのネットワークを活用することで、素地は既にできており、それらを活用した。実際に学識経験者や実務家、マスコミ、米軍関係者など、幅広い立場からの忌憚無い意見交換を可能としている。

知的交流プロジェクトの集合写真以上の目的と参加者を揃えて、沖縄の民間組織であるOPACが実施することで、包括的な視点から論じる場を、地元である沖縄に作り出すことに成功している。同時に、東京やワシントンDCの研究者を実際に沖縄での会議(2006年5月26〜27日実施)に参加させることで、地元視点の把握に役立ち、結論につなげることに役立てている。沖縄会議では米国側メンバーによる基地視察、地元有識者との意見交換を通じて、議論の中でしか知らなかった沖縄の実情を体感させることに成功した。

一方で地元の論理に収束してしまう懸念を避けるため、米国側協力団体であるヘンリー・スティムソン・センター(The Henry L. Stimson Center)との協力で、ワシントンDCでの会議(2006年11月13〜14日実施)も実施した。そこでは最新の議論を日米双方関係者との意見交換と連携して行なうことに成功したと同時に、ワシントンDCにおける中間報告ともなる公開研究会も開催した。

最重要の課題を、議論の最前線であるワシントンDCと実施の最前線である沖縄で検討し、いずれの地においても地元研究者及び実務家の参加を促している。これは研究の成果を高めると同時に、アテンションギャップを埋め、意欲を持つ人々の間のネットワーク形成に結びついている。

討議の結論については、2007年11月を予定する最終報告書に譲るが、日米の研究者がワシントンDCや沖縄といった各所で会議を持ち、英語で報告書をまとめて提言として発表するに至る機会はほとんど無い。さらにそれが若手研究者を基にしており、ネットワーク形成及び人材育成までも視野に入れたものとしては他に類をみない。以上のような機会は本プロジェクトが与えてくれたものであり、最終報告を通じては沖縄の将来的役割も展望できるものであると考え、今回の貴重な機会を残りの期間を通じて少しでも充実させて完遂したいと考えている。

2006年12月

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