本文へ 日米センター(CGP)は日本とアメリカにて、助成、フェローシップ、ボランティア、人物交流、情報発信を行なっています。
国際交流基金 日米センター
CGP NY | 国際交流基金 | English | サイトマップ
トップページ
日米センターとは
公開イベント
団体で助成金をお探しの方へ
個人向け支援・ボランティアの機会をお探しの方へ
CGPの主要事業
情報室(刊行物、寄稿など)
Newsletter Eメール配信
コラムス
特別寄稿
スタッフ通信
書籍・報告書
アクセス
お問合せ
FAQ
更新履歴
日米センター公募助成プログラム
CULCON(カルコン) 日米文化教育交流会
メール配信サービス
コラムス
情報室(刊行物、寄稿など)

特別寄稿
アメリカとわたし Vol.4 『Greatを目指すということ ─自動車をつうじて、Peopleとともに─』その3

特別寄稿
特別寄稿一覧
アメリカとわたし vol.4 Greatをめざすということ?自動車をつうじて、Peopleとともに?

その1その2、その3

《アメリカ企業トップの社会貢献意識》

3度目のアメリカ勤務は2000年から4年半、ニューヨークで北米トヨタ社長として働いた。この時にアメリカのビジネスリーダー達が社会貢献について真剣なことを肌で感じた。寄付金額だけの問題ではなく、大企業のトップ自らが積極的に時間を割いているのだ。

例えば、Committee To Encourage Corporate Philanthropy(CECP)という会がニューヨークにある。この会のメンバーは、企業のトップ(CEO)のみに限定されている。企業の社会貢献活動(コーポレート・フィランソロピー)のベストプラクティスをケースとして配布したり、朝食会、昼食会を催したりしていた。会合では、アメリカの大企業のトップたちが秘書も連れずに集まり、企業フィランソロピーのもっといい事例はないか、ユニークな方法はないか、などと真剣に話し合っている。こういった活動を行なう個人の意識の先進性が、アメリカ企業全体の価値を高めているのではないだろうか。

高報酬を稼いでも、利益を社会に還元するという考え方がまだ生きていると言える。日本では福祉・公益的な活動は政府が税金を徴収・配分することで果たすという仕組みを中心としてきたので、ギャップがあるのはやむをえないものの、アメリカビジネスリーダーの取り組みには学ぶところがあると思う。

《日米交流の担い手への期待》

トヨタでは、米国の社員約33,000人のうち、日本からの出向社員は約550人強にすぎない。「トヨタ」と言っても自動車として認識してもらえなかったような駆け出しの時代と、ある程度台数が売れるようになった時代、そして現在とでは、相対的な環境や置かれている立場は大きく変化している。特に工場のある地元コミュニティでは会社のみならず日本に対する関心が高い。

「日本のことをよく知ってから海外に出るべし」ということは言い古されたことではあるが、振り返ってみて私自身常に不足していたと思う。

柔道、剣道、空手などの武道や茶道・華道ができるとアメリカ人とのコミュニケーションが深まる。日本史とアメリカ史や世界史とを関連づけて理解しておくことをお勧めしたい。日米を相対化して語ることができると相互理解が生まれやすい。
今は、幸いなことにインターネットで多くの情報を取ることができる。特に若い人たちは、私の世代よりもずっと多くのことを吸収できるだろうし、より積極的なコミュニケーションを期待したい。ただつけ加えたいのは、「現地・現物」の重要性を忘れないでいただきたいということ。直接会って眼と眼を見ながら会話をすることが最善のコミュニケーションであることは、今後も変わらないと信じている。

「日米交流」のパイオニアとして日本人として初めてアメリカに住んだジョン万次郎を忘れることはできない。私が特に感銘を受けているのは、1841年ジョン万次郎を含む土佐の漁師5人を太平洋の無人島で救助した米国捕鯨船のホイットフィールド船長と万次郎の間に芽生えた深い相互信頼関係がそれぞれの子孫に引き継がれているということだ。4代目〜5代目の世代となった今日にいたるまで、中濱・ホイットフィールド両家のお付き合いが続いていることは本当に素晴らしいことで、日米交流の原点であることを感じる。ジョン万次郎については4代目中濱博先生の書かれた「中濱万次郎」(2005年冨山房インターナショナル刊)に詳しく書かれているので興味のある方は参照してほしい。

CGPに期待すること》

風景写真いつ起こるともわからない、想定外の事態にも対応でき得る広く深い信頼関係を、日米間に作ること、そして世界の発展に貢献することがCGPのミッションだと思う。

ひとつの機関がすべて背負い込むことはできないのだから、持分に応じて、役割を果たし、さらに「Extra Effort」をすることが大事であろう。「Extra effort makes difference between good and great.」とは、上述のマッカリー氏がいつも言っていたことで、「Goodで満足せずGreatを目指せ」というメッセージである。CGPもこれまでの成果に甘んじることなく、さらなる「Great」を目指してほしい。

日本とアメリカにはチャネルが無数にあるが、他の機関と連携し、さらにスピードやレベルを上げられる分野を見つけてほしい。日本経団連、日米協会や米国商工会議所、草の根交流NPOや姉妹都市委員会などとの連携や、外務省との更なる連携によって情報を広く人々に還元しコーディネーターとしての役割を果たすことにもまだポテンシャルがあるだろう。色々な分野のキーパーソンどうしを組み合わせることのお手伝いも可能だと思う。

日米関係は、両国にとって今後も最も重要であることは変わらない。CGPにとって本質的にプライオリティの高いものを見極め、質の高さや知的レベルを保ちつつ、交流を活性化したいものである。

(了)
2006年8月

田口俊明(たぐちとしあき)
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)参与 
1964年トヨタ自動車販売株式会社入社。トヨタモーターノースアメリカ株式会社取締役社長、トヨタ自動車株式会社相談役を経て、2006年よりトヨタ自動車株式会社顧問。同年7月よりジャパンファウンデーション参与として日米センターなど主に対米事業に関して助言を行なう。


その1その2、その3

Top


TOKYO OFFICE
国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 日米センター
160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3
Tel (03)5369-6072 Fax (03)5369-6042
NEWYORK OFFICE
The Japan Foundation Center for Global Partnership, N.Y.
1700 Broadway, 15F, New York, NY 10019, U.S.A
Tel (212)489-1255 Fax (212)489-1344