本文へ 日米センター(CGP)は日本とアメリカにて、助成、フェローシップ、ボランティア、人物交流、情報発信を行なっています。
国際交流基金 日米センター
CGP NY | 国際交流基金 | English | サイトマップ
トップページ
日米センターとは
公開イベント
団体で助成金をお探しの方へ
個人向け支援・ボランティアの機会をお探しの方へ
CGPの主要事業
情報室(刊行物、寄稿など)
Newsletter Eメール配信
コラムス
特別寄稿
スタッフ通信
書籍・報告書
アクセス
お問合せ
FAQ
更新履歴
日米センター公募助成プログラム
CULCON(カルコン) 日米文化教育交流会
メール配信サービス
コラムス
情報室(刊行物、寄稿など)

日米センター事業報告
共同研究「移民は必要か?−日米労働市場政策と戦略の観点から」

日米センター事業報告

事業報告トップ>>

共同研究「移民は必要か?−日米労働市場政策と戦略の観点から」

共同研究「移民は必要か?−日米労働市場政策と戦略の観点から」
事業年度: 平成22年度助成事業 (3年間事業の1年目)
助成事業名:

「移民は必要か?−日米労働市場政策と戦略の観点から」

助成対象者:

カリフォルニア大学サンディエゴ校
University of California, San Diego

事業(助成対象)期間 平成22 年6月1日〜平成24年1月31日

カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego、在カリフォルニア州サンディエゴ)は、関西学院大学上智大学京都大学等と共同で、日米を含めた先進国が労働市場を補うために移民を必要としているのかを調査し、また、移民受け入れに対する政策変化の可能性を調査することで労働力としての移民の方向性を提示するためのプロジェクトを行いました。

2010年9月にサンディエゴで日米の研究者が集まって国際会議が開催され、研究発表とディスカッションが行われました。アジェンダには、日米の労働市場における非熟練労働移民と熟練労働移民の役割、非熟練労働移民と熟練労働移民の類似点と相違点、日米における移民に関する政治状況、移民受け入れのジレンマに関する日米比較、などが含まれました。会議では、労働市場のあらゆるレベルで移民は重要な役割を果たしていることや、機械化や高齢者等の労働力の活用向上も、移民の労働力に取って代わることはできないということが確認されました。

会議終了後に各参加者は、その成果を論文にまとめました。ある論文の中では、日本と米国はあまりに移民事情が異なるため、比較可能なのかどうかについて触れています。日本は世界でも最も移民受け入れの少ない国(2006年時点で925,000人)の一つですが、米国は対照的に、人口に占める移民の比率は約12%で、世界最大の移民受入国です。一方で、日本と米国は双方とも先進工業国で情報・サービス経済に移行しつつあり、高学歴化や高齢化が進んで非熟練労働力も不足しつつあり、将来的に年金負担が増大するという共通点もあり、比較する意味があることが述べられています。特に経済功利主義が日本の共同体的な態勢に圧力を加えることがあれば、日本への大規模な移民の流入が進み、彼らが政治的パワーとなって、移民の権利を主張するようになる可能性も起こりうるとし、その場合、日本は今日の米国と類似してくるだろうと述べています。

別の論文では、日本は熟練労働移民に対しては門戸を開放しているにもかかわらず、日本の移民全体に占める彼らの割合は9%に過ぎないと指摘しています。熟練労働移民には、エンジニア、投資家、経営者、会社員、大学教授などが含まれています。熟練労働移民の数が少ない要因の一つとして、日本の大企業の52%しか彼らを雇用していないことが挙げられます。企業は必ずしも彼らの雇用に消極的なわけではないのですが、言葉の壁が最大の障害となっており、日本語と英語のバイリンガルな労働環境を取り入れている企業はまだ少数派なのが現状です。日本語が流暢な熟練労働移民の数も限られています。日本の給与体系がまだ比較的年功序列型になっているため、若手の熟練労働移民にとってはあまり魅力的でないのも事実です。また、日本の年金システムが、原則として生涯日本に住み続ける人を給付の対象としていることも、日本への移住を思いとどまらせる要因となっています。日本人でなくても年金に加入できますが、給付を受けるためには25年間保険料を納付する必要があります。日本で支払った保険料を海外に移管できる社会保障協定を日本は10カ国としか締結していません。これら10カ国以外から来た人たちは、退職後に帰国すれば、支払った保険料が大きな金銭的ロスとなるため、ロスが拡大しないうちに日本を離れるケースも見られます。さらに、日本の税制は、5年以上日本に在住している外国人の海外資産に課税しています。これを理由に、日本を離れてもっと税率の低い国に移り住む人もいます。日本政府は外国人の永住許可要件を10年在留から5年に改定したり、高所得移民が母国の労働者を呼び寄せることを許可したりするなどの対応策を取っています。

これらの論文は、編集後に出版される予定です。


(2012年5月25日)


TOKYO OFFICE
国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 日米センター
160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3
Tel (03)5369-6072 Fax (03)5369-6042
NEWYORK OFFICE
The Japan Foundation Center for Global Partnership, N.Y.
1700 Broadway, 15F, New York, NY 10019, U.S.A
Tel (212)489-1255 Fax (212)489-1344