国際交流基金設立40周年 祝辞 「これからも国際交流基金に期待します」

 

祝辞 「これからも国際交流基金に期待します」

 

朴 元淳  ソウル特別市市長 

朴 元淳 ソウル特別市市長

 

国際交流基金の設立40周年を心からお祝い申し上げます。

国際交流基金はこれまで国際文化交流事業の実施を通じ日本についての理解増進はもちろん、国際相互理解の増進と世界貢献、調和のとれた対外関係の維持及び発展に大きく貢献してきました。

私も2000年に国際交流基金が実施するアジア・リーダーシップ·フェロー·プログラムに3ヶ月間参加し、日本の市民団体を訪問しました。その際経験した日本の「山村留学の制度化」、「農産物直売場」等は、市民運動家として大事な財産となり、その土台の上で、今日ソウル市長の業務を遂行していると言っても過言ではありません。

世界の多くの人々が、国際交流基金のプログラムを通じ、このように様々な経験をし、お互いに交流を拡大する重要な契機としてきました。

これからの世界は、国と国よりも市民同士の交流と協力がより緊密かつ急速に進んでいくと思います。 民間レベルの交流が中心軸となるこの時代に、国際交流基金のさまざまな交流事業が、全世界が平和と疎通の共同体となる強固な足がかりになると確信いたします。

改めて設立40周年をお祝い申し上げるとともに、今後の大きなご発展をお祈りします。

 

黛 まどか  俳人

黛(旧字体) まどか氏 俳人

 

昨年日本は未曾有の大地震に見舞われた。震災を通して世界から賛美されたのは、紛れもない日本の潜在力と美徳だった。

一方で、ある著名な知日派アメリカ人が、今の日本人は本来の美徳を失いかけていると愁えている。日本語力の低下はもとより、自然を愛する心や新しいものへの情熱、物事を客観視するユーモアがなくなってきていると言う。当然のことだが日本人が得意とするものがなくなれば、世界では認められない。まず私たち一人一人が日々のくらしの中で、先人達が育んできた自国の文化を学び直すことが肝要だと思う。日本の潜在力や美徳とは、先人達の叡智の結集だからである。

最近聞いた話だが、ある国の少数民族が携帯電話を使い、流暢な英語を話すようになったという。文明を享受し、グロ―バル化に適応しようとすることを否定するつもりはない。しかしグローバリゼーションによって世界の隅々までが均質化することに私は懸念を持っている。多様性の中にこそ、様々な可能性(強さ)と安定があるからだ。今この瞬間にも世界中で消えかかっている希少な文化がある。それぞれの国や民族が、歴史と風土の中で育んできた叡智を尊重し共有して、人類社会が持続していくためにも、国際交流が担う役割はますます重要になっていると思う。

 

アーサー・ストックウィン  オックスフォード大学日産日本問題研究所前所長

アーサー・ストックウィン氏(オックスフォード大学日産日本問題研究所前所長) 

 

私の国際交流基金との最初の出会いは、1970年代半ばにキャンベラで開かれた今日出海(こんひでみ)初代理事長の講演会で した。今氏は、当時私が勤務していたオーストラリア国立大学で、発足後まもない国際交流基金の計画を説明しました。当時、日本はすでに目覚しい経済成長を 遂げていましたが、諸外国との関係においては、その取組みが経済的なものに限られているという批判もあ りました。そのような中で、国際交流基金の設立は、現代であれば「ソフトパワー」と呼ばれるところの実践で した。

国際交流基金は、この取組みに目を見張るばかりの成功を収めてきました。すばらしい「商品」を持っていることが理由の一つに挙げられます。日本文化の豊かさを世界に提示する国際交流基金の活動の基盤には、伝統から現代にわたる日本の文化資産――極端に単純化すれば、複雑な構造と古代の謡そして洗練された衣装を持つ能から、現代生活のトラウマと機微を映すマンガまでの多彩さ――があるのです。

2009年に国際交流基金賞を受賞したことを誇りに感じています。和服姿の小倉理事長から表彰を受けた授賞式は、今後も私の大切な思い出であり続けることでしょう。

 

 

 

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