11号

平成19(2007)年度 国際交流基金賞・国際交流奨励賞

授賞式会場風景
授賞式会場風景(ホテルオークラ東京)

2007年10月3日に第35回目を迎える国際交流基金賞・国際交流奨励賞授賞式が東京で開催されました。授賞式では、高円宮妃殿下をはじめ、約500名の来場者を前に、4人の受賞者の方から心のこもったスピーチをいただきました。

2007年度の受賞者の写真
2007年度の受賞者

ロイヤル・タイラー氏は、日本語・日本研究の師であり、過去の基金賞受賞者でもあるセルジュ・エリセーエフ先生、エドウィン・ライシャワー先生、ドナルド・キーン先生との暖かい思い出に始まり、「まず紫式部が『源氏物語』を書かなければ、私が本日、皆様の前で受賞の謝辞を述べさせていただくことはなかったでしょう」といったユーモアも交えて、受賞の喜びを語っていただきました。
そして、やはり日本研究者として、また、比類ない洞察力を持つ『源氏物語』の読者として、精神面のみならず研究面においても、長年にわたってタイラー先生を支えてこられた奥様のスーザンさんへの尊敬と愛情がとてもよく伝わる暖かいスピーチでした。

ロイヤル・タイラー氏の写真
ロイヤル・タイラー氏
プロフィール

北川フラム氏の写真
北川フラム氏
プロフィール

北川フラム氏は、越後妻有という過疎の豪雪地帯で地震が多い土地を舞台に、地方自治体などと一緒になって、現代美術を通して里山の魅力を浮かびあがらせ、人々の元気を取り戻す仕事をされてきました。
その過程で、土や水といった自然との関わり、それから、地元のおじいさん、おばあさん、子どもたち、それに外国のアーティストといったいろいろな人がつながっていくことをとても大切にされ、今までも、そしてこれからも、人のつながりを広げていくことを可能にする北川さんのお人柄がうかがわれるスピーチでした。

リービ英雄氏の写真
リービ英雄氏
プロフィール

リービ英雄氏は、日本語を母語にしないということで「決して完璧な日本語を書くことはできない、日本語をマスターしたというより、常に日本語にマスターされているというような気持ちで何とか日本語の中に入って書き続けてきた」と謙遜して述べられました。「この賞は私にとって大変な力になった」と受賞をとても喜んでいただけたようで、とてもうれしく思います。
本賞は今年から対象を広げて「日本語教育賞」から「日本語賞」になったものですが、これからも、リービさんに続く方がたくさん出て、どんどん日本語の境界を壊し、日本語の可能性を広げていってくれることを期待します。

アイシェ・セルチュク・エセンベル氏の写真
アイシェ・セルチュク・エセンベル氏
プロフィール

アイシェ・セルチュク・エセンベル史の日本との関係は、外交官であった父上の東京赴任という偶然から始まったとのことですが、これまで、多数のご友人や、長年にわたる研究上の師や協力者との関係を深めてこられました。
エセンベルさんは、幕末―明治時代の農村問題・百姓一揆、近代日本社会のトルコ/イスラム世界との接触史というあまり知られていない研究をされてきましたが、このような研究も人と人との良好な関係の上に築かれてきたことがうかがえます。
また、エセンベルさんはご自身の日本研究だけではなくトルコの日本研究の発展をとても気にかけていらっしゃるのがよくわかりました。

授賞式では、タイラー氏の源氏物語翻訳の業績にちなんで、別宮貞雄作曲オペラ『葵上』よりアリア2曲を、村上敏明氏(テノール)、庄智子氏(ソプラノ)、大野美智子氏(ピアノ)により披露していただきました。(協力:(財)日本オペラ振興会)
今年の受賞者も例年同様に、翌日、皇居にて天皇皇后両陛下の御接見を賜りました。
(その模様は宮内庁のWebサイトへ)
また、受賞記念として講演会が行なわれました。
10月5日 タイラー教授講演会:「源氏物語」とThe Tale of Genji
共催:国際交流基金/東京大学文学部国文学研究室・現代文芸論研究室
 >>講演会のもようは、後日掲載予定です。
10月5日 エセンベル教授講演会:世界史から見た日本とトルコの関係
共催:国際交流基金/立命館大学国際関係学部
  >>講演会のもようは、立命館大学のWebサイトでご覧になれます。
10月9日 エセンベル教授講演会:アジアのムスリム・ネットワークと日本
主催:法政大学国際日本学研究センター
  >>講演会のもようは、法政大学国際日本学研究所のWebサイトでご覧になれます。
11月17日 リービ英雄教授講演会:日本語の人生を開催します。
皆様のご参加をお待ちしています。

*2007年度受賞者のプロフィールはこちら
*2007年度受賞者の授賞式でのスピーチは、『をちこち』20号(2007年12月1日発行)に掲載します。


(コミュニケーションセンター(JFIC) 濱部れい)

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