平成24年度 受賞者プロフィール

受賞者プロフィール

フランス国立東洋言語文化大学 日本語 / 日本文化学部・大学院 【フランス】

フランス国立東洋言語文化大学

1862年に日本語講座が開講された、フランスにおける日本語教育の起源とも言える教育機関です。現在に至るまで、歴史、地理、政治経済、古典文学、近現代文学、美術史、思想史、言語学など幅広い分野において、優れた日本研究者、日本語教師、外交官、日本語通訳者等を数多く輩出しています。日本研究や日本語教育に関する最新のテーマを扱う国際シンポジウムの定期的な開催等により、日仏二国間の関係強化と相互理解の促進に中心的な役割を果たしています。

受賞者と国際交流基金のかかわり

同大学へは、日本研究分野を中心とする図書の寄贈、日本語教材の寄贈などの機関向けの支援に加え、日本研究フェローシップを通じて大学教員への日本研究支援などを行ってきました。
また、同大学のご協力をいただき、フランス国内での日本文化、日本文学への関心を高めるべく、『源氏物語』にみる弦楽器」 (2011年度)や「日本写真史 1900-1945年」 (2009年度)といったさまざまなテーマでの会議やシンポジウムも開催しています。
なお、同大学の生涯教育センターにはフランスにおける日本語能力試験の実施機関としてもご協力いただいています。

村上 春樹 作家 / 翻訳家 【日本】

村上 春樹氏の写真

1949年京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』でデビュー。『羊をめぐる冒険』『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』、『1Q84』などの長編小説をはじめ、短編小説、ノンフィクション、エッセイなどを多数発表しています。また、翻訳家としての顔も持ち、米文学を中心に、英語から日本語への翻訳も数多く手がけています。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など、日本国内の賞に加え、海外での文学的評価も高く、フランツ・カフカ賞、エルサレム賞、カタルーニャ国際賞などを受賞。卓越した物語性と新しい世界観を提示する描写が世界中の若者を熱狂的にひきつけ、多くの作品が40以上の言語で翻訳出版されており、海外の読者が日本語や日本文学、日本文化に対する関心を寄せるきっかけとなっています。

受賞者と国際交流基金のかかわり

国際交流基金では、村上春樹氏の作品を多くの外国語への翻訳、出版を支援しています。1989年度以降、「ダンス、ダンス、ダンス」「ねじ巻き鳥クロニクル」「羊をめぐる冒険」など22冊の本に助成、スペイン語、ポルトガル語、ハンガリー語をはじめとする15言語への翻訳を支援しました。
また、ご本人をお招きして、2002年度にはドイツ・ケルン日本文化会館で朗読会を、2006年度にはチェコで講演会を開催しました。このほかにも、村上氏の作品をテーマとした朗読会や「村上春樹の文学」 (2005年度)「春樹をめぐる冒険―世界は村上文学をどう読むか」 (2005年度)などのシンポジウムも各地で開催しています。

アイリーン・ヒラノ・イノウエ 米日カウンシル プレジデント 【米国】

アイリーン・ヒラノ・イノウエ氏の写真

日系アメリカ人の歴史と体験を、アメリカ史の一部として伝えることを目的とした全米日系人博物館(カリフォルニア州ロサンゼルス市)の初代館長として20年間にわたり活躍。その後、アジア太平洋の両岸のリーダーたちを結ぶ非営利団体である米日カウンシルを創設し、さらに強固な日米関係を築くことを目的として各種人物交流プログラムを実施。また、東日本大震災の継続的な復興支援として、日米間の友好を深め次世代を担う若者たちの育成と交流を促進する「トモダチ・イニシアティブ」を日米両政府と立ち上げ、精力的に活動しています。長年にわたり日本と米国との架け橋となり、両国の人と人をつなぐ上で大きく貢献されています。
なお、全米日系人博物館は1999年度国際交流基金賞奨励賞を受賞されています。

受賞者と国際交流基金のかかわり

同氏が代表を務める米日カウンシル、および初代館長を務められた全米日系人博物館は、さまざまな事業で支援や協力関係にあります。
全米日系人博物館は1999年の国際交流奨励賞の受賞者であるほか、全米日系人博物館が実施した日系アメリカ人の歴史や文化への理解を促進するための教材開発やワークショップを行うプロジェクトに対し、当基金より助成を行っています。
また、米国日系人社会と日本をつなぐ交流事業として、同氏が中心となり、外務省との共催により2000年度から実施されている「日系アメリカ人リーダー訪日招聘プログラム 」では、同プログラムの一環として当基金日米センターが米日カウンシルと共催する公開シンポジウムにコーディネーターとしてもご協力いただいています。(「震災復興から日本再生へ:明日を拓く市民社会」 (2011年度)など)

What We Do事業内容を知る