JFサポーターズクラブ 2007年6月のイベント報告 第2部


NIPPON CONNECTIONの画像


NIPPON CONNECTION成功への布石

会場の写真1
熱気に包まれる会場

NIPPON CONNECTIONに参加された平沢剛さんのお話を、再構成してお届けします。
<<第1部はこちら>>

80年代後半からヨーロッパでは、日本のアニメ、マンガといったサブカルチャーへの関心が高まりを見せました。これをリードしたのが大友克洋の漫画「AKIRA」。国際版の出版と、アニメ映画が海外でもヒットして、大きなインパクトを与えました。

これと時を同じくして1989年以降、北野武、塚本晋也など、世界的に知られるようになる監督が輩出、それに続く人材も次々に現れ、日本映画ブームが定着していきます。こうした日本映画の世界的な盛り上がりを背景として、NIPPON CONNECTIONが生まれました。


映画を愛する人たちが育てたNIPPON CONNECTION


日本映画が好きな学生が集まって始めた同好会的なNIPPON CONNECTIONですが、やがて運営スタッフに日本留学を経験したヨーロッパ出身の映画研究者が加わり、日本の映画研究者とのつながりも生まれて、海外であまり知られていない専門的な日本映画も紹介されるようになります。

日本の映画関係者のあいだでも、NIPPON CONNECTIONが日本映画を自主的に応援してくれる映画祭だという認識が生まれ、知名度がアップしていきました。それとともに日本の映画関係者に、みんなでこれを応援しようという気運が高まってきたのです。

平沢さん自身は、日本に留学していたプログラマーの1人と研究会などで顔なじみとなり、NIPPON CONNECTIONに関わるようになりました。

この映画祭のすばらしいところは、運営に関わるスタッフ全員がボランティアで、みんなでフェスティバルを支えている点です。プログラマーも通訳もボランティア。日本語が話せるドイツ人、ドイツ在住の日本人を中心に、日本に関心のある人たちが集まってつくりあげています。

日本からは、ゲストとして招待される人以外にも、監督や俳優・関係者が、NIPPON CONNECTIONにやってきます。彼らはこの映画祭を応援するために、自費でやってくるのです。その数は40~50人にのぼります。
このようにNIPPON CONNECTIONは、日本映画を愛する人たちみんなで育ててきた映画祭です。

他の国際映画祭にはないNIPPON CONNECTIONの魅力

会場の写真2
上映の合間に交流を楽しむ人々

国際的に知られている著名で大きな映画祭と一線を画するNIPPON CONNECTIONの魅力は、映画ファンを大切にする点にあります。それは上映される映画の多様性からも見てとれます。作家主義、芸術主義に偏らず、日本でヒットした大衆的なものや商業映画もとりいれるというアプローチが、この映画祭の特徴です。

また、参加者同士の交流が活発におこなわれることも特徴的です。いろいろな監督が集まり、有名、無名を問わず誰もが、映画について論じ合うことのできる雰囲気があります。20歳前後の若手監督が、ヨーロッパでよく知られている評論家を相手に議論するといった場面もありました。日本では実現しないようなエキサイティングな議論ができる、ほかの映画祭では経験できない交流が実現する、そんなことが映画関係者にとってのNIPPON CONNECTIONの大きな魅力となっています。

このような魅力が、ヨーロッパ以外からも日本映画研究者をひきつけています。

米国・カナダを中心とする英語圏の日本映画研究者の学会であるキネマクラブは、2007年の学会を、NIPPON CONNECTIONにあわせて開催しました。米国の大学に属する日本映画研究者が中心となって設立されたこの学会は、ヨーロッパとの交流は今まで、英語圏内ほど盛んではなかったのですが、NIPPON CONNECTIONを接点に交流が実現。映画を研究する人なら誰でも発表できるとあって、毎日充実したプログラムが繰り広げられました。
平沢さんはじめ研究者たちは、午前中はキネマクラブの学会、午後から夜にかけてNIPPON CONNECTIONの上映会やイベントと、ハードスケジュールながら密度の濃い交流の時間を持ちました。


フランクフルトから世界へ発展するNIPPON CONNECTION


今年7回目を迎えたNIPPON CONNECTIONは、海外のメジャーな映画祭ではないものの、関係者の間では周知の存在となり、配給会社、DVD制作販売会社などが情報収集にやってくるようになりました。フィルムマーケットはありませんが、上映された映画に商談が舞い込むこともあります。日本映画に関わるさまざまな人々の交流の場として、NIPPON CONNECTIONはさらなる発展が期待されます。

NIPPON CONNECTIONで上映された作品を厳選し、規模を小さくして各地を巡回することも始まっています。例えばオランダでは、DEJIMA、CAMERA JAPANという2つの映画祭で、NIPPON CONNECTIONのオランダ版が上映されました。米国・ニューヨークでは2007年7月、ジャパン・ソサエティ100周年記念事業の一環として開催される日本映画祭JAPAN CUTSのなかで、NIPPON CONNECTIONFESTIVAL on TOURと銘打って短編映画を上映する予定です。



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