JFサポーターズクラブ 2008年9月のイベント報告 芸術による、元紛争地の子どもたちの心のケア 〜インドネシア・アチェ〜

JFサポーターズクラブ9月のイベント報告
芸術による、元紛争地の子どもたちの心のケア ~インドネシア・アチェ~

9月17日 水曜日にJFサポーターズクラブ9月のイベントを行ないました。演劇専門家の花崎攝さんと、アジア・大洋州課の麦谷真理子職員に今年8月にインドネシアのアチェで行なったワークショップ「アチェ子ども会議」 についてお話いただきました。

  • 花崎氏と麦谷職員の写真
    花崎さん(右)と麦谷職員
  • バンダ・アチェ地図画像
    実施地はインドネシア スマトラ島の北端の都市、
    バンダ・アチェから約300キロ車で10時間の山間地帯

アチェの位置付け

インドネシアのアチェでは、独立を求める武装勢力(「独立アチェ運動」(インドネシア語でGAM ガム)とインドネシア政府との間の紛争が30年にわたって続き、地域住民は多大の被害に苦しんできました。

2004年12月のスマトラ沖地震の甚大な被害を契機に、和平への機運が高まり、2005年8月15日に和平合意が成立しました。緊急性の高い地震・津波被害への支援の後に必要とされたのは、紛争被害にあった特に若い世代の精神的なケアであると考え、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は芸術・文化による元紛争地の復興支援事業として、2007年4月に「アチェの子どもたちと創る演劇ワークショップ」を、アチェのNGOコミュニタス・ティカール・パンダンと共催で実施しました。

JFサポーターズクラブイベントの写真
たくさんの方にご参加いただきました

前回のワークショップ

若い世代の紛争被害としては、まず直接的には自身が暴力被害にあう、家族・親戚・知人が殺害されるまたは暴力被害にあう、家屋が焼き討ちにあうなどがあげられます。また間接的な被害としては、銃撃戦の恐怖、治安悪化による日常生活の制限(通学困難、他地域との交流・交友の経験僅少、食糧事情の悪化)及びそれらに全てに起因する精神的ストレスによる情緒の不安定化があります。

前回のワークショップには、紛争被害の経験を持つ中学生・高校生30名(中アチェ県、北アチェ県、ピディ県から各10名)が寝食をともにして、精神面・心理面での被害回復に不可欠な「自分自身を誇りに思う気持ち」、「他人への信頼感」を取り戻すべく、「アチェの未来について」をテーマに話し合い、それを演劇として表現しました。

アチェ子ども会議の写真
進学などで都合がつかなった5名を除く25名が参加しました

今回の「アチェ子ども会議」

今回は、そのフォローアップ事業として、2008年8月16日から20日の5日間に渡り、「アチェ子ども会議」を開催しました。参加者は前回ワークショップに参加した生徒を再度招集し、前回参加の30名のうち25名が参加しました。

前回のワークショップでの経験を各村に持ち帰って日常生活に戻って1年余りが過ぎた子どもたちが、自身と周囲の人々にどんな変化があったのかだけでなく、グループワークを通じて紛争時を振り返り、将来の平和維持のために必要なことをディスカッションしました。また、それらを詩の創作・朗読、演劇の制作、歌・踊りなどの形で発表しました。

ジャパンファウンデーションとしては、「芸術・文化による、元紛争地の子どもたちの心のケア」という当初企図でこのプロジェクトを始めましたが、2007年4月の第1回ワークショップの時点では、まだ紛争について直接的に主題として扱うことを避けざるを得ない状況でした。

その理由は、生まれて以来ずっと紛争下で成長した彼らの心理状態が、予想以上に不安定だったためです。実際、村から出るのも初めて、外国人に会うのも初めてという女の子たちのグループが「家に帰りたい」と訴える場面も昨年は見られました。しかし、今回は、参加者同士がすでに友人関係を構築しており、また和平合意からちょうど3年のタイミングで紛争を振り返ることができる状況になりつつあると判断し、紛争についても触れることができました。

アチェ子ども会議の日程

2008年8月
16日(土)
参加者集合、開会式
17日(日) 参加者集合、開会式
近隣の伝統建築見学
グループ活動 (1): 見学地の地図作り
グループ活動 (2): 自分たちの村の地図を描く
18日(月・祝) グループ活動 (3): 自分たちの村について詩を書く
(テーマ:村の現在、過去、未来)
翌日の文化祭の準備
19日(火) 文化祭
20日(水) ふりかえり、解散

アチェのNGOコミュニタス・ティカール・パンダンの写真
現地のカウンターパート、アチェのNGOコミュニタス・ティカール・パンダン

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