JFサポーターズクラブ 2008年9月のイベント報告 3 芸術による、元紛争地の子どもたちの心のケア 〜インドネシア・アチェ〜

 

JFサポーターズクラブ9月のイベント報告
芸術による、元紛争地の子どもたちの心のケア ~インドネシア・アチェ~

 

子どもたちの創作した劇の写真

子どもたちの創作した劇。
地元の演劇グループや関係者も文化祭に来て盛況でした(日中のリハーサルのようす)

文化祭を地域で発表

18日の午後には、翌19日に地域の住民を招いて行なわれる文化祭の準備を始めました。何を発表するかも含めて、子どもたちだけでディスカッションをして演目を決めました。大人の介入なしに、いろんな人の意見を聞きながら一つの合意に達するというプロセスをここで学びました。ディスカッションの結果、演劇、お祈り、詩や歌の朗誦、踊りなどの演目が決まり、グループに分かれて練習を始めました。

演劇作品は、「奨学金を得て都市の上級学校に進学にする」という主筋に、思春期の中高生が一番関心のある恋愛物語を盛り込んで、違う民族(エスニシティ)-具体的にはアチェのガヨ族の女子と、北スマトラのバタック族の男子-がほのかに気持ちを通じ合わせて、一緒にメダン(スマトラ島最大の都市)に進学したいのに親に反対され、親同士も反目しあう、でもそれを村の長老の仲裁で解決するというストーリーを創作しました。

一見ありがちなテーマですが、異なる民族間同士の融和、違う価値観への寛容など、アチェの平和維持に不可欠な「多民族の社会の中で一緒にやっていこう」というメッセージを含む劇に仕上がっており、彼らの思いが伝わる内容でした。また、自発的にこのような創作に結びついたことで、前回のワークショップと今回の「子ども会議」での子どもたちの成長振りも大きく実感されました。

 

19日の夜に行なわれた文化祭は50名ほどの地域住民が観覧してくれましたが、笑いあり涙ありの迫真の演技で披露された演劇が大好評だったほか、伝統的な歌や踊りを披露したり、大人顔負けの朗々たるコーランの暗誦などなど、全ての子どもたちが自分の得意な分野で力を発揮することができました。たった一日の準備で30分近い時間の劇を仕上げたことは特筆に価すると思います。

 

JFサポーターズクラブイベントの写真

たくさんの方にご参加いただきました

今後の活動へ向けて

最終日の20日には、5日間の内容を総括するセッションを行ないました。参加した子どもたち一人ひとりに、自分自身と他の友達の参加態度やコミットメント、もっと改善したいところ、よくできたと思うところなどを書いてもらい、主だったものを全員で共有しました。

ファシリテーターを務めた花崎さんの次回へ向けての反省点としては、「子どもたちに任せる部分を多くしたが、もう少しきめ細かくサポートをすればより良かったかもしれない」、「開催地のタケゴンの人たちとの交流の時間をもっと取れるとよかった」、「どうしても男の子が発言することが多くなってしまうので、女の子へのサポートを意識的に行なうべき」という3点を挙げられました。

 

ワークショップの写真

カードを使って5日間を振り返る子どもたち

中長期的には、次世代を担う子どもたちのエンパワーメントに主眼を置き、参加した子どもらに「自身の感情を表現する」「他人の意見を尊重する」「多様な意見があることを受け止める」「共同で作業を行なう」などを学ぶ機会を提供することで、紛争終結後のもっとも困難なプロセス、すなわち「平和維持に不可欠な信頼感の醸成」に資する事業として、発展させたいと考えています。

具体的には、2009年に新規生徒を募集してもう一度ワークショップの開催が予定されています。そこで事業として内容を完成させ、それ以降は現地NGOにバトンタッチし、ジャパンファウンデーションは現地の主体的な取り組みを支援する側に回る予定です。

 

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