JFサポーターズクラブ10月のイベント報告 -3-

 

2008年度 国際交流基金賞 日本語部門 受賞記念 
アンジェラ・ホンドゥル氏講演会 「日本との出会い」

 

日本で獅子舞の稽古に参加するヒペリオン大学の学生の写真

日本で獅子舞の稽古に参加するヒペリオン大学の学生

民俗学への興味

ホンドゥルさんは翻訳が大好きですが、それ以上に魅力を感じるのは民俗学だそうです。ホンドゥルさんの大叔父の一人が民俗学の専門家で、小さいころによく民俗学についての話をしてくれたり、フィールドワークに連れて行ってくれたりしたのだそうです。このことから大いに興味を持つに至りました。ホンドゥルさんが大学を卒業して、子供を生んで育てていた頃、大叔父から、「一緒に民俗学の研究をして、本を書かないか」と誘われましたが、当時は日本語や日本文化に興味があり、「時間がないため、少し待ってほしい」と、大叔父に頼みました。「いつか一緒に約束を果たそう」、とずっと思ってきて、大叔父はもうこの世にはいませんが、ホンドゥルさんはこの約束を日本の民俗学の研究で果たし、さらに比較研究にも大変興味を持ち、研究の幅を広げました。

ジャパンファウンデーションのフェローシップで、2000年7月から2001年1月にかけて、指導教官の奥西教授のご紹介で地方の祭りを直接見学するフィールドワークをすることができました。祭りでは、文化のグローバリゼーション化の影響にもかかわらず、古い伝統的な儀式が残っていることを確認しました。

 

教え子・友人に囲まれるホンドゥル氏の写真

教え子・友人に囲まれるホンドゥルさん

ホンドゥルさんは「日本は近代化された国ですが、まだまだ伝統的な精神や価値観が残っていることを、各地の祭りを見て確信しました。日本の古い歴史は、神社の中だけでなく、街の通りの片隅においても、その片鱗を目にすることができます。私が感動したのは、実際の光景だけでなく、今日でも伝統的な文化や精神的価値観が日本人の心の中に宿っていることです。日本人と共にその精神的な価値観を感ずることができたことは、その時の私の大きな喜びでもありました。」と語りました。帰りの飛行機の中で、これらの祭りについての著作の概要を練り上げ、帰ってから3カ月ぐらいで『日本の祭り-生きている伝統』というタイトルで本を出版されました。

 

懇親会の写真

懇親会では、飲み物とケーキを片手に語り合いました

日本への愛

ホンドゥルさんは、日本語を勉強し始める前に結婚し、その時、一生、英語の教師と主婦としての生活が続くものだと思っていましたが、実際にはたった数年しか続きませんでした。離婚して、日本と出会い、日本文化と恋に落ちました。「日本文化との結婚生活もせいぜい数年だろうと思っていたのですが、一生続いてしまったわけです。私と日本文化の間の愛はより強かったのだと思います。」と話されました。

日本語や日本文化について教えること、日本語の教科書を作ること、日本文学の翻訳をすること、日本の伝統的な文化を紹介することが大好きで、「役に立つとともに、満足感を得ることができた」とホンドゥルさんはおっしゃいます。今回の日本語部門における国際交流基金賞の受賞を励みとして、今後、もっともっと日本語や日本文学の翻訳ならびに日本の伝統の研究に邁進したいと語られました。

会場には、恩師である津嶋大使ご夫妻やヒペリオン大学の教え子の姿も見られ、質疑応答にもたくさんの質問が挙がりました。「ルーマニアの日本語の母」と呼ばれているホンドゥルさんの温かいお人柄がよくわかる、和やかな講演会となりました。

 

 

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