JFサポーターズクラブ7月のイベント報告 世界で舞台をつくる 舞台美術家 金井勇一郎氏講演会 3

 

世界で舞台をつくる
舞台美術家 金井勇一郎氏講演会 

 

7月18日に、JFサポーターズクラブ7月のイベントを行いました。今回は舞台美術家の金井勇一郎さんに、「世界で舞台をつくる」と題して、海外公演での舞台作りについてご講演いただきました。

 

ミラーを効果的に使った舞台の写真

ミラーを効果的に使った舞台
撮影:金井勇一郎

NINAGAWA 十二夜』の舞台美術をやるうえで、蜷川さんからの注文はふたつだけでした。「ミラーを使ってほしい」ということと、「歌舞伎の基本を壊さないでほしい」ということでした。歌舞伎の基本、というのは何が基本なのか、非常に難しい注文だと思いましたね。ミラーに関しては、この写真を見ていただくとわかるとおり、ミラーに舞台の橋や花が映りこんで、奥行きが出る、こういう演出です。この太鼓橋は実際には2つですが、もっとたくさん架かっているように見えますね。花道から役者が来ても、ミラーに映って奥から来たように見えたりして、なかなか面白い効果が出せたと思います。

 

『NINAGAWA 十二夜』の舞台の写真

NINAGAWA 十二夜』の舞台の一場面

NINAGAWA 十二夜』は全部で14の場面があります。そのひとつひとつを模型で作ってプレゼンテーションをしましたが、「イメージが違う」と言われて変えたものもいくつかあります。例えば廊下の場面ですが、「これはただの廊下で、殺風景すぎる」と言われて、作り直しました。

海外公演では、どこでも大体そうなのですが、初日は現地のスポンサーなどがお客さんとして来ていて、2日目から評判などを聞いて、地元の人たちが増えてきます。海外公演でも、日本公演でも、幕を開けるには何百人という人の力が必要です。そんなことをちょっと知って舞台を観ていただければ、また見方が変わるのではないかと思います。

 

交流会で参加者と話をする金井さんの写真

交流会で参加者と話をする金井さん

講演の後で、『NINAGAWA 十二夜』と平成中村座の公演の映像を見ることができました。その後、会場からの質問に答えていただき、交流会では自由に参加者の人と話していただく時間を設けました。

「海外の公演ではいろいろ苦労もあると思うのですが、一番大変だったことは何ですか?」という会場の方からの質問に対して、「苦労と思ったことはありません。無理難題だと思われる注文が来ることもあるのですが、そこはプロとして『できません』というのではなくて、まず『考えてみます』といって受けとめる。そうすると、向こうから『やっぱりこれは無理だね』と言ってくることもあるし、何とかできることもあります」と金井さんはおっしゃっていました。

苦労だと思えば何でも苦労になってしまうのでしょうが「苦労はありません」と言い切る金井さんにプロフェッショナルの姿を見た思いがしました。 金井さん、貴重なお話をありがとうございました。参加してくださったみなさまも、本当にありがとうございました。

 

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