タイの最新映画事情2


ジャパンファウンデーション海外長期研修員として
タイのチェラロンコーン大学大学院に在籍中の吉岡職員より、映画情報が届きました。
2007年新春の話題作を2本ご紹介します。


『ファイナル・スコア』の写真1
『ファイナル・スコア』より
タイ版共通一次試験の様子 © Gmm Thai Hub

『ファイナル・スコア(仮邦題)』(英題:Final Score
タイ版ドラゴン桜?!>
大学受験を控えた高校生の365日を追った異色のドキュメンタリー。
親との葛藤、先生へのプチ反抗、淡い恋。そして迎える合格発表の日。
見ているあなたも一緒に、ハラハラ、ドキドキ。
(オフィシャルサイト(タイ語のみ):http://www.finalscorethemovie.com/)

覚えていますか? 人生で最も一所懸命だった、あの頃のことを
吉岡 憲彦(よしおか のりひこ)

ドキュメンタリー映画がタイで劇場公開されるのは、これが初めてではない。2005年には、『マッハ!』(03)や『トム・ヤム・クン!』(05)のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督プロデュースによるドキュメンタリー映画『虎は泣いている(仮邦題)』(英題:Crying Tiger)がサハモンコン・フィルム社の配給により劇場公開されているし、日本でも自主上映会などでおなじみの、ニサー・コンスィと女優のアリヤー・チュムサーイ(ポップ)の二人の女性監督によるドキュメンタリー『デック~子どもたちは海を見る~』(05)も、単館ではあるが、劇場で上映された。最近では、2006年12月に、ナイキの依頼により、『地球で最後のふたり』(03)、『インビジブル・ウェーブ』(06)のペンエーグ・ラッタナルアーン監督による空き地サッカーのドキュメンタリー『トータル・バンコク(仮邦題)』(英題:Total Bangkok)が、単独の映画としてではないが、劇場公開されている。
そういう意味では、ドキュメンタリー映画の劇場公開自体は驚くことではないのだが、興味深いのは、GMMグラミーフィルム社(音楽芸能最大手プロダクション傘下)、Tai Entertainment社、Hub-Ho-Hin社という、それぞれ独立していても強力な会社の合併によって設立された超大手のGTH社が、このドキュメンタリー映画『ファイナル・スコア』に資金を提供し、配給を受け持ったという事実である。

『ファイナル・スコア』の写真2
『ファイナル・スコア』より © Gmm Thai Hub

GTH社といえば、『フェーンチャン ぼくの恋人』(03)、『親友』(05)、『シーズンズ・チェンジ(仮邦題)』(英題:Seasons Change)(06)など、若者をターゲットにした「Feel Good」な劇映画でタイ映画界をリードする映画制作・配給会社である。そんな映画会社が、なにゆえ、あえて興行的にリスクの高いとされるドキュメンタリー映画に挑戦したのだろうか。

今回、幸いにも、監督であるソーラヤー・ナーカスワンさんに会ってインタビューすることができたので、以下、そのやり取り(抜粋)を紹介しよう(Q:筆者、A:ソーラヤー監督)。ソーラヤー監督は、チュラロンコーン大学コミュニケーション・アーツ学科映画専攻の卒業制作でドキュメンタリー映画『アメージング・タイランド(仮邦題)』(英題:Amazing Thailand)(98/第2回タイ短編映画・ビデオ祭準白象賞受賞)を発表したあと、ロンドン大学に留学。修士課程、博士課程(中退)と進んだあとタイに帰国し、2つほど映画制作を手伝ったのちに本作を撮り始めたのだという。まだ若い女性の監督である。


ソーラヤー・ナーカスワンさんのインタビューに続く

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