出生率が映し出す各国のワーク・ファミリー・バランス

3人家族の写真
少子化は多くの国々で政策課題となっている

2007年5月26日、ジャパンファウンデーション東京本部の国際会議場で、『少子化とワークライフ・ファミリーバランス:世界と日本』という公開シンポジウムが開催されました。(ジャパンファウンデーション日米センター及び米国社会科学研究評議会(SSRC)の共催)

全体のまとめ役はシカゴ大学ハンナ・ホルボーン・グレイ記念特別社会学教授の山口一男氏。米国、英国、日本から、この問題の専門家がプレゼンターとして集いました。いずれも、それぞれの国で政策決定に影響力を及ぼすような発言のできる、世界トップクラスの研究者です。

世界の重要課題解決への貢献を目指す日米センターと安倍フェローシップ

シンポジウム参加メンバーの画像
シンポジウム参加メンバー 撮影:高木あつ子

ここで日米センター について少しご説明しましょう。日米センターは、世界が共通に直面している重要課題について米国と協調しつつ世界に貢献することを目指して、ジャパンファウンデーションの中に設立されました。



CGP(国際交流基金日米センター) CGP

日米センターの構想を推進したのは、安倍晋太郎元外務大臣でした。そこで氏のイニシアティブを記念し、日米センターの中核事業である研究奨学金プログラムを「安倍フェローシップ」と呼んでいます。

「安倍フェローシップ」 は、現代における地球規模である問題に関する調査研究の増進、日米間や世界の知的交流を担う人材の育成、社会科学や人文科学の研究者の育成と、そのネットワーク作りを目的としています。


安部フェローシップ 安部フェローシップの写真

今回のシンポジウムでまとめ役を務めた山口一男教授は、2000年度の安倍フェローです。(研究テーマは「就業経験と職業キャリアのパターンの歴史的変化の決定要因:日米比較」)
今回のシンポジウムは、日米センターの役割と安倍フェローシップの働きを知っていただく好例です。

少子化は、世界の先進国にとって重要課題

少子化問題は、労働力、年金問題などと密接につながっているため、どの国においても避けて通れない重要課題です。先進国においては、ワーク・ファミリー・バランス(仕事と家庭の調和)が取れないと、少子化が進む傾向があるようです。今回のシンポジウムに集ったのは、これを実証的に研究し、少子化問題解決のための政策を議論してきた、米国、英国、日本の第一人者たちです。

まとめ役の山口教授は東京大学の数学科出身。総理府統計局に勤務した後、シカゴ大学で社会学の修士号と博士号を取得しています。数学科出身の強みを生かし、社会統計学の分野で世界的に活躍する山口教授は、米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立科学財団(NSF)の常任審査員を歴任するなど、米国のアドバイザー的な立場におられます。日本でも、経済産業研究所の客員研究員を務めるなど、米国と日本を拠点に、世界のワーク・ファミリー・バランスを研究し、提言を行っています。


山口教授が最近発表した日本に関する分析『夫婦関係満足度とワーク・ファミリー・バランス』は、「夫の収入が10万円減った場合に低下する夫婦関係満足度は、平日の会話を16分増やすことによって補うことができる 」とメディアでも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いことと思います。

山口一男教授
まとめ役の山口一男教授
撮影:高木あつ子


ページトップへ戻る