J.S.バッハを図解して新しいビジョンをみせるスロベニアの文化人ミハ・ポガチニック氏

ジャパンファウンデーション招へい文化人の一人である
Miha POGACNIC(ミハ・ポガチニック)氏によるミュージックセッションが、
JFICコモンズで開催されました。

(このセッションは関係者のみに公開されました)

ミハ・ポガチニック氏の写真

ミハ・ポガチニック氏

ミハ氏は1949年スロベニア生まれ。バイオリニストであり、Institute for the Development of Intercultural Relations through the Arts (IDRIART)代表、スロベニア共和国文化大使でもあります。
同氏のテーマである「音楽・芸術の現代社会への役割・貢献」についてより多くの理解を求め、同様のコンセプトを持って活動している組織との交流、人脈形成の促進を行なうことを目的として、今回の来日が実現しました。

J.S.バッハ 『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』を題材にした彼のミュージックセッションは実にユニークです。
バッハのような音楽の天才なら無意識にやってのけることを、私たちは意識しつつ検証しなければならないということで、ミハ氏はこの作品を詳細に分析します。カラフルな色を使って、ホワイトボード上で図解してみせる様子は、まるでポップアートを描いているようです。

「バッハの音楽は、一本調子に安定した構造が続いていくわけではない。不協和音があり、探索のときがある。下降することもあれば上昇することもあり、エネルギーが滞る時があれば、新しいエネルギーがあふれるときもある。拡張のときと収縮のときがあり、すべてを解き放って、悟りを得るときもある。チャレンジが求められるとき、必ずそれに冷や水を掛けるような動きが現れる。」ミハ氏の解説を聞きながら私たちは、バッハの作品が、人生や、企業経営や、社会と関連性をもっていることに気づきはじめます。私たちの創造力の源となり、私たちに今まで気づかなかったビジョンを与えてくれる何かだと意識するようになるのです。こうして、音楽を聴くことが、今までとまったく違った体験に思えてきます。ミハ氏は、「試練を経たものこそ、ビジョンをつかむことができる」、そして「危機的状況が生じた場合にこそ、芸術の出番なのだ」と強調します。
ミュージックセッションの写真1

ミハ氏は、企業に招かれてセッションを行うことも多いそうです。IBM、ポルシェなどのグローバル企業から依頼を受け、セッションを実施した経験があります。その場合は事前に、対象企業について詳細なブリーフィングを受けるそうです。企業は変革を試みようとするとき、彼の手助けを求めることが多いといいます。そこで彼は、変革の戦略がよくわかるような音楽を選んでセッションを開催するそうです。受講者はセッションを通じて、感情的知性(emotional intelligence)を研ぎ澄ますことができ、セッション後の報告会では、企業変革のための新しいアイデアが、どんどん出るようになるということです。

ミュージックセッションの写真2

ジャパンファウンデーションの人物交流、文化協力事業について

日本に対する共感と理解を深めるため、日本から海外に専門家を送り出し、日本の文化やスポーツ等を紹介する『文化人派遣』。海外の文化人やグループを日本に招いて、総合的な日本理解と交流促進を図る『文化人招へい』。海外の文化財保存や文化諸分野の人材育成のための専門家派遣や招へいなど、ジャパンファウンデーションでは、さまざまな人物交流事業をおこなっています。

最近の文化人派遣
日本のアニメーション文化を紹介するため、2006年5月2日にチュニジアで開催された「日本アニメ映画の日」に、アニメーション作家で監督である高畑勲氏を派遣しました。高畑氏の監督作品には『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』などがあります。

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