ASIA5 × Doreme ジャールパット・アーチャワサミット(タイ)

 

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アジアから発信するトレンドファッションで知る アジアの今 日本のこれから ASIA 5 Doreme

 

ジャールパット・アーチャワサミット氏作品の写真1

©高木あつ子

◆ジャールパット・アーチャワサミット氏(タイ)

ジャールパットさんの作品は、使用する生地のデザインに特徴があります。生成りのシンプルな綿素材ですが、織り方で表面に模様が浮かび上がり、陰影ができ、いろいろな表情を見せます。デザインはふんわりしたシルエット。着る人が優しくつつまれている感じがします。

「赤ちゃんが生まれたら、白いオムツでくるむでしょ。人間が死んだときも、遺体を覆うのは白い布です。人間が生きている間は魂と体はひとつだけれど、その人が死んでしまうと、魂は肉体から離れていく。その魂の状態を、この白い生地で表現したいと思ったのです。私は2ヶ月前に父を亡くしました。その経験が、この作品を生み出す契機となっています。父の魂は滅びた体から離れて、今では私のそばにいるような気がしています。」

 

ジャールパット・アーチャワサミット氏作品の写真2

©高木あつ子

私がジャールパットさんの作品を見た時、最初に頭に浮かんだのは龍安寺の石庭でした。そのことを彼女に告げるとうれしそうな表情を見せ、
「私は仏教徒ですが、1998年からは禅の哲学も勉強しているんです。作品にそれが反映しているといわれるのはとてもうれしい。」
と語ってくれました。

彼女にとって今回は初めての来日。
「日本については漫画、テレビ番組、映画などで以前からよく知っていました。あこがれの国でした。村上春樹の『ノルウェイの森』も愛読しています。でも日本に来てわかったのは、日本には伝統的な文化がしっかりあって、それが土台となってコンテンポラリーなものにつながっているということ。日本のミュージアムを見学して、そのことを実感しました。」

 

 

ジャールパット・アーチャワサミット氏作品の写真3

©高木あつ子

彼女が日本でどうしても会いたかったアーティストがいます。
テキスタイルプランナーとして世界的に有名な新井淳一さんです。三宅一生や川久保玲がパリコレに登場したとき、強力なバックアップとなったのが、新井氏のテキスタイルでした。新井氏は絹織物の産地として有名な桐生で生まれ、ここを基盤に創作活動を続けています。ジャールパットさんら5名は、桐生にある新井氏の工房を訪ね、その創作哲学、若手の育成方法から、多くを学んだといいます。ジャールパットさんは、今回の日本訪問で得た経験を、今後の自分の作品にどんどん取り入れていきたいと、目を輝かせていました。

 

 

 

 

 

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