ホームレス・アート国際フェスティバル

ロンドンで開催されるホームレス・アート国際フェスティバルに大阪あいりん地区のホームレス経験者らが参加

「ホームレス」と「アート」

「むすび」のメンバーの写真
ホームレス・アート国際フェスティバルに
参加する「むすび」のメンバー

一見もっとも距離がありそうに思えるこの2つ。しかし実のところ、アートは非常に身近なものである。特にホームレスの自立支援が進んでいる英国では・・・。

ロンドンの友人から、ホームレス支援をしているチャリティー団体で、クリスマス休暇にボランティアをした経験を聞いたことがある。 「テムズ川の南に大きなテントを張って、クリスマスにも行き場所がないホームレスの人々に、温かい食べ物と寝る場所を提供する。シャワーを浴び、スポンサーが提供してくれたこざっぱりした服や靴に着替えることで社会復帰の手伝いをする。そんなプログラムの中にアートがある。ホームレスの人々は、クリスマスの間にポエム(詩)を作った。それぞれの作品が紙に美しくしたためられ、ミーティングルームの壁に貼られていた。アルコール依存症が原因でホームレスになった高齢の女性が、「これが私の作品」と、ひとつの詩を指さした。「すてきな詩ですね。」というと、喜んだ彼女はそれを別の紙にていねいに書き写し、うれしそうに手渡してくれた。ホームレスの人々との距離が一気に縮まった瞬間だった。」 アートはその作品やパフォーマンスへの共感を通じて、人と人とを結び付ける。私たちがそれぞれ豊かな個性をもった人間であるということに気づかせてくれる。そして社会の片隅で生きるホームレスや障害者、ニートと言った社会的弱者の問題を、特別な個人の問題ではなく、私たちの社会の問題として気付くきっかけを与えてくれる。 ホームレスの人たちにとっても、表現手段を得たことにより、自分の思いを外に出すことができる。「アート」が人生を前向きに生きるきっかけとなることもある。

「紙芝居パフォーマンス」も「アート」

日雇い労働者の町として全国的に知られる大阪の「あいりん地区」では、紙芝居を上演するというパフォーマンスのなかに、自分の生きる意義を見出した高齢者のグループがある。「むすび」という名のこのグループは、メンバーのほとんどがホームレス経験者、そして全員が生活保護受給者である。 「むすび」について

http://musubiproj.exblog.jp/i2
「むすび」の活動を支援しているNPO法人こえとことばとこころの部屋(COCOROOM)について

http://www.cocoroom.org/
「むすび」が英国に渡り、ホームレス・アート国際フェスティバルに参加することになった。アートをきっかけに、英国をはじめとする各国のホームレスおよびホームレス体験者が交流し、その支援団体も巻き込んだ対話を実現することによって、市民団体同士の世界的ネットワーク構築をめざす、はじめての国際フェスティバルである。
一般の人々はこのフェスティバルでアートを純粋に楽しむことにより、社会的弱者である人々の問題に目を向け、自分たちの社会の問題として考えていくきっかけとなる。

「むすび」の紙芝居上演の写真
「むすび」の紙芝居上演のようす。
お面をつけ、役になりきる。

ジャパンファウンデーションでは、「むすび」の出演者をはじめ野宿生活詩人、NPO法人COCOROOMの方々がホームレス・アート国際フェスティバルに参加し、世界の人々との交流と対話を深めていただけるよう、市民青少年交流助成プログラムにより経費の一部を支援している。このフェスティバル参加によって、英国をはじめ参加各国の方々と意見を交換し、今後の活動の弾みとしていただければと考える。
(情報センター)

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