国際交流基金日本語国際センターの活動

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)日本語国際センターの活動

海外日本語教師上級研修

チッチッミィンさん・陳さん・清水さん・フエーさんの写真
研修に参加したチッチッミィンさん・陳さん・清水さん・フエーさん

日本語国際センターでは、海外のさまざまな機関で活躍する日本語教師の研修を行っています。中でも国・地域レベルで日本語教育の分野で指導的な役割を果たしている教師、または将来指導的な役割を果たすと期待されている教師を対象にした高レベルの研修が、「海外日本語教師上級研修」です。
2カ月に及ぶ研修の修了式が、先日日本語国際センターで行われました。

この研修では、各人が具体的なプロジェクトを携えて日本にやってきます。研修参加者は専任講師の手を借りながら、そのプロジェクトを練り上げていきます。それぞれ別のプロジェクトを抱えている参加者同士の議論も、個々のプロジェクトを深化させるのに役立ちます。こうして2カ月の間に得られた成果を、参加者はそれぞれの国に帰ってからさらに発展させ、研究論文、教材などに結実させていくそうです。日本語国際センターの専任講師は、このプロセスにも引き続き指導と助言を行っていきます。

参加者にとって修了式は、最終到達点ではなく、次の目標に向かってスタートする一里塚のようなものです。

高宇さんの写真
研修生の高宇さん

中国上海市・甘泉中学所属の陳さんは、高校生対象の第2外国語教育用初級日本語教科書作成を、自分のプロジェクトとしています。中国では2003年から、一部の学校で日本語を第2外国語として教えるようになりました(この場合の第1外国語は英語)。陳さんは、高校から日本語を学び始める生徒のために、日本の高校生の生活や趣味、日本の習慣や行事を教えるような教科書を作りたいと考えています。

スウェーデン王立工科大学に所属する高宇さんは、工学系の大学院生に日本語を教えるためのシラバスづくりに取り組んでいます。日本の大学院と海外の大学院のあいだで、近年相互交流が進んでいます。それをより実効あるものとするため、工学系の学生であっても、日本語を学ぶことは欠かせません。専門分野の研究は英語でできても、研究者同士のコミュニケーションや日常生活に、日本語が必要になってくるからです。東北大学、東京大学などでは、海外の大学と大学院生レベルの交換留学を推進しており、受け入れた留学生に日本語を教えるプログラムを用意しています。今回の高宇さんのプロジェクトも、東北大学および東京大学で留学生に日本語教育をおこなっている講師の先生方の協力を得て進められています。

マレーシアの国際交流基金クアラルンプール日本文化センター所属のラムさんは、これから日本語を使って仕事をする人のための会話教材作成をプロジェクトとしています。名づけて『ホウ・レン・ソウ日本語』。「報告・連絡・相談」に代表される日本の職場の基本を、日本語と一緒に学べる教材をめざしています。

このように日本語国際センターでは、時代の流れや地域に即した日本語教師研修がおこなわれ、日本語を学ぶさまざまな人々を支えています。

日本語国際センターを支える市民の力

石井さんご夫妻と研修参加者のラムさんの写真
石井さんご夫妻と研修参加者のラムさん(中央)

修了式後の歓送会には、今回の研修参加者がお世話になった方々も出席してくださいました。
石井さんご夫妻は、日本語国際センター設立当初からいろいろな研修の参加者のホームステイを受け入れてくださっています。

「現役時代は外国航路の船に乗って世界をまわっていました。退職して『もう海外の人たちと会えないのかな』と思っていたとき、市役所からホームステイ受け入れの依頼を受けました。『それなら今度は海外の人にうちに来てもらおう』と、今まで15人の人々を預かってきました。」と石井さん。

石井さんの奥様はお料理が得意です。受け入れた人の出身国に配慮したメニューを考え、調理してくださっているようで、石井さんのお宅に滞在した人たちからは大好評。それだけではありません。奥様は看護士の資格を持ち、長年実務についていらっしゃいました。ホームステイ中に体調を崩したら、すぐに的確な手当てをうけることができます。

このように地域の人々の力も、日本語国際センターを支えています。

修学旅行の高校生が研修参加中の日本語教師と交流

尾道北高等学校の生徒と交流する日本語教師たちの写真
尾道北高等学校の生徒と交流する日本語教師たち

広島市・尾道北高等学校の生徒5名と先生1名が、修学旅行プログラムの一環として日本語国際センターを訪問、海外日本語教師短期研修で来日している外国人の日本語の先生たちと交流しました。

生徒たちは3つのテーブルに分かれ、日本語教師たちと日本語で語り合いました。
「日本語を話す外国人と会話するのははじめて。」という生徒たちは、準備してきた質問を日本語教師に投げかけていました。
「日本文化で最も魅力的なものは何ですか?」
「日本に来て文化の違いで困ったことはありますか?」
「教えにくい日本語の表現にはどんなものがありますか?」

日本語教師たちのほうも、高校生が何に興味を持っているのか、どんな歌やドラマがはやっているのか、学校生活のようすなど、熱心に質問していました。

日本語国際センターは、日本にいながら、海外の情報や、海外で日本がどう見られているかを知ることのできる貴重な場所です。尾道北高等学校からはここ数年、毎年見学者がやってきます。日本語国際センターの見学を希望する高校生は、将来国際関係の職業を希望する生徒さん方です。短い期間ですがこの日本語国際センターでの滞在が彼らの将来にとって少しでも役に立てばとてもうれしく思います。

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