企画部総合戦略課 安部 健二郎 (平成12年採用、総合人間学部卒)

企画部総合戦略課 安部 健二郎の写真1 外国語や欧米文化に興味を抱き、大学・大学院でロシア文化を専攻後、国際交流基金へ。海外渡航経験はほとんどなかったが、外国語の研鑽を続け、モスクワ(在ロシア日本大使館への出向)、ローマ日本文化会館での駐在を経験。国内では日米センター、企画部にて勤務。

国際交流基金に入ったきっかけ

就職活動に当たり、就職氷河期・人文系院卒・しかも既卒、と一般的にマイナスとされる条件が揃ったなかで「自分はお金儲けにはあまり向いていなさそう」「できれば学んできたことと関係があって、外国とやり取りできる仕事がいい」「自分を受け入れてくれる/自分が役立てるかもしれないところを探そう」と頭をまとめ、候補先を探していきました。

国際交流基金については、ケルン日本文化会館館長と国際交流基金理事を歴任したドイツ文学者の小塩節氏が、ケルン在勤時のことを書いた文章を読んだことがあり、そのことをたまたま思い出して志望したのを覚えています。自分で国際文化交流の現場に立ち会ってみたいという希望も大きかったです。こうして就職説明会に参加したものの、前年の倍率を聞いて「これはムリそうだ」とも思いましたが、「ダメモト」でも受けてみるものだ、と後になって思いました。

担当してきた業務

美術作家の田中功起さん(前列左)によるベネチア・ビエンナーレ日本館展示に関する仕事風景(右奥が筆者)。の写真
美術作家の田中功起さん(前列左)による
ベネチア・ビエンナーレ日本館展示に関する
仕事風景(右奥が筆者)。(Photo: Keizo Kioku)

2回の海外勤務を経て、現在5つ目の部署におります。 最初は日米センターにて、「地域・草の根」分野の日米交流事業に対する助成プログラム等を担当しました。その後、外務省への出向を拝命し、モスクワの在ロシア日本大使館(広報文化部)で、国際交流基金のプログラムの運営(日本語や日本研究に関わるプログラム等)を約3年間担当しました。

帰国後は企画部で、東南アジア・南アジア・大洋州担当として、4年半、地域別方針や事業実績のとりまとめに携わったのち、イタリアのローマ日本文化会館に異動となりました。

ローマ日本文化会館では、約4年の間、文化芸術、日本語、日本研究・知的交流のほぼ全ての分野の事業に加え、総務・経理等、会館の維持管理全般を経験しました。

再び帰国した後は、企画部にて、国際交流基金事業の評価等に関わっております。

現在の担当業務

事務的な面からも、国際文化交流を支えますの写真
事務的な面からも、国際文化交流を支えます

独立行政法人として国際交流基金が一つの年度に行った事業を外務大臣に報告し、それに対して法定の評価を受けるのですが、その資料となる「業務実績報告」のとりまとめを、同僚と分担して担当しています。

細かい基礎データの確認や、実績として特に打ち出すべき事業は何かを常に考えながらの資料作成など、正確さ、根気、国際交流基金全体を外からも中からも見る視点が求められ、またこの資料をもとに法定の業績評価が行われるため、重みを意識せざるを得ない業務内容ですが、多岐にわたる事業の全般を見通すことができるため、職員として非常に有益な経験になっていると感じます。

この他、国際交流基金はどのような理念や価値観を大切にすべきか、という再検討作業にも携わっており、部門を横断した討論や意識調査などを実施しています。

ある一日のスケジュール

9時30分  スケジュール確認、メール等のチェック、上司との確認等
10時 部内打ち合わせ
10時30分 外部専門家への報告・連絡内容の確認、資料発送準備
12時 部門横断メンバーのワークショップ準備
12時30分 昼休み
13時30分 メール対応、内部照会対応等
14時 ワークショップに事務局として参加
17時 ワークショップ片付け・内容整理
18時 諸資料作成、メール対応、内部会議スケジュール調整等
19時30分 退出

苦労の場面

特に海外の現場で事業を考える際には、当たり前ですが、日本でどんなに優れた内容とされるものであっても、伝えたい相手がそう思ってくれなければ、または、そう思ってもらえても受け入れる状況が整っていなければ、事業として実らずに終わったり、実現できても一方通行になってしまったりしがちです。こちらから伝えたいことと、相手が求めていそうなことを上手くつなぎ合わせるところに難しさがあり、また逆に言えばやりがいもあるように思います。

また、職員は定期的に部署・担当の異動があり、そのたびに異なる知識や技能を新たに身につける必要があります。そのため、新しいことを学んだり情報を探したりすることに消極的であっては、仕事が難しくなる場合も少なくありません。加えて海外赴任においては、日本について知っておくべきこと、赴任国について知っておくべきこと、言葉の勉強など必要なことも一層増えます。よく言われることですが、海外に出ると、日本のことを自分がどれだけ知らないかを痛感させられます。

分かりやすい苦労といえば、言葉に関係するものでしょうか。国内勤務では業務で外国語を使う頻度が少ない部署にいたことが多いのですが、海外に赴任すれば「待ったなし」で、交渉したり、相談したり、時には議論をしたり、抗議をしたりする必要も出てきます。

ローマ赴任当初、イタリア語は少し勉強した程度だったので当然、四苦八苦しました。例えば、労務関係の事務処理をお願いしていた会計士さんと定期的に打ち合わせなければなりませんでしたが、何度聞き返してもいやな顔一つせず丁寧に繰り返し説明くださるものの、少し話が長いうえ(イタリアではこのようなことも多いのですが)、給与・社会保険制度から労働安全基準にいたる中身の用語も含め全てイタリア語でのやり取りに、ハリと柔軟性をかなり失った脳味噌を振り絞りつつ、慣れるまでは辞書2冊を抱えて相談していました。

また、特に海外勤務の際は、単なる言葉の問題を越えて、どうやって相手の考え方の背後にあるロジックを(早合点することも誤解することもなく)正しく理解するか、自分の考えていることをどうやって相手に分かりやすく(時に最大の効果を狙って)伝えるか、ということに、想像以上に大きなエネルギーを費やす必要がありました。

他にも現場でのトラブルで苦労したことは数えたくないほどありますが、恥ずかしながら自分の力だけで解決できたためしはほとんどなく、周りの多くの方に助けていただかないと乗り切れなかったことばかりです。そんなときに自分が心がけていたことといえば、「諦めずに、冷静に出来ることを探すこと」「優先順位をつけて、代替案を出来るだけ用意すること」でした。

やりがい、醍醐味

何といっても、事業に関係した方々が、公演などに参加して感動や満足感を全身で表現していたり、意義の高い活動成果を発表していたり、また日本語の勉強に夢中になっていたりする様子を目の当たりにすると、わたしたちの仕事が役に立っているという実感が湧き、充実感に満たされます。

また国内外を問わず、いろいろな分野で活躍する、優れた方々とご一緒できる機会に恵まれており、実に多くのことを学ぶことができます。

国際交流基金の仕事へ関心を持つ方へのメッセージ

企画部総合戦略課 安部 健二郎の写真2 国際文化交流というと、なんとなく和やかで穏やかな印象があるかもしれませんが、実際の仕事は体力・精神力ともに限界に近くなることもありますし、華やかな舞台の裏に憔悴したスタッフの顔を見ることも珍しくなく、職員自身がスポットを浴びることも少ないです。

また、限られた人数で組織を動かしているため、自分の関心分野に全く関係ない分野を続けて担当したり、外国語などの特技を活かす場がなかったり、ということも実際には少なくありません。

それであっても、人と人をつなげることで生まれる感動や喜び、好奇心など、未来をよりよくする心の原動力を生み出す現場にかかわりたいという方、ぜひその志を国際交流基金と一緒に、存分に発揮してくださることを待っています。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 総務部 人事課 職員採用担当
電話:03-5369-6090
Eメール:JF_Saiyo@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角の@マークを半角@マークに変更してください)

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