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5号


【JF便り(最近の事業から) コミュニケーションセンター(JFIC)編 5号―2006年8月】

再び、春樹ワールドについて


8月1日発売の『遠近』をちこち(特集:「世界は村上春樹をどう読んでいるか」)が書店でも売れ行き好評です。『遠近』はジャパンファウンデーションが発行している国際文化交流について考える雑誌で、隔月ごとに発行されていますが、今月は東京の大型本屋さんから150冊、100冊と追加注文がまいこんでいるのです。(ちなみに一冊500円+消費税25円)。

「国際交流活動団体に関する調査」報告書概要
『遠近』12号
特集:「世界は村上春樹をどう読んでいるか」

もしかしたら、皆さんも世界各地の主要書店や空港の売店で、村上春樹の各種作品がそれぞれの言語と装丁で平積みになっているのを目撃したことがあると思います。今から17年前、村上作品はその最初の英語翻訳本『羊をめぐる冒険』が出たのを手始めに、90年代に入ると各国語訳が次々と出版され、現在、世界30数カ国で翻訳されています。
この『遠近』の特集号は、ジャパンファウンデーションが今年3月末に開催した国際シンポジウム&ワークショップ「春樹をめぐる冒険」をきっかけに企画されたものですが、シンポジウムでは残念ながら登場しなかった村上春樹ご自身によるエッセイや、映画『トニー滝谷』で主人公を演じたイッセー尾形さん、それに数々の装丁を担当した安西水丸さん、またアメリカで創刊された文芸誌でHARUKIにインタビューしたローランド・ケルツさんなどにご寄稿いただいたものです。

売れ行き好調に気をよくした当編集部では、先般、小さな講演会を開催しました。冒頭に触れた国際シンポジウム「春樹をめぐる冒険」の企画者兼案内人の藤井省三先生をお迎えして、「村上春樹のなかの中国」について語っていただきました。

「中国のなかの村上春樹」現象というものについては、『遠近』でも取り上げられているだけに想像のつくものですが、「村上春樹のなかの中国」となると、現代アメリカやジャズといったイメージが結びつきやすいHARUKIのこと、意外な視点ではありませんか?

ところが藤井先生のお話しは、冒頭からびっくりするものでした。そもそも村上春樹はそのデビュー作で、日本と中国そしてアメリカの3国関係に触れていること、またその多くの作品のなかに魯迅の作品を愛読している片鱗がみてとれることなど、具体例を引きながら、「春樹のなかの中国」について教えていただきました。
もしかしたら、『遠近』でもう一冊別の村上春樹特集を組めるかもしれません。


(JFIC部長 兼 『遠近』編集長 伊藤実佐子)

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