本文へ

海外拠点の活動

国際交流基金は、21カ国に22の拠点を設け、地域・国別事業方針の下、各国・地域の状況に合わせ、文化芸術交流から日本語教育、日本研究・知的交流の各分野でさまざまな活動を展開しています。

海外拠点地図 イタリア ドイツ フランス 英国 スペイン ハンガリー ロシア エジプト 韓国 中国 インドネシア タイ フィリピン マレーシア ベトナム インド オーストラリア カナダ 米国ニューヨーク 米国ロサンゼルス メキシコ ブラジル 欧州・中東・アフリカ アジア・大洋州 米州
海外拠点の活動一覧

欧州・中東・アフリカ

イタリア:ローマ日本文化会館 ドイツ:ケルン日本文化会館 フランス:パリ日本文化会館 英国:ロンドン日本文化センター
スペイン:マドリード日本文化センター ハンガリー:ブダペスト日本文化センター ロシア:モスクワ日本文化センター エジプト:カイロ日本文化センター

アジア・大洋州

韓国:ソウル日本文化センター 中国:北京日本文化センター インドネシア:ジャカルタ日本文化センター タイ:バンコク日本文化センター
フィリピン:マニラ日本文化センター マレーシア:クアラルンプール日本文化センター ベトナム:ベトナム日本文化交流センター インド:ニューデリー日本文化センター
オーストラリア:シドニー日本文化センター

米州

カナダ:トロント日本文化センター 米国ニューヨーク:ニューヨーク日本文化センター 米国ロサンゼルス:ロサンゼルス日本文化センター メキシコ:メキシコ日本文化センター
ブラジル:サンパウロ日本文化センター

欧州・中東・アフリカ

イタリア

ローマ日本文化会館

近代日本美術展を開催〜ローマ日本文化会館開館50周年記念事業

近代日本美術展を開催〜ローマ日本文化会館開館50周年記念事業の写真

 1962年12月に海外初の日本文化会館として設立さsれたローマ日本文化会館は、2012年12月、開館50周年を迎えました。また、2013年は支倉常長の慶長遣欧使節団がスペインとイタリアに向け出航してから400周年となります。この二重の節目を記念し、ローマ日本文化会館は在イタリア日本国大使館の協力のもと、多岐にわたる記念事業を展開しました。

 その幕開けを飾った特別事業「近代日本画と工芸の流れ1868-1945」展は、明治維新から戦前にかけての日本画と工芸の歩みを、50以上の収蔵先からの名品170点を通じてたどるもので、イタリアでの大規模な近代日本美術展としては、横山大観らによる1930年の「羅馬開催日本美術展覧会」以来の催しとなりました。会期の10週間で3万8千人以上を動員した本展は、従来紹介される機会が少なかった近代日本美術の変遷、とりわけ、西洋との出会いによって伝統的な日本美術の世界がいかに変貌してきたか、またその変化の中にあって日本的な美の特質がいかに引き継がれていったかを、イタリア国内外に強く印象付ける機会となりました。参照

ドイツ

ケルン日本文化会館

「エネルギー」をテーマに、日本とドイツの将来を考える

「エネルギー」をテーマに、日本とドイツの将来を考えるの写真

 東日本大震災後、「エネルギー」がますます重要な日本とドイツの共通課題となる中、ケルン日本文化会館はケルン大学と共同で、3回にわたって「日独エネルギー・シンポジウム」を開催しました。

 日本側から、第1回は小宮山宏氏(三菱総合研究所理事長)が「省エネと代替エネルギー」について、第2回は田中伸男氏(前国際エネルギー機関事務局長/日本エネルギー経済研究所特別顧問)および塚本弘氏(日欧産業協力センター事務局長)が「日本のエネルギー政策」について、それぞれ講演を行いました。第3回は畑村洋太郎氏(東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長)および淵上正朗氏(同委員会技術顧問)が福島原発事故の概要を報告した上で、その教訓と今後のエネルギー問題について論じました。
  ドイツ側からも、連邦議会議員、ノルトライン・ヴェストファーレン州経済省、ケルン大学エネルギー経済研究所の専門家が講演を行い、3回のシンポジウムを通して、エネルギーシフトや将来のエネルギー確保のビジョンにまで及ぶ活発な議論が交わされました。

フランス

パリ日本文化会館

被災地の歩みを伝える「東日本大震災報道写真展」

被災地の歩みを伝える「東日本大震災報道写真展」の写真

 パリ日本文化会館は2013年2月26日から3月16日まで、三菱商事、朝日新聞社、在フランス日本国大使館と共催で、「東日本大震災報道写真展」を開催しました。

 朝日新聞社の報道写真を通して伝える東日本大震災の様子は4章立てで構成されます。第1章「あのとき何が」では、震災の発生直後の人々の生々しい表情を、第2章「フクシマ」では、原発の事故発生からの人々の避難生活を、第3章「悼む」では、震災からしばらく後の人々の、亡くなった家族への思いや日常生活を取り戻していく表情を、そして第4章「希望」では、復興へ向けた人々のたゆまない努力をとらえました。

 被災地の荒廃した光景と、そこに生きていく人々をリアルに表現した写真は多くの人々の反響を呼び、3週間の期間中に1万人以上がつめかけました。また、展覧会に合わせた講演会で、被災地の復興策の現状などを伝えました。

 本展示事業は、震災後の衝撃から立ち上がっていく日本の姿をフランスの人々に紹介すると同時に、被災地の人々の生きかたを今後どのように伝え続けるかを考える試金石となりました。

英国

ロンドン日本文化センター

奥州金津流獅子躍で新“クールジャパン”をアピール

奥州金津流獅子躍で新“クールジャパン”をアピールの写真

 ロンドンでは、2012年のロンドンオリンピックの関連事業として、カルチュラルオリンピアードと称し各国の文化を紹介するさまざまな事業が催されました。ロンドン日本文化センターも、ロンドン市長をパトロンとするテームズフェスティバルとの連携の下、奥州金津流獅子躍連合会のメンバーを9月に招聘。カルチュラルオリンピアードの最後を飾るにふさわしく、14名の踊り手が、2年前の東日本大震災で被災した東北に代々伝わる勇壮な獅子躍(鹿踊)の舞をテームズ川岸で披露しました。フェスティバルのクライマックスとなるカーニバルには数万人の観客がつめかけ、2mの長さに及ぶササラが付いた装束を身につけ太鼓を打ち鳴らしながら練り歩く獅子躍のメンバーに、沿道からは「Cool! ( かっこいい!)」など、熱い声援が贈られました。

 “ クールジャパン” が誇るのはマンガやアニメだけではないことを、獅子躍は英国の人々に示してくれました。実演は地方都市のオックスフォードやメイドストーンでも行われ、各地で大好評を博しました。

スペイン

マドリード日本文化センター

多国籍ジャズ・ユニットでアジアパワーを全開

多国籍ジャズ・ユニットでアジアパワーを全開の写真

 「ユニット・アジア」は、三好功郎氏(ギター)、則竹裕之氏(ドラムス)、一本茂樹氏(ベース)の3人の日本人に、タイの第一線で活躍するコー Mr. サックスマン氏( サックス)、そして新進気鋭のマレーシア人テイ・チャー・シアン氏(ピアノ)の5人のミュージシャンにより結成された、アジア発のジャズ・ユニットです。マドリード日本文化センターは、これまでアジアを中心に活躍してきた同グループの初の欧州ツアーの一環として、2013年2月にマドリードおよびバルセロナにおけるコンサートを実施しました。

 多国籍のコラボレーションによる文化交流イベントは、マドリ−ドとバルセロナのいずれでも新たな話題を提供して好評を博し、アンコ−ル演奏の後には会場が大きな拍手に包まれました。

 日本の文化紹介にとどまることのない、また、2国間の枠組みを越えた文化交流として、新たな価値を創造する有意義な事業となりました。公演にあたり、当地のタイおよびマレーシアの大使館と協力できたこと、また、カサ・アシアからも高く評価され広報面で強力なサポートを得たことも、収穫でした。

ハンガリー

ブダペスト日本文化センター

落語でハンガリー人がハンガリー人を笑わせる

落語でハンガリー人がハンガリー人を笑わせるの写真

ブダペスト日本文化センター日本語講座事業の一環として、2012年秋、ハンガリーで初めての落語事業を実施しました。柳家さん喬師匠、柳亭左龍師匠による指導に加え、一般市民に向けたデモンストレーションを実施し、その場で、日本語講座受講生も学習成果として落語を披露しました。
 8人の受講生が、言語の「壁」を乗り越えて、落語の小噺でハンガリー人を笑わせることに挑戦。講座最終日に師匠から直接指導を受け、いよいよ当日には浴衣を着て小噺を披露しました。受講生たちのコミカルな仕草や表情、そして何よりも懸命な姿勢が来場者の笑いと感動を誘い、温かい拍手が贈られました。
 プログラムの最後を飾る両師匠の落語では、江戸の生活情景が鮮やかに描かれ、日本語を解さない人々からも大きな笑い声があがりました。
 「落語は日本の文化。日本語でやるからこそ意義がある。」というさん喬師匠の言葉のとおり、落語を通じて日本の文化、日本語の愉しみを存分に味わうことができる舞台となりました。

ロシア

モスクワ日本文化センター

音楽を通し、被災地支援の感謝と復興の誓いを

音楽を通し、被災地支援の感謝と復興の誓いをの写真

 東日本大震災に際するロシアからの支援に感謝を表わし、日本の復興の姿を伝えるために行われた仙台フィルハーモニー管弦楽団ロシア公演は、震災を経て強まった日本とロシアの「絆」を人々に改めて思い起こさせ、友好親善をさらに進める機会となりました。参照1,参照2
 公演には、震災後に宮城県石巻市に約160人の救助隊員を派遣した非常事態省をはじめとするロシア政府・議会関係者、折鶴を贈ってくれた孤児院や学校の子どもたちなどの招待客を含め、各回一千人以上の聴衆が来場しました。震災2週間後から避難所等で演奏活動を行い、多くの方々の心を慰め勇気づけてきた仙台フィルに、宮城三女OG合唱団が加わり、演奏を通じ被災地の代表として、ロシアの支援への感謝の気持ちを伝えました。特別な思いが込められた演奏に、満場の客席から惜しみない拍手喝采が贈られました。
 会場ロビーなどに展示した震災復興の写真や新聞記事のパネル、映像の上映に多くの人が熱心に見入り、震災後に折鶴を贈ってくれた学校では生徒たちと演奏や合唱を披露しあうなど、交流と相互理解の進展に資する事業となりました。

エジプト

カイロ日本文化センター

日本発のマンガ・ゲーム・アニソンで若者に活力を

日本発のマンガ・ゲーム・アニソンで若者に活力をの写真

 政情不安が続く中、エジプトでは、マンガ・ゲーム等の日本のポップカルチャーに対する関心が若者たちを中心に益々高まっています。カイロ日本文化センターではそんな若者たちの日本のポップカルチャーに対する熱い想いを思い切り表現してもらうべく、2013年3月8日、「ジャパン・ポップカルチャー・フェスティバル」を開催しました。
 会場運営に広くボランティアを募り、エジプト初のコスプレショーや日本の歌によるのど自慢大会、エジプト人マンガ愛好グループの作品展示、似顔絵コーナー、抹茶体験のできるマンガ喫茶、コスプレ体験コーナー等、さまざまな参加型イベントを設けました。また、日本からアニメソング歌手の影山ヒロノブ氏を招へいし、中東初となるアニメソングコンサートも開催。迫力溢れる影山氏の歌声は日本語歌詞にもかかわらず観衆を熱狂の渦に巻き込み、"アニソン"も世界に誇る日本文化の一つであることを示しました。
 このイベントに刺激を受けた若者たちが、マンガ作品展覧会、マンガワークショップ等を開催するなど、事後も活発な活動が展開されています。

アジア・大洋州

韓国

ソウル日本文化センター

現代日本美術40年を振り返る本格的な回顧展

現代日本美術40年を振り返る本格的な回顧展の写真

 2013年3月5日〜4月14日にソウルで、1970年代から現代に至るまで40年間の日本の現代美術を概観する展覧会「Re:Quest−1970年代以降の日本現代美術展」を開催しました。参照

 これまで韓国で包括的に紹介されることのなかった、草間彌生氏、奈良美智氏、村上隆氏など53人の作家の作品計112点を展示し、この40年間の日本の現代美術を多角的な視点から回顧しつつ、同時代の韓国美術との比較や戦後のアジア地域の美術表現とその発展についても考察しました。会期中に開催した東京国立近代美術館の松本透副館長による講演会や、高嶺格、ヤノベケンジ、会田誠各氏によるアーティストトークには、20〜30代を中心に多くの来場者が詰めかけました。

 本展の模様は三大日刊紙(「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」)をはじめとして数多くのメディアで取り上げられ、なかでもMBC(文化放送)テレビは特集番組を組むなど、大きな反響を呼び、共催機関であるソウル大学校美術館にとって開館以来最多となる観覧客数を記録しました。

中国

北京日本文化センター

エリンが中国にやってきた!
〜『艾琳学日语 エリンが挑戦!にほんごできます。』制作出版事業〜

エリンが中国にやってきた!〜『エリンが挑戦!にほんごできます。』制作出版事業〜の写真

 北京日本文化センターは、中国教育部直轄の人民教育出版社から
艾琳学日语 エリンが挑戦!にほんごできます。』(以下、『艾琳』)を出版しました。参照 これは、中等教育における第二外国語用教材が不足しているという声を受け、国際交流基金が2007年に出版した『エリンが挑戦!にほんごできます。』を現代中国の若者向けに編集したものです。練習問題に中国の地名や人名を組み込んだり、問題量や活動を増やすなど、授業でそのまま使えるよう工夫を凝らしています。エリンが「万里の長城」へ旅行する描き下ろしマンガも、中国版ならではの特徴です。また、附属DVDでは、日本の一般的な高校生の日常生活や家庭の様子などを多数紹介。日本語学習を通して、日本をもっと身近に感じてもらいたいという願いを込めています。

 今後もフォローアップとして、出版記念研修会の開催、『艾琳』を用いた中高生向け日本語講座の開講、『艾琳』寄贈事業など、第二外国語としての日本語がより魅力的で親しみやすい科目となるよう、この『艾琳』をプラットホームにさまざまな活動を展開していく計画です。

インドネシア

ジャカルタ日本文化センター

20年振りのインドネシア映画特集を機に、双方向の日イ映画交流を促進

20年振りのインドネシア映画特集を機に、双方向の日イ映画交流を促進の写真

 2012年10月に国際交流基金がインドネシア映画監督3人(ガリン・ヌグロホ氏、リリ・リザ氏、エドウィン氏)を日本に招へいし、1993年の国際交流基金主催インドネシア映画祭から約20年ぶりとなる第25回東京国際映画祭のインネシア映画特集『インドネシア・エクスプレス』が開催されたことを契機に、2013年3月にジャカルタで、3つの映画交流事業が実現しました。
 一つ目は、招へいされた3監督作品のインドネシア凱旋上映会、二つ目は、インドネシア映画特集を企画立案した石坂健治氏、コンペティション部門ディレクターの矢田部吉彦氏、日本の若手ドキュメンタリー界の旗手である松江哲明監督の3人による東京国際映画祭を紹介する講演会、そして三つ目は、同映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した松江監督最新作『フラッシュバック・メモリーズ3D』の上映会及び監督トークです。凱旋上映会には126人、講演会には54人、上映会には203人と、多数の若いインドネシア人が会場に詰めかけました。映画上映会では、3Dを使った新鮮な映像表現が観客に強いインパクトを与えました。監督によるトークも大いに盛り上がり、映画を通した交流の確かな手ごたえが感じられました。

タイ

バンコク日本文化センター

防災をキーワードに、新たな価値観を創出

防災をキーワードに、新たな価値観を創出の写真

 タイでは2011年の大洪水をきっかけに、人々の間に防災への関心が高まっています。この機会をとらえ、バンコク日本文化センターでは、日本の防災・減災に向けたさまざまな創造的取り組みを紹介する「地震ITSUMOプロジェクト」を実施しました。参照1,参照2

 プロジェクトの中心はタイの国立クリエイティブ&デザインセンターとの共催による防災+デザイン展「いつもの備え−暮らしに変化を−」。展覧会では、阪神・淡路大震災の被災者に対するリサーチから防災に関する「知識」や「技」を抽出し、それらの知見を多様な啓発プロジェクトを通じて普及を図った日本発の「地震ITSUMOプロジェクト」を包括的に紹介しました。また、タイの「大洪水」をテーマにタイのクリエーターと共同開発した防災教材を展示しました。3カ月にわたる展覧会には3万人強の人々が来場し、メディアでも広く取り上げられました。

 さらに、学校、NGO、テレビ局等とタイアップして各種講演会、ワークショップを開催し、「楽しく学ぶ防災」の考え方をタイの子供たち、学生、教師、防災関係者など幅広い層の人たちに伝えました。今回のプロジェクトが、今後タイの防災に向けた具体的な取り組みの一助となることを願ってやみません。

フィリピン

マニラ日本文化センター

日比友好月間で、琴を学ぶ学生のためにワークショップを開催

日比友好月間で、琴を学ぶ学生のためにワークショップを開催の写真

 フィリピン政府が定める日比友好の日(7月23日)を中心とする7月の1カ月間を日比友好月間とし、マニラ日本文化センターは在フィリピン日本大使館と協力して、さまざまな文化事業を実施しました。その中核となる事業がギターと琴のデュオAKI&KUNIKOによる巡回公演です。マニラ、バギオ、セブの3都市5会場で5回の公演と2回のワークショップを実施し、1,635名を動員しました。

 公演会場の一つとなった国立フィリピン大学音楽学部には琴を主専攻とするコースがあり、10名前後の学生がフィリピン人の教師のもとで学んでいます。公演前には、学生を対象に、AKI&KUNIKO独自のギターと琴のデュエット奏法、そしてオリジナルの楽曲に関する講演およびワークショップを実施し、琴を学ぶ学生や教師との交流の場を設けました。参加した学生たちはAKI&KUNIKOの卓越した技巧に魅了され、近い将来に共演が実現することを夢見ながら、ワークショップ後も自主的に集まってオリジナル曲の練習を続けています。

マレーシア

クアラルンプール日本文化センター

狂言から学ぶ社会とのつながり〜「東方政策」30周年記念事業

狂言から学ぶ社会とのつながり〜「東方政策」30周年記念事業の写真

 マレーシア政府は1982年から、アジアでいち早く発展した日本と韓国から、労働倫理や学習意欲を学んで取り入れようとする「東方政策」を展開してきました。この政策により、これまで政府派遣留学や研修で約15,000人が日本で学びました。両国の緊密な友好関係を築く礎となってきたこの政策が30周年を迎える2012年、クアラルンプール日本文化センターでは、日本を代表する伝統芸能の継承者でありながら、もっとも現代的な方法論をもって社会とのつながりを摸索する狂言師の野村萬斎氏を迎え、「600年の笑い」と題する公演を行いました。

 舞台芸術を専攻する現地の大学生がワークショップに参加し、舞台上ですり足などの基本的な所作など学び、ボランティアスタッフとして、ともに公演を作り上げました。公演当日には多くの報道関係者が詰めかけ、学生が狂言師に熱心に質問する様子などを取り上げていました。日本の情報や製品が溢れ、次々と新しいビルが建設されるマレーシアですが、数百年にわたり受け継がれ発展してきた日本の伝統芸能舞台に、満席の観客から熱狂的な拍手が贈られました。

ベトナム

ベトナム日本文化交流センター

日越アーティストの共同制作で、ベトナム現代アートの活性化に貢献

日越アーティストの共同制作で、ベトナム現代アートの活性化に貢献の写真

 建築家の野田恒雄氏、国際芸術センター青森学芸員の服部浩之氏、アーティストの田村友一郎氏らを日本から招き、交流とノウハウの紹介を通じてベトナム現代アートの活性化を目指す、ベトナム人キュレーターの企画によるプロジェクト「スカイラインズ・ウィズ・フライング・ピープル」を2012年11〜12月に展開しました。ベトナム日本文化交流センターの敷地を全面的に活用し、野田氏の設計による、両国のアーティストのための個別の仮設スタジオを設置。アーティストらはそこに1カ月にわたって滞在し、キュレーターと議論を交わしながら、複数の展覧会とオープンスタジオを開催しました。

 また、2013年3月には、日越友好年(日越国交樹立40周年)公式オープニング事業として、世界各国で活躍する爆音ジャズバンド「ソイルアンドピンプセッションズ」らによる公演を実施しました。レセプションには、ベトナム側からホアン・チュン・ハイ副首相、ホアン・トゥアン・アイン文化スポーツ観光大臣ほか多くの政府高官が出席。また、野外ステージでのライブには2,600人以上の観客が詰めかけて、祝祭的な一年の幕開けを華やかに飾りました。

インド

ニューデリー日本文化センター

文化交流を通じて日印関係の深化を〜日印国交樹立60周年

文化交流を通じて日印関係の深化を~日印国交樹立60周年の写真

 日印国交樹立60周年に当たる2012年、ニューデリー日本文化センターはさらなる日印交流の深化のきっかけとなる事業を、年間を通じて多数展開しました。デリー、ムンバイをはじめ15都市において、展覧会や舞台公演、映画上映や講演会等120件以上の事業を実施し、地方都市を含め多くの交流機会を設けました。

 展覧会シリーズ「クリエイティブ・プラットフォーム」は、日印間の交流の双方向性を重視したものです。日本に招いたインド人作家の帰国展、インド少数民族の村で滞在制作を行った日本人美術作家の作品発表、東日本大震災から2年のタイミングにあわせ「復興」をテーマにした写真展を、それぞれニューデリー日本文化センターのギャラリーで開催しました。

 また、オペラシアターこんにゃく座、沢則行フィギュアシアター、長唄・三味線コンサートがそれぞれ各都市を巡回するなど、日本の舞台芸術に触れる機会の少ない地方でも、多くの公演事業を実施しました。

オーストラリア

シドニー日本文化センター

日本語教育から未来を築く〜全国日本語教育シンポジウム

日本語教育から未来を築く〜全国日本語教育シンポジウムの写真

 2012年11月、シドニー日本文化センターはメルボルン日本語教育センターと共催で全国日本語教育シンポジウムを開催しました。

 このシンポジウムは、オーストラリア政府による「学校におけるアジア語・アジア学習推進計画」のもと提出された日本語教育の現状に関する報告のなかで、全豪日本語教育協議会の設置が提言されたことを受けて、企画されたものです。

 オーストラリア各地から集まった参加者300人以上の約7割が現職の学校教師で、このような初中等日本語教員のための全豪規模の集まりは、実に36年ぶりのことでした。

 2日間にわたるシンポジウムでは、オーストラリア及びアメリカの著名な教育者による基調講演やパネルディスカッション、40本以上の発表などが行われ、充実した内容となりました。

 オーストラリアは世界でも先進的な日本語教育大国ですが、長年培われた現場の実践が共有されました。シンポジウムの副題「未来を築く」のもと、現状の確認に加えて今後の日本語教育についても、活発で密度の濃い議論が交わされました。

米州

カナダ

トロント日本文化センター

日本文化を紹介する新しい取り組み「スポットライト・ジャパン」

日本文化を紹介する新しい取り組み「スポットライト・ジャパン」の写真

 2013年1月から4月にかけてトロントで、主要な複数の文化団体のイニシャティブにより長期にわたる複合日本文化祭が開催されました。
 トロント日本文化センターは事業連携のかなめ役として、総合パンフレット作成などの広報協力、中核イベントとなる「シネマ歌舞伎」や当地情報誌が必見展覧会に選定した「陶磁器デザイン展」などの事業を実施しました。「シネマ歌舞伎」はこれまでの上映への評判からトロント国際映画祭の旗艦上映施設に招かれたものでしたが、過去最多の観客を動員し、リピーターのカナダ人愛好家からも「これまでで最高」と評価されました。また、現地演劇グループが招いた平田オリザ氏のロボット演劇公演に加え、カナダ側の演出と俳優による平田作品のドラマ・リーディングを併催しました。
 この文化祭では、さらに梅田宏明氏のダンス公演や日本映画の集中上映会、また日本のアーティストによるユニークな石製楽器を用いた現代音楽公演など、カナダ側のイニシャティブが存分に発揮されました。事業連携を通じて、現地の声やニーズを生かして日本文化を紹介する新しい協働のかたちとして、発展が期待される『スポットライトジャパン』となりました。

米国

ニューヨーク日本文化センター

「百鬼ゆめひな」で日本の所作や舞を伝える

「百鬼ゆめひな」で日本の所作や舞を伝えるの写真

 ニューヨーク日本文化センターは、ニューヨークおよび日本文化に馴染みの少ない南部地域のヒューストンのアジア協会と共催で、飯田美千香氏の「ゆめひな人形カンパニー」公演を実施しました。

 「百鬼ゆめひな」は、等身大人形や仮面を遣うと同時に遣い手自身も演技者として舞台に加わる独特の表現形態で、台詞を使わず、音楽、所作、舞のみによって構成される、故・岡本芳一氏(百鬼どんどろ)によって創設された独自の舞台表現スタイルです。

 猫又を元に着想された猫姫母子が繰り出す変幻自在さが楽しい『猫姫くぐつ舞』、そして苦界に生きる身となった遊女の儚く哀しい人生を彼岸花になぞらえその心の動きを所作と舞で表現する『曼珠沙華』の二作品を上演しました。

 公演後の質疑応答では数多くの活発な質問が寄せられ、日本文化に対する関心の高さが窺われました。

米国

ロサンゼルス日本文化センター

日本映画の100年をテーマに3日間のイベントを開催

日本映画の100年をテーマに3日間のイベントを開催の写真

 映画の都ハリウッドを擁するロサンゼルスにとって、2012年はパラマウント、ユニバーサルといった著名な映画会社が創立100周年を迎えた特別な年でした。日活株式会社が同じ年に創業100年を迎えるにあたり、ロサンゼルス日本文化センターは映画人の育成で名高い南カリフォルニア大学と共催で、3日間にわたるイベント「日活100:日本映画の100年」を開催しました。

 時代劇、任侠映画、青春ものからピンク映画まで、日活の各時代を代表する8作品の上映に合わせ、ロサンゼルス日本文化センターで同作品のレトロな上映ポスターを展示しました。また、日活の佐藤直樹・代表取締役社長とホラー映画「リング」の中田秀夫監督が渡米し、アメリカ側の著名な業界人とともにふたつのパネルディスカッションに参加。決して平坦ではなかった日活の歴史を振り返り、その自由な映画作りの精神と環境が時代の試練を乗り越え、新しい才能を育て、国境を越えた映画製作につながってきた道程を、米国のスタジオとの比較も交えて語り合いました。

メキシコ

メキシコ日本文化センター

メキシコ最大で最古のアートフェスティバルで日本文化を紹介

メキシコ最大で最古のアートフェスティバルで日本文化を紹介の写真

 「フェリア・デ・サンマルコス」は、メキシコ中央部アグアスカリエンテス市で毎年4月〜5月に開催されるメキシコ最大かつ最古の歴史を誇るフェスティバルです。元来家畜の品評会でしたが、酪農品や農産物の展示販売から産業見本市へ、そして近年では芸術祭に発展し、毎年800万人の来場者が集います。

 2012年の「フェリア・デ・サンマルコス」には、日本が招待国として参加しました。メキシコ日本文化センターは、在メキシコ日本国大使館、日系企業とともに日本パビリオンを運営し、日本人形展、東北写真展、茶道や武道等の紹介、日本食レストランなど幅広い出展を行って、3週間の期間中に22万5千人の来館者を得ました。また、邦楽グループ「絆」は、日本大使と同州知事も臨席した開会式をはじめ野外ステージで12回の公演を行い、1万人を超える観客を魅了しました。

ブラジル

サンパウロ日本文化センター

現代の視点から日本の伝統文化を考察する〜サンパウロ日本文化月間

現代の視点から日本の伝統文化を考察する〜サンパウロ日本文化月間の写真

 

 東日本大震災から2年を迎えた2013年3月、サンパウロ日本文化月間「トラディショナルが新しい・日本の元気を再発見」と題して、在サンパウロ日本国総領事館の協力のもと、日本の伝統文化を現代の視点で捉えなおすことをテーマにさまざまな日本文化紹介事業を行いました。

 ゲームキャラクターを浮世絵で再現する米国在住のジェッド・ヘンリー氏がレクチャー、トークイベント、そして作品の展示会を開催。また、米国在住の着付師・デザイナーの押元末子氏がレクチャー・デモンストレーションとファッションショーを実施して、現代ファッションの要素を取り入れた和服から、ファッション・デザインの新たな可能性をさぐりました。更に、米国在住の山崎広太氏とメキシコのディエゴ・ピニョン氏がブラジル人舞踏家2名との合同公演とワークショップを開き、日本発の舞台芸術である舞踏が世界各地でさまざまな進化を遂げる実態の一面を紹介しました。