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2013年度 国際文化交流への理解と参画の促進

国際交流基金賞

国際交流基金では1973(昭和48)年より毎年、文化活動を通じて国際相互理解・国際友好親善の促進に大きな貢献のあった個人又は団体に対し「国際交流基金賞」を授与しています。第41回を迎えた2013年度は、ハーバード大学名誉教授の入江昭氏(日本)、山海塾(日本)、泰日経済技術振興協会(タイ)を受賞者に選出し、秋に東京で授賞式を挙行しました。また、各受賞者による記念講演会や記念対談も開催しました。

受賞者・授賞理由

入江 昭(ハーバード大学名誉教授)の写真

【日本】
入江 昭(ハーバード大学名誉教授)

高校卒業後に渡米し、日本出身の歴史学者として長年にわたり米国で活躍。専攻はアメリカ外交史。思想・文化の影響力を重視するアプローチを特色とし、一国の外交史研究を超えた多国間の視点とその相互作用を組み込む「国際史」研究を提唱、「アメリカのディプロマティック・ヒストリーのありかたを変えた一人」と称される。日本出身者として初めてアメリカ外交史学会会長やアメリカ歴史学会会長を務めた。

山海塾の写真
©Sankai Juku

【日本】
山海塾

1975年に主宰・天児牛大(あまがつ・うしお)氏によって設立された舞踏カンパニー。主にフランスを拠点として約2年に1度のペースで新作を発表し続け、また、1980年よりアジア、欧州、南米、北米の45ヵ国延べ700都市以上で海外公演を重ねてきた。その作品は様々な文化圏で高い評価を得ており、舞踏を海外に広める上で大きな役割を果たし、世界のコンテンポラリーダンスに影響を与えている。

泰日経済技術振興協会の写真

【タイ】
泰日経済技術振興協会

1973年、タイの元日本留学生・研修生が中心となり、タイの経済発展のため日本からの技術移転や人材育成を目的に設立した公益法人。各種事業を展開する他、タイ国内で最大の民間日本語学校を運営し、開校以来40年間で延べ20万人を超える日本語講座修了生を輩出してきた。在留邦人に対するタイ語教育でも同国内最大の機関であり、日タイ両国間における国際交流及び人材育成に大きな役割を果たしている。

国際交流基金地球市民賞

国際文化交流活動を通じて日本と海外の市民同士の結びつきや連携を深め、互いの知恵やアイディア、情報を交換し、共に考える先進的で社会的なインパクトを持つ各地の団体を顕彰します。これまで29年間の歴史の中で91団体に授賞しました。

受賞者・授賞理由

BankART1929の写真

特定非営利活動法人
BankART1929

国内におけるアートセンターの先駆けとして、海外のアートセンターやアーティストと連携した国際的な文化芸術交流を展開。横浜市がめざす「文化芸術を通じたまちづくり」とも連動し、日本の中核的アートセンターとして更なる発展が期待される。

雪合戦インターナショナルの写真

特定非営利活動法人
雪合戦インターナショナル

少子高齢化が進む町で、雪合戦をスポーツに育て上げることで地域活性化に貢献。国内外に愛好者を増やし、海外にも雪合戦連盟を立ち上げて、国際的スポーツとしての雪合戦普及活動を行っている。

多言語社会リソースかながわの写真

特定非営利活動法人
多言語社会リソースかながわ

多様な文化背景を持つ通訳者たちが、特に高い専門性が求められる医療の分野で活躍。通訳の派遣や養成にいちはやく取り組む等、今後の日本社会が抱えるであろう問題の解決策を提示している。

情報提供

多彩なメディアを活用し、国際文化交流に関する情報を提供

国際交流基金は、国内及び海外の幅広い人々に国際文化交流の意義を理解いただき、担い手として活動に参画いただけるよう、ウェブサイト、ブログ、ツイッター等による情報発信、広報・メディアリレーションをはじめとして、様々な形態で国際文化交流に関する情報提供を行い、また交流の場を創出しています。

ウェブマガジン「をちこち Magazine」(日本語)/「Wochi Kochi Magazine」(英語)では、国際文化交流に関する様々なテーマで毎月特集を組んでいます。2013年度は、「被災地の経験と復興への歩みを世界に届ける」、「希望、夢、そして愛:闘うアーティストたち」、「コミュニケーションは日本語で」、「世界との出会いで進化する日本の伝統芸能」等を特集した他、国際交流基金事業に関わった専門家や職員による報告記事も多数掲載しました。

東京・四谷の本部ビル内に設けられた「JFIC(Japan Foundation Information Center)通称:ジェイフィック」は、ライブラリーとイベントスペースで構成される情報発信拠点です。

JFICライブラリーでは、国際交流基金の実施事業に関する資料や、国際文化交流関係の図書資料、外国語で書かれた日本関係図書・映像資料等を所蔵し、広く一般に公開しています。また、種々のサービスに加え、蔵書を解説付きで紹介する展示を定期的に実施しています。2013年8月には「日本のおもちゃ」展を開催し、伝統的なおもちゃと共に英語での解説書・関連図書を展示しました。

JFICイベントスペースでは国内の様々な団体と連携して国際文化交流に関するイベントを開催し、幅広い層の方々に国際文化交流事業に参加いただく機会を提供しています。2013年度も多彩なパートナーと協力してシンポジウムやレクチャーを開催しました。ムスリムとして初の大相撲力士となった大砂嵐を迎えての講演会や、元ドイツ対外文化研究所事務局長のクルト=ヨルゲン・マース博士によるソフトパワーに関する講演会は、その一例です。

JFICではこの他に、国際交流基金が主催した展覧会のカタログや制作した日本語教材等、出版物の販売を行っています。また、大学生や修学旅行生等、国際文化交流に関心を持つグループの訪問・見学を受入れています。

  • 「外交におけるソフトパワーの可能性と限界」
    マース博士講演会
    マース博士講演会の様子
    • 「相撲取りになる夢を叶えたエジプト人力士」
      大砂嵐講演会
    • 大砂嵐講演会の様子撮影:高木あつ子

京都支部

日本文化の真髄に触れる機会を提供

京都は、長い歴史の中で育まれ、花開いた多彩な文化が息づく「文化の宝庫」です。「千年の都」が生み出した文化には、日本人の美意識と感性が凝縮されています。こうした日本文化の魅力を外国の人々に伝えるために、地域のネットワークを生かしつつ、日本文化の発信に取り組んでいます。

2013年度も地元文化機関の協力を得て、関西に滞在している日本研究フェローや招へい者等を対象に、「国際交流の夕べ—能と狂言の会」、「茶道体験」、「いけばな鑑賞」、「伝統音楽の鑑賞」、「錦織物の工房見学」等を実施しました。参加者たちは、「日本の伝統芸能がもつリズム感に心地よさを感じた」、「茶の湯と生け花には、心を癒す力がある」、「伝統工芸は技と心で成り立っていることを実感した」と、日本文化に触れた感想を話していました。

京都には、日本文化の神髄に触れる機会と可能性が無限に広がっています。

  • 国際交流の夕べ—能と狂言の会の舞台写真1 撮影:高橋章夫
  • 国際交流の夕べ—能と狂言の会の舞台写真2 撮影:高橋章夫