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2013年度 海外拠点の活動

国際交流基金は、21ヵ国に22の拠点を設け、地域・国別事業方針の下、各国・地域の状況に合わせ、
文化芸術交流、日本語教育、日本研究・知的交流の各分野で様々な活動を展開しています。
各拠点による活動報告をご紹介します。

海外拠点地図 イタリア ローマ日本文化会館 イタリア ローマ日本文化会館 ドイツ ケルン日本文化会館 ドイツ ケルン日本文化会館 フランス パリ日本文化会館 フランス パリ日本文化会館 英国 ロンドン日本文化センター 英国 ロンドン日本文化センター スペイン マドリード日本文化センター スペイン マドリード日本文化センター ハンガリー ブダペスト日本文化センター ハンガリー ブダペスト日本文化センター ロシア モスクワ日本文化センター ロシア モスクワ日本文化センター エジプト カイロ日本文化センター エジプト カイロ日本文化センター 韓国 ソウル日本文化センター 韓国 ソウル日本文化センター 中国 北京日本文化センター 中国 北京日本文化センター インドネシア ジャカルタ日本文化センター インドネシア ジャカルタ日本文化センター タイ バンコク日本文化センター タイ バンコク日本文化センター フィリピン マニラ日本文化センター フィリピン マニラ日本文化センター マレーシア クアラルンプール日本文化センター マレーシア クアラルンプール日本文化センター ベトナム ベトナム日本文化交流センター ベトナム ベトナム日本文化交流センター インド ニューデリー日本文化センター インド ニューデリー日本文化センター オーストラリア シドニー日本文化センター オーストラリア シドニー日本文化センター カナダ トロント日本文化センター カナダ トロント日本文化センター 米国 米国  ニューヨーク日本文化センター 米国 ロサンゼルス日本文化センター メキシコ メキシコ日本文化センター メキシコ メキシコ日本文化センター ブラジル サンパウロ日本文化センター ブラジル サンパウロ日本文化センター 欧州・中東・アフリカ アジア・大洋州 米州

欧州・中東・アフリカ

イタリアの国旗イタリア ローマ日本文化会館

浮世絵を通じて触れる
江戸文化

「浮世絵の秘宝」展 ボローニャ東洋美術研究所の研究者3人によるギャラリートーク・講演会の写真
撮影:Mario Boccia

「背景の縞模様を見てください。これは、実は反物の新柄です。浮世絵には広告としての役割もあったのですね。」ボローニャ大学のペテルノッリ教授の説明に、参加者から驚きと感嘆の声が漏れます。ローマ日本文化会館では2013年11月から12月にかけて「浮世絵の秘宝」展と題して、ボローニャの旧個人コレクションに属する浮世絵78点を展示しました。本展の特徴は、いわゆる名品主義を採用せず、目にする機会の少ない上方絵や、日本でも現存例の少ないおもちゃ絵等、これまでイタリアで紹介される機会の少なかった作品を集めた点にあります。

オープニングに際して、本展を監修したボローニャ東洋美術研究所の研究者3人によるギャラリートークや講演会を実施。歌舞伎の女形、参勤交代やお伊勢参り、寺子屋での教育等、浮世絵を通して触れる豊かな江戸文化の世界に、多くの来場者が魅了されました。

ドイツの国旗ドイツ ケルン日本文化会館

京都の新たな「ものづくり」
〜海外に飛翔する若き伝統工芸家を紹介

木工芸、金網や茶筒の若手職人による講演の写真

ケルン・京都両市の姉妹都市提携から50周年にあたる2013年は、様々な交流事業で、手ごたえのある京都特集年となりました。

まず、京都の伝統美を代表する庭園の紹介。水野克比古氏による庭園の四季を伝える写真展にはケルンと京都の両市長も訪れました。作庭家・小川勝章氏による講演会も多くの聴衆をひきつけました。続いて、ゲーテ・インスティトゥートのヴィラ鴨川に滞在して制作活動を行ったケルンのアーティストによる京都写真展、映画では大島渚監督の回顧特集を実施しました。更に学術交流でも、ケルンと京都の大学関係者を中心に刑事・民事訴訟法の日独比較シンポジウムを開催しました。

締めくくりは、京都の伝統産業から生まれた新しいデザインの紹介。木工芸、金網や茶筒の若手職人による講演とワークショップで、日本のものづくりの高い技術と日用品に対する美意識をドイツの人々に改めて感じてもらうことができました。

フランスの国旗フランス パリ日本文化会館

金沢の武家文化を通して、
伝統文化の継承と発展を伝える

「加賀百万石〜金沢に花開いたもう一つの武家文化」展の写真
撮影:Clement-Olivier Meylan

金沢市との共催で、金沢の地で江戸時代より引き継がれた武家文化を紹介する「加賀百万石〜金沢に花開いたもう一つの武家文化」展を開催しました。金沢から漆芸、金工、染織、能面、能装束、茶道具、甲冑などの名品を運び込み、金沢の文化の発展を総合的に紹介しました。

金沢には、17世紀に加賀藩が設立した工芸工房・御細工所を中心に、蒔絵、象嵌等の高い工芸技術が継承されています。武家社会に能楽、華道、茶道等が広く浸透した一方で、豊かな工芸作品群が生み出されました。こうした伝統の継承を辿るべく、展覧会にあわせて、加賀宝生による能楽公演や、遠州流茶道のデモンストレーション、講演会、能楽講座、加賀象嵌デモンストレーションなどの関連事業を実施しました。

現在も市民の活発な活動によって支えられる金沢の豊かな文化の足跡は、文化国家日本における伝統の継承と発展を考えるうえでも、示唆に富んだものと言えるでしょう。

英国の国旗英国 ロンドン日本文化センター

日本女性のパワーと創造力を伝える
トークシリーズ

「日本の女性」トークシリーズの写真

「日本の女性」に着目し、様々な分野の第一線で活躍する元気な女性作家らの声を英国の人々に届けました。

テート・モダンに作品が収蔵される写真家・石内都氏は、バイタリティーと自由な発想で多くの聴衆に勇気と活力を与えました。失われつつあるアイヌ文化をカメラに収めてきた宇井真紀子氏は、“アイヌの心”を英国人に伝達。そして、時代や女性の社会的地位によって変遷してきた日本の化粧モードにまつわるポーラ文化研究所・津田紀代氏のトークは、身近で新鮮なテーマで聴衆の高い関心を集めました。更に、ヴェネチア・ビエンナーレ2015日本館の作家に選ばれた塩田千春氏の作品制作の背景にある自身の思想、或いは、商業的な評価にとらわれない横浜聡子監督の映画作りへの姿勢など、それぞれの活動分野でひとりひとりの作家自身が“作品”となることで、日本女性のあふれるエネルギーと豊かな創造力を広く紹介し、来場者の共感を得ることができました。

スペインの国旗スペイン マドリード日本文化センター

南蛮漆器で日西交流の歴史を再認識
〜日本スペイン交流400周年

「南蛮漆器:スペインに残された『日本』−慶長遣欧使節400周年−」展の写真

日本スペイン交流400周年のオープニング・イベントの1つとして、「南蛮漆器:スペインに残された『日本』−慶長遣欧使節400周年−」展をスペイン教育文化スポーツ省及び国立装飾美術博物館と共催しました。在スペイン日本国大使館の後援と複数の日系企業の支援を受けたこの展覧会は、これまで知られていなかった南蛮漆器作品の美しさや、日西間の交流の軌跡の深さを、観客に強く印象づけました。一方、国内外の東洋美術史専門家からは、監修・展示内容の素晴らしさ、図録の学際的価値に関する賞賛の声が多数寄せられました。オープニング式典に皇太子殿下のご臨席を得たこともあり、本邦と当地のメディアで広く報道されました。4ヵ月にわたり多数の来観者で会場を賑わせた展覧会は、大盛況のうちに幕を閉じました。

学際的意義に加え、社会的反響も大きかった本プロジェクトは、日本文化普及という観点からも日西交流史の新たな1ページを刻む有意義な事業となりました。

ハンガリーの国旗ハンガリー ブダペスト日本文化センター

中東欧地域の日本研究者が一堂に会した
シンポジウム

日本研究シンポジウムの写真

ヴィシェグラード4ヵ国(チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)と日本の交流年である2014年の2月、ブダペストのエトヴェシ・ロラーンド大学と共催で、日本研究シンポジウムを開催しました。中東欧の若手日本研究者を支援し、ネットワークを強化することを目的とするものです。

初日は、英国オックスフォード・ブルックス大学人類学部教授ジョイ・ヘンドリー氏による基調講演、若手研究者による個別発表、シニア研究者との質疑応答を交えた公開シンポジウムを実施。文学、社会学、言語学と多岐にわたる研究発表には、「女流落語家」等個性的な発表もあり、研究者のみならず一般参加の大学生や市民にとっても、日本への関心を深める貴重な機会となりました。2日目は、日本研究機関関係者が、中東欧地域が直面する課題、国境を越えた対応策等について幅広く議論しました。中東欧における日本研究の更なる発展を期待させる2日間となりました。

ロシアの国旗ロシア モスクワ日本文化センター

日露のアーティストを繋ぐ
総合イベント

日露合同美術展「十力の金剛石」の写真

モスクワでは、近郊都市での事業実施と現地機関との協力、また、ロシア在住の日本人アーティストやロシア人日本文化愛好者との連携に力を入れています。日露合同美術展「十力の金剛石」は、その両者が組み合わされた好例です。

宮沢賢治による短編小説「十力の金剛石」のロシア語訳絵本にロシア伝統工芸画家が挿絵をつけたことをきっかけに、その工芸の中心地であるムィティシ地区の公立美術館で、同書の展覧会が行われることとなりました。これを日本文化を広く紹介する一大イベントにしたいと考えた美術館の要請を受けて、墨絵画家の小林東雲氏を日本から招へい。小林氏は、「十力の金剛石」のロシア語朗読に合わせて、白い壁面に墨で宮沢賢治の世界を描き出して、訪れた観客を魅了しました。

会場では、日本とロシアのアーティストによる尺八、生け花、茶道、書道、墨絵、折り紙等の実演やワークショップも行われ、好評を博しました。

エジプトの国旗エジプト カイロ日本文化センター

アニメファンのエジプト人若者層が
大型イベントを企画・開催

第1回エジプトアニメ・マンガコンベンションの写真

2013年7月の政変以降、情勢不安が続く中、現地パートナーと協力し、様々な工夫を凝らしながら各事業を実施しました。

中でも、「第1回エジプトアニメ・マンガコンベンション(EGY-Con)」は、前年春に開催された「ジャパン・ポップカルチャー・フェスティバル」(カイロ日本文化センター主催)に触発された現地アニメ・マンガ愛好家有志によって企画されました。カイロ日本文化センターは企画からサポートに入り、エジプト人バンドによるアニメソング演奏や歌唱コンテスト、コスプレ、同人誌・イラスト展示、似顔絵コーナー、折り紙、習字等のコンテンツを用意。当日は1,500人以上の若者達が会場を熱気で埋め尽くし、日本文化を体験できる参加型イベントを楽しみました。

これまで個人的に日本のアニメ・マンガを楽しんでいたエジプト人若者層が、仲間を巻き込みながら自発的に企画・実施した初の大型イベントとして、記念すべき事業となりました。

アジア・大洋州

韓国の国旗韓国 ソウル日本文化センター

日本映画黄金期の二大女優を
トークイベントに招へい

「スタジオ大映特集—増村保造&市川崑」特集 トークイベントの写真

日本映画の黄金期に数々の映画に出演し、今も現役で活躍を続ける2人の女優を韓国に招きました。

韓国映像資料院で開催された「スタジオ大映特集—増村保造&市川崑」特集に合わせて、若尾文子氏がソウル入り。大映映画の絶頂期を支えた増村保造監督の数々の作品に主演した若尾氏のファンは韓国にも多く、トークイベントはどの回も満員となりました。登場時には「イェッポヨ(おきれいです)!」の掛け声もかかる等、大きな盛り上がりを見せました。

クァンジュ(光州)市で開催した「黒澤明特別展」には、香川京子氏がゲストとして登壇。「赤ひげ」や「天国と地獄」出演時の思い出から、黒澤監督の人柄、さらにご自身の現在の活動まで、多岐に渡るエピソードを披露しました。サイン会では香川氏の人柄に魅せられた光州の映画ファンが長蛇の列を作り、再度の来韓を望む声が多く寄せられました。

中国の国旗中国 北京日本文化センター

日中韓共同制作の演劇プロジェクトを通して
3ヵ国の交流の礎を築く

「祝/言」終幕後の様子の写真

2年をかけて日中韓3ヵ国で共同制作した演劇プロジェクト「祝/言」は、過去に例のない新しいタイプの総合芸術作品です(参照)。日中関係悪化の余波が残る中、中国の人々にどのように受け止められるか、関係者の胸に潜んでいた不安は、上海と北京の公演で一掃されました。「中日韓の魂が潜んだ1作」、「とても美しい弔い」、「“魂”まで響く演劇」等、様々な賛辞が寄せられました。また、多くの観客が、終幕後に公演メンバーを待ち受けて、熱心に話し合っていました。

この公演をきっかけに、青森県立美術館、上海話劇芸術中心、蓬蒿劇場、そして国際交流基金の間に、将来にわたる交流の礎ができました。特に、北京の共催者であった蓬蒿劇場は、同作品の「テーマの普遍性と高い芸術的価値」を高く評価。同劇場が毎年初春に開催する民間主導の国際演劇祭「南鑼鼓巷演劇フェスティバル」のオープニング作品として招かれ、2014年5月の再演が決定しました。

インドネシアの国旗インドネシア ジャカルタ日本文化センター

防災教育コンペで
地域の防災に取り組む若者を奨励

防災教育若者コンペティション 優秀学生表彰式の写真

2014年3月11日、ジャカルタ日本文化センターでは、東日本大震災の犠牲者への黙とうに続き、「防災教育若者コンペティション 優秀学生表彰式」が行われました。

前年の2倍を上回る1,276人の応募から、書類選考を突破した26チーム104人が、それぞれの地元における防災のアイディアを5分間の短編ビデオに作りこみました。国際交流基金の公式フェイスブックでも紹介されたこれら短編ビデオによる最終選考を突破した24人が、応募倍率53.1倍を勝ち抜いて、最終優秀学生として表彰されたのです。

24人の学生は、表彰式の直後に興奮も冷めやらぬまま日本へ飛び、外務省が実施するJENESYS2.0プログラム(青少年交流)に参加しました。10日間にわたる被災者との交流やホームステイを通じて日本の被災の経験から学んだことを活かして、彼らは帰国後も、知恵を絞り、汗をかいて、防災教育の活動を続けています。

タイの国旗タイ バンコク日本文化センター

現代日本文化を通して、
日本のコンテンツ産業を支援

第12回バンコク国際ブックフェア2014 阿部和重氏 トークセッションの写真

芥川賞作家・阿部和重氏の話題作「IP/NN」のタイ語版が、国際交流基金の助成を受けて2014年3月にタイで出版されました。この出版を記念して阿部氏をタイに招き、第12回バンコク国際ブックフェア2014の公式イベントの1つとして、タイの現代作家とともにトークセッションと朗読会を開催しました。

対談の相手は、2009年東南アジア文学賞を受賞し、現在タイで最も旬な作家と呼ばれるウティット・ヘーマムーン氏。2人は互いの作品を朗読した後、両国の文学を取り巻く状況や、現代社会について語り合いました。このイベントは、日本文学の新しい側面をタイに紹介するだけでなく、日本とタイの作家交流を促進し、さらに文学に関連する日本のコンテンツ産業を側面から支援する貴重な機会となりました。タイの出版社も、阿部氏の動向と写真をフェイスブック上で密に更新。クールな阿部氏をアピールして、イベントを盛り上げてくれました。

フィリピンの国旗フィリピン マニラ日本文化センター

日本の優れた防災の取り組みを紹介して、
防災教育の普及に貢献

防災啓発事業「イザ!カエルキャラバン」の写真

多くの自然災害に見舞われたフィリピンでは、人々の間で防災に向けた取り組みへの関心が高まっています。この機を捉えて日本の優れた防災の取り組みを紹介し、実際に体験してもらうことで、フィリピンの人々に防災の意識を更に高めてもらおうと、様々な取り組みを実施しました。

公立高校で日本語を教える教師18人は、教師研修の一環としてやさしい日本語・英語・フィリピノ語による簡易防災マニュアルを作成しました。マニュアルは、2013年に台風30号が直撃したフィリピン中部の地方語にも翻訳される予定です。また、NPOプラスアーツの協力を得て、教員等を対象に防災教育の指導者研修を行い、近隣の高校生・小学生を招いた防災啓発事業「イザ!カエルキャラバン」を実施しました。

今後も、日本の強みでもある防災の知恵を継続的に発信し、フィリピンにおける防災教育の普及を支援していく計画です。

マレーシアの国旗マレーシア クアラルンプール日本文化センター

東南アジア初の本格的な
文楽公演とワークショップ

東南アジア初の本格的な文楽公演の写真

日・ASEAN友好協力40周年、クアラルンプール日本人会設立50周年、マレーシア日本人商工会議所設立30周年と、交流の大きな節目となる2013年、日本の人々を温かく受け入れてくれたマレーシアの人々への恩返しとして、東南アジアで先例のない本格的な文楽公演を行うこととなりました。実行委員会が結成され、民間劇場との共催、多くの企業・団体の協力のもと、実現する運びとなったものです。

桐竹勘十郎氏をはじめ文楽界を代表する実力者が揃って出演した3回の公演と日本人学校でのワークショップは、いずれも満席となりました。数百年にわたり育まれた日本の伝統芸能を一目見ようと、キャンセル待ちの観客が劇場前に長い列を作りました。初日の公演にはペラ州皇太子夫妻、ASEAN各国の大使、文化関係者らも臨席。演者が国立テレビ局の生放送番組に出演したり、イベント雑誌で表紙を飾ったりと、大いにメディアを賑わせました。

ベトナムの国旗ベトナム ベトナム日本文化交流センター

日越外交樹立40周年を
「草間弥生:オブセッションズ」展等で祝う

「草間彌生:オブセッションズ」展の写真

日・ASEAN友好協力と日越外交関係樹立からともに40周年を迎え、ベトナム日本文化交流センターは独立家屋という施設の特性を生かした、祝祭感にあふれる展覧会を実施しました。

「草間彌生:オブセッションズ」展では、展示ホールだけでなく、中庭、ガレージ、倉庫を含め敷地全体を展示会場として活用し、ハノイ市の中心部に“草間ワールド”を作り出しました。展覧会は話題を呼び、2ヵ月の会期中に約2万人が赤と白の水玉模様の世界に飛び込み、思い思いに作品を楽しみました。

また、アートユニット“HITOTZUKI”による展覧会「ABILIGHT」展でも、室内展示に加えて事務所建物や外壁にもペインティングを展開、事務所への来館者のみならず、道行く人々の関心も惹きつけました。

敷地と建物の全体を活用して、ベトナムの人々の暮らしの中に、日本のアートでアクセントを与えています。

インドの国旗インド ニューデリー日本文化センター

日本とインドの交流を深める
地道な「苗植え」

ワークショップの写真

広い国土を持ち多種多様な文化を抱える上に、交通インフラが未整備のインドでは、大都市にとどまらず多数の地域で、それぞれの状況やニーズに合った文化イベントを実施する「種まき」の仕事を大切にしてきましたが、ニューデリー日本文化センター開設から20年を迎え、近年は、狙いを定めて交流を根付かせる「苗植え」にも力を入れ始めています。

例えば、「アニメ声優ワークショップ」では、アニメファンの層に日本語学習者を増やすことを狙って、日本から招へいしたアニメ声優の指導のもと、参加者にアフレコを体験してもらいました。また、「防災教育ワークショップ」では、インドでは実施されることの少ない学校での避難訓練を行い、教師と児童・学生の防災意識向上の契機としました。更に、日本語分野では、インド初となる「日本語教師オンライン研修」を通じて、直接的な研修が行いにくい地方在住の日本語教師に教授法研修を届けました。

オーストラリアの国旗オーストラリア シドニー日本文化センター

世界最大規模の日本映画祭を
10都市で開催

第17回日本映画祭の写真

第17回を迎えた日本映画祭は、ブランドを再構築し、新しいロゴとスローガン「Watch Japan Unfold」のもと、オーストラリアの5大都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、キャンベラ)で各20〜40作品を有料上映しました。一方、日本関連イベントが少ない地方都市(ブルーム、ケアンズ、タウンズビル、ダーウィン、ホバート)では、手軽に日本に触れる機会として無料で3作品を上映し、5大都市と合わせて合計25,000人の観客を動員しました。

日本からゲストとして、『くじけないで』の主演女優・八千草薫氏及び深川栄洋監督、『俺俺』の三木聡監督、『図書館戦争』の佐藤信介監督、及び脚本家・野木亜紀子氏を招へいしました。特に、八千草薫氏は58年ぶりの海外映画祭出席とあり、日本国内メディアを含め大きな関心を呼びました。

20社のスポンサー協力の下、官民一体となった同イベントは、世界最大規模の日本映画祭となりました。

米州

カナダの国旗カナダ トロント日本文化センター

北米最大のトロント作家祭等
カナダに集う日本の作家たち

北米最大の国際作家祭の写真

2013年秋、北米最大の国際作家祭に、ともに芥川賞作家の阿部和重氏と川上未映子氏が参加。川上氏は文学・翻訳パネルにカナダ、欧州の作家と、また両氏が日本文学パネルに研究者と共に登壇して、日本文学界における3.11の受け止め方等を語った他、大学等でも学生や一般市民のための朗読やパネル討論に臨みました。

作家の小野正嗣と早助よう子、翻訳家の柴田元幸、現代文化研究者ローランド・ケルツの各氏もトロントを訪れ、トロント日本文化センター等で自作朗読やパネル討論を実施。小野氏はモントリオール大学でも現代日本文学について講演しました。

2010年の日加PEN交流事業、2011年の英文日本文学誌『モンキービジネス』発刊、2012年の国際作家祭などを機に、阿刀田高、浅田次郎、小澤實、川上弘美、古川日出男、伊藤比呂美の各氏らがカナダを訪問。近年、日本とカナダの文学交流が勢いを増しています。

米国の国旗米国 ニューヨーク日本文化センター

日米両国の音楽家による
ジャズの交流公演

A New Generation of Jazz from Japan〜黒田卓也とアンサンブル〜の写真
撮影:GION

A New Generation of Jazz from Japan〜黒田卓也とアンサンブル〜」と題して、日本のジャズ紹介事業を実施しました。日本人として初めてUSブルーノートからデビューし、最新アルバム「Rising Son」がビルボードで上位にランクインしたトランペット奏者と日米両国の音楽家たちによる交流公演は、前売券がほぼ完売となり、公演当日は開演1時間以上前から数少ない当日券を求める長い列ができました。観客は、演奏技術の高さと鋭い音楽性に魅了され、舞台に引き込まれていました。終演と同時に熱狂的な拍手が始まり、暫くの間、鳴り止まない客席に、黒田氏と共演者たちも大きな手ごたえを感じた様子でした。

公演は、東日本大震災3周年の直前に当たりました。阪神・淡路大震災での黒田氏自身の被災経験を交えたトークと、東日本大震災の被災者に思いを寄せたオリジナル曲の演奏にも、観客は熱心に聞き入っていました。

米国の国旗米国 ロサンゼルス日本文化センター

日本のジャズグループの米国初公演と
ワークショップ

ai kuwabara trio project 米国初公演の写真

22歳の新進気鋭のピアニスト桑原あい氏率いるジャズグループ「ai kuwabara trio project」の3人が、2013年11月、サンフランシスコを皮切りに4都市で、米国初公演を行ないました。ジャズ発祥の地アメリカで、自分たちの音楽がどう受け入れられるか緊張したという3人でしたが、いずれの会場も満員御礼。音楽に合わせて一緒にエアピアノを弾く人、指を鳴らして演奏に加わる人等、思い思いに楽しむ観客の姿が見られ、最後はスタンディング・オベーションと暖かい拍手で見送られました。

公演の他、地元の大学でのワークショップや、音楽専攻学生とのセッションも行いました。ラジオ局や新聞社とのインタビューに臨んだ桑原氏は、「自分の音楽を特定のジャンルに当てはめる意識はない。自分の音楽を表現するためにジャズの手法を使っている感覚だ」と語っていました。既存の境界を越えた日本の若い感性が、1,300人を越える米国の聴衆を魅了しました。

メキシコの国旗メキシコ メキシコ日本文化センター

音楽を通じた震災復興祈念
〜日墨交流400周年記念行事として

邦楽グループ「月の浦」公演の様子の写真

支倉常長遣欧使節団のアカプルコ到着400周年を記念する行事の一環として、一行が出帆した仙台藩の港にちなんで「月の浦」と命名した特別編成の邦楽グループが、一行の出身地東北各県の音楽をメキシコ各地で紹介しました。

支倉使節団は「慶長の大津波」の復興事業でもあったと言われますが、今回の事業は音楽を通じた東日本大震災復興祈念の意味も持ち合わせました。奇しくもアカプルコは大型台風による甚大な被害を受けたばかりでしたが、被災地の子供たちを公演に招待し元気づけることもできました。

その後、グループ「月の浦」は、支倉一行がスペインに渡るため陸路メキシコを横断した道筋を辿り、5都市で6公演と3ワークショップを敢行。合計4,800人のメキシコ人聴衆に和太鼓、津軽三味線、尺八そして民謡を楽しんでもらうことができました。ワークショップでの子供たちの輝く瞳が印象的でした。

ブラジルの国旗ブラジル サンパウロ日本文化センター

新しい日本文化紹介ジャンル
「ゲーム音楽」をいち早く紹介

ピアニスト中山博之氏によるゲーム音楽のピアノコンサートの写真

アニメやゲームは、ブラジルでも日本のポップカルチャー人気の中心の1つです。アニメソングがポップカルチャーの有力ジャンルとしてすでに若者の間で定着している一方、ゲーム音楽はちょうど注目が集まり始めた段階です。そこで、ゲーム音楽にスポットを当て、日本からピアニスト中山博之氏を招いて、人気ゲーム挿入曲のアレンジ等によるピアノソロコンサートを実施しました。

ゲーム音楽のピアノコンサートは、まだ海外でほとんど例のない、新しい日本文化紹介ジャンルです。コンサートは大きな前評判を呼び、1,000人以上の人が当日整理券を求めて行列を作りました。聴衆の熱気あふれる反響に、中山氏も大きな手ごたえを感じていました。

初事業の成功に力を得て、今後は当地アーティストとの共演やゲーム映像とのコラボレーション等に発展させ、日本のポップカルチャー・ファンの大きな期待に応えていきます。