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理事長からのごあいさつ

2014年度は国際交流基金にとって新たな挑戦の年となりました。

2013年12月の日・ASEAN特別首脳会議(東京)の場で表明された日本の新しいアジア文化交流政策「文化のWA(和・環・輪)プロジェクト~知り合うアジア」を実現するため、2014年4月にアジアセンターが発足しました。アジアセンターは、日本とアジアの人々が双方向の交流を行い、共に新たな価値を創造していこうとする活動を支援するほか、日本語教育へのアシスタント派遣等、新たな試みによる文化交流に取り組んでいます。

なかでも日本語教育や文化交流に関心のある日本の方々を広く公募し、東南アジア各国の中学や高校で、現地日本語教師のお手伝いと日本文化紹介を行っていただく“日本語パートナーズ”派遣事業では、2014年9月に第一陣100名が、タイ、インドネシア等5ヵ国に赴任し、約3万8,000名の生徒たちと交流しました。アジアセンターでは、2020年までの7年間に3,000名以上のパートナーズを派遣することとしており、これまで日本語教育の専門家派遣を中心としてきた国際交流基金にとって新しいチャレンジとなります。「東南アジアの人々のやさしさに心打たれた」、「人生の新たな目標ができた」等、非常に素晴らしい体験をされたことが窺える感想をいただいています。

また、2014年度補正予算では、放送コンテンツ海外展開支援事業が認められ、国際交流基金としても、世界各地の放送局に日本の良質な放送コンテンツを提供する事業を展開することとなりました。

日本の財政状況が依然として厳しいなか、アジアとの交流強化事業や放送コンテンツの海外展開支援等、いずれも喫緊の重要政策課題を実現するための業務が増加していることは国際交流基金に対する期待感の表れであると捉え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本文化を世界に発信し、相互理解を推進するという使命を果たしていくべく、職員一同決意を新たに取り組んでいるところです。

他方、皆様のご理解なしに、諸外国との相互交流は成り立ちません。日本語パートナーズをはじめとする、アジアとの交流強化等の重要課題を遂行していくためにも日本国内の皆様のご理解とご協力がますます欠かせないものとなってきています。しかし、残念ながら、日本の次代を担う若い人たちの間で、国際文化交流への関心は、決して高いとはいえないように思われます。

国際文化交流によって、異なる文化と出会い、人と人とのふれあいを通じて互いを理解し、認め合っていくことは、ひとりひとりの人生を豊かなものにしていくと同時に、平和で豊かな世界を共に築いていくための礎ともなるものです。世界の人々と日本の人々の距離が一層近づき、共感や信頼、好意が育まれるよう、また国際文化交流の意義を多くの方々に知っていただけるよう、国際交流基金は活動してまいります。

引き続き、皆様のご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

2015年10月
国際交流基金 理事長 安藤 裕康
国際交流基金 理事長 安藤 裕康の写真