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日本研究・知的交流 Japanese Studies and Intellectual Exchange

米国との知的・草の根交流

日米センター事業

日米センター(Center for Global Partnership:CGP)は、国際社会が直面する重要な共通課題を解決するため、日米両国が世界の人々と共に知恵を出し合い、協力していく必要があるという考えから、1991年に東京とニューヨークに設立されました。

日米センターは、以下の2つのミッション(目的)を掲げて活動しています。

  • 日米両国が国際的責任を分かち合い、世界に貢献するため、世界的視野に基づく協力を推進する。
  • 相互理解に基づく揺るぎない協力関係を実現するため、日米両国の各界各層における対話と交流を促進する。

日本と米国は、現代の国際政治・経済において共に大きな役割を担っています。日米センターは、両国が重要な役割を果たすべき地球規模の課題への取組みや、それらの課題解決のための連携やパートナーシップの構築を目指す事業を実施・支援します。また、日米の各分野で次世代を担うことが期待される人材の育成やネットワークの形成等、日米関係の基盤強化を目的とした事業を支援しています。

安倍フェローシップ・プログラム

「安倍フェローシップ」は、現代のグローバルな政策課題でかつ日米の緊密な取組みが必要な問題に関する学際的・国際的調査研究の増進を目的として、1991年に米国社会科学研究評議会(SSRC)との共催で創設されました。長期にわたり政策指向的研究に従事する新世代の研究者の育成を支援し、また、そのような政策課題を共有する研究者の世界的ネットワークに主要メンバーとして積極的に参加していく人材の養成を目指しています。2008年には「安倍ジャーナリスト・フェローシップ」が創設され、ジャーナリストによる政策関連の短期研究取材プロジェクトを通じて、日米両国にとって喫緊の関心事項について質の高い報道を行うための支援も行っています。

安倍フェローシップの特長は、フェロー受給期間中だけでなく、受給期間が終了した後も終身的にコミュニティに参加して分野を超えた学際的なネットワークを維持できる点であり、スタッフはコロキアム等の様々な仕組みを使ってフェロー間の交流が促進されるよう工夫しています。

2014年7月、ブラウンバッグ・ランチ・セミナーが行われ、フェローのアリソン・アレクシー助教授(バージニア大学)が、日本の離婚裁判における家庭規範をめぐる論争をテーマに現代日本の家族のあり方についての問題提起を行いました。また、2015年3月に行われた安倍コロキアムでは、フェローのクレッグ・パーソンズ教授(横浜国立大学)が、「貿易における災害のインパクト:ハリケーン・カトリーナと東日本大震災の日米比較」の題目で講演しました。このようなセミナーやコロキアムは、安倍フェロー同士の交流や研究発表の場として日本の理解促進やネットワーク構築に活用されています。

また2014年度は、2015年度から活動を始める安倍フェロー12人、安倍ジャーナリスト・フェロー4人が新たに採用されました。

安倍コロキアム(クレッグ・パーソンズ教授)の写真
安倍コロキアム(クレッグ・パーソンズ教授)

日米パートナーシップ・プログラム

一般財団法人平和・安全保障研究所(RIPS)が実施し、日米センターが助成しているこのプログラムでは、安全保障・外交・経済等を含む日米関係に影響する広い分野を対象に、両国間の知的交流の促進、国内における日米関係への関心の喚起等と啓蒙活動の実施、日米関係を中心とした政策志向型研究の推進を目的としており、日本各地の大学・研究機関等から奨学生を選考し、2年間の教育を行い、学術及び実務の両分野において将来的にリーダーシップを担う人材を育成するとともに、公開セミナーを開催しています。

2014年12月に開催された関西安全保障セミナーでは、韓国との2国間関係に焦点を当てた講演とパネルディスカッションが行われ、朴政権による外交政策の特徴、日韓国交正常化50周年/戦後70年を2015年に迎えるにあたっての日韓関係進展のシナリオなどについて話し合われました。また2015年3月に実施された沖縄安全保障セミナーでは、「東アジアの平和と沖縄の役割」と題して、安全保障研究の専門家による基調講演とパネル発表により、現在の東アジアの安全保障情勢を踏まえて沖縄をめぐる政治・外交問題を整理するとともに、今後について沖縄県民と意見交換する機会となりました。

RIPS(沖縄セミナー)の写真
RIPS(沖縄セミナー) ©(財)平和・安全保障研究所

米国国際関係論専攻大学院生招へいプログラム

将来、様々な分野で活躍が期待される米国の大学院生の日本理解促進のため、国際関係大学院連合(Association of Professional Schools of International AffairsAPSIA)と共催し、訪日研修を実施しています。6年目となる2014年度には、15人の大学院生が10日間来日しました。

一行は、東京で専門家による講義を受け、日米安全保障、東アジアの国際関係、エネルギー政策に関する知見を深めた後、外務省、在日米国大使館、米海軍横須賀基地を訪問したほか、専門分野別のグループ研修や、平和安全保障研究所フェローや防衛大学校教員・学生との意見交換を行いました。また、2014年度は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県牡鹿郡女川町を初めて訪問しました。女川町では被災事業の再建支援等を行うNPO法人アスヘノキボウの小松氏の講義を受け、被災状況や仮設商店街の見学も行い、産業復興への民間セクターの力強い取組みを肌で感じることができました。さらに広島では、被爆体験講話を聞き、講話者と学生が、原爆をめぐる日米の立場の違いを乗り越え、平和構築に向けた対話の重要性を共有しました。参加学生からは「日米関係の多面性と、米国が日本の積極的なパートナーであることの重要性を認識した」、「10日間の日程で、大学院レベルの1学期分の授業を受けた気分だ」といった声が聞かれました。

APSIA訪日研修歓迎レセプションの写真
APSIA訪日研修歓迎レセプション

東日本大震災で被害を受けた女川町訪問の写真
東日本大震災で被害を受けた女川町訪問

JOIプログラム

JOI(日米草の根交流コーディネーター派遣)プログラム」は、米国の草の根レベルで日本への関心と理解を深めることを目的に、日本との交流の機会が比較的少ない米国の南部・中西部に交流活動のコーディネーターを2年間派遣する事業です。

JOIJapan Outreach Initiativeの略称で、2002年より米国のローラシアン協会と共同で実施しています。2014年度は第13期の新規コーディネーター5人を派遣しました。また、派遣中の第11期の3人が任務を終えて帰国し、第12期の5人は2年目を迎え活動を続けています。

コーディネーターは大学や日米協会をはじめとする地域交流活動の拠点に派遣され、その地域の小学校から大学までの教育機関、図書館、コミュニティセンター等を訪れ、日本人の生活ぶりや、伝統芸能、日本語等、日本の文化を幅広く紹介する活動を行います。一例として、第11期の乗上恵里香氏がボーイスカウト団体のイベントで用意した日本ブースに1,000人以上もの子どもたちが立ち寄り、書道や箸の使い方等の日本文化を楽しみながら体験しました。乗上氏の場合、2年間の派遣期間に学校訪問を含めた様々な活動を通して、約1万7千人もの人々に日本文化の種を蒔きました。このようにコーディネーターは日本文化を紹介するために日々精力的に活動しています。

第12期JOI(庄嵜由紀氏)アジアンフェスティバルでソーラン節の写真
第12期JOI(庄嵜由紀氏)アジアンフェスティバルでソーラン節

第11期JOI(蓮井頼子氏)インターナショナルフェスティバルで習字を紹介している様子の写真
第11期JOI(蓮井頼子氏)インターナショナルフェスティバルで習字を紹介