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2014年度 国際文化交流への理解と参画の促進

国際交流基金賞

国際交流基金では1973年より毎年、文化活動を通じて国際相互理解・国際友好親善の促進に大きな貢献のあった個人または団体に対し「国際交流基金賞」を授与しています。第42回を迎えた2014年度は、落語家の柳家さん喬氏(日本)、オーストラリア国立大学名誉教授のピーター・ドライスデール氏(オーストラリア)、モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学日本語学科(ロシア)を受賞者に決定し、秋に東京で授賞式を行ったほか、各受賞者による記念講演会も実施しました。

2014年度受賞者・授賞理由

柳家さん喬 (落語家)の写真

【日本】
柳家さん喬 (落語家)

古典の人情噺や滑稽噺を得意とする実力派落語家として、日本全国の高座に立ち、後進の育成に励むかたわら、10年以上にわたり国内・海外の日本語学習者に対する小噺指導や落語公演を継続。日本語学習者が本物の落語に触れ、実際に自分で小噺をやってみる機会を提供することで、落語を通じて日本語表現を磨き、日本文化への理解を深める手助けをし、日本語教育の発展に貢献している。

ピーター・ドライスデール(オーストラリア国立大学名誉教授)の写真

【オーストラリア】
ピーター・ドライスデール(オーストラリア国立大学名誉教授)

東アジアおよび日本経済の政策研究で世界的に知られた経済学者。特にアジア太平洋地域における経済協力に力点を置いたその研究は、APEC(アジア太平洋経済協力)の創設にも大きな役割を果たした。1980年に日豪両国の官民協力の下でオーストラリア国立大学内に設立された豪日研究センターで初代所長を務める等、日豪相互理解の促進にも貢献している。

モスクワ国立大学付属 アジア・アフリカ諸国大学日本語学科の写真

【ロシア】
モスクワ国立大学付属 アジア・アフリカ諸国大学日本語学科

1956年の開設以来、ロシアをはじめ、旧ソ連地域における日本語教育の中心的役割を担い、日本語教師・研究者の育成や日本語教材の開発に尽力してきた。卒業生の数はこれまで約2,000名にものぼり、日本語教育のほか、日本研究、映画や小説といった日本文化コンテンツの普及、外交・経済分野等、日露間の多方面で架け橋となって活躍する人材を多数輩出している。

国際交流基金地球市民賞

国際文化交流活動を通じて日本と海外の市民同士の結びつきや連携を深め、互いの知恵やアイディア、情報を交換し、共に考える先進的で社会的なインパクトを持つ日本国内の団体を顕彰します。これまで30年間の歴史の中で94団体に授与しました。

2014年度受賞団体・授賞理由

アメラジアンスクール・イン・オキナワの写真

特定非営利活動法人
アメラジアンスクール・イン・オキナワ

米国と日本の2つの文化を背景に成長するアメラジアンの子どもたちの未来の可能性を広げるべく、それぞれの能力に合わせたバイリンガル教育の機会を提供。今後、日本の社会において、多様な文化背景を持つ彼らのさらなる活躍が期待されていることを評価。

なら国際映画祭実行委員会の写真

特定非営利活動法人
なら国際映画祭実行委員会

次世代を担う若手の映像作家の育成を主目的として映画祭を開催。美しい奈良の風土を世界に発信するとともに、世界と交流しながら、多くの若者や市民が関わり合い、文化・芸術による地域づくりのモデルとなる活動を行っていることを評価。

プラス・アーツの写真

特定非営利活動法人
プラス・アーツ

日本発の楽しく学べる防災教育の仕組みを作り出し、海外のニーズにも合わせるなど、防災に対する認識を高めている。また、防災教育を世界の共通知として、日本と海外の市民同士のネットワークや連携、相互理解を進める活動のモデルとなっていることを評価。

情報提供

多彩なメディアを活用し、国際文化交流に関する情報を提供

国際交流基金は、国内及び海外の幅広い人々に国際文化交流の意義を理解いただき、その担い手として活動に参画していただけるよう、 ウェブサイト、メールマガジン、ツイッター等による情報発信、広報・メディアリレーションをはじめとして、様々な形態で国際文化交流に関する情報提供を行い、また交流の場を創出しています。

ウェブマガジン「をちこちMagazine」(日本語)/「Wochi Kochi Magazine」(英語)では、国際文化交流に関する様々なテーマで毎月特集を組んでいます。2014年度は、「アジアの絆を強くする。」、「人間の存在を追い求めて―演劇は国境を越える」、「日本語で出会った新しい世界」、「世界と考える、Tohokuの未来」等を特集したほか、国際交流基金事業に関わった専門家や職員による報告記事も多数掲載しました。

東京・四谷の本部ビル内に設けられた「JFIC(Japan Foundation Information Center)通称:ジェイフィック」は、ライブラリーとイベントスペースで構成される情報発信拠点です。

JFICライブラリーでは、国際交流基金の実施事業に関する資料や、国際文化交流関係ならびに外国語で書かれた日本関係資料等を所蔵・収集し、広く一般に公開しています。また、種々のサービスに加え、講演会や蔵書の展示を定期的に実施しています。2014年度は、講演会「東南アジア諸国にみる日本資料~その利用と提供~」と、所蔵貴重書から『イエズス会年報』(1615年刊)など計3回の貴重書展示を行いました。

JFICイベントスペースでは、国内の様々な団体と連携して国際文化交流に関する多彩なイベントを開催し、幅広い層の方々に国際文化交流事業に参加いただく機会を提供しています。2014年度も様々な分野のパートナーと協力してシンポジウムやレクチャーを開催しました。東日本大震災の被災地や、過疎化の進む山間地で、海外から招へいされたアーティストたちと地域の人々との交流や共同作業が地域に誇りや元気をもたらす、地域創生をテーマとしたトーク・セッション等はその一例です。

JFICではこのほかに、国際交流基金が主催した展覧会のカタログや制作した日本語教材等の、出版物の販売を行っています。また、大学生や修学旅行生、国際文化交流に関心をもつグループの訪問・見学を受け入れています。

「Tohokuの未来を創るアートの底力」の出演者の写真
Tohokuの未来を創るアートの底力」の出演者撮影:相川健一

「地域と世界をつなぐアートの力」より大南信也氏(左)と中島諒人氏(右)の対談の様子
「地域と世界をつなぐアートの力」より大南信也氏(左)と中島諒人氏(右)の対談

京都支部

日本文化の真髄に触れる機会を提供

京都は、長い歴史の中で育まれ、花開いた多彩な文化が息づく「文化の宝庫」です。「千年の都」が生み出した文化には、日本人の美意識と感性が凝縮されています。こうした日本文化の魅力を外国の人々に伝えるために、地域のネットワークを生かしつつ、日本文化の発信に取組んでいます。

2014年度も地元文化機関の協力を得て、海外からの招へい者等を対象に、「国際交流の夕べ―能と狂言の会」、「茶道体験」、「いけばな鑑賞」、「伝統音楽の鑑賞」、「錦織物の工房見学」を実施しました。参加者たちは、「日本の伝統芸能がもつリズム感に心地よさを感じた」、「茶の湯と生け花には、心を癒す力がある」、「伝統工芸は技と心で成り立っていることを実感した」と、日本文化に触れた感想を話していました。

京都には、日本文化の真髄に触れる機会と可能性が無限に広がっています。

狂言「二人袴」の写真
狂言「二人袴」撮影:髙橋章夫

能「安達原」の写真
能「安達原」