ホーム > 文化芸術交流 > 映像・出版交流 > 国内での映画祭 > 中国映画撮影所シリーズ1 1930年代上海映画特集

これまでアジア各国の映画を継続的に紹介してきたアジアセンターでは、本年より「中国映画撮影所シリーズ」を開始します。中国は全土に約30カ所の撮影所を抱える映画大国ですが、それぞれに歴史と伝統があり、異なる個性を持つ撮影所を一つずつ取り上げ、中国映画の全貌に迫るシリーズです。
その第1回として「1930年代上海映画特集」を開催します。“魔都”と呼ばれた戦前の上海では、独特のモダニズム文化が花開きました。本特集では、同時代の世界的水準に達していた上海映画を下記の4つの切り口から紹介します。
|
![]() 阮玲玉 |
||||||||||||||||||||
| 会期 | : | '99年3月12日(金)〜3月21日(日) | ||||||||
| 会場 | : | 国際交流フォーラム | ||||||||
| 主催 | : | 国際交流基金アジアセンター | ||||||||
| 協力 | : | 東京国立近代美術館フィルムセンター、中国電影資料館 | ||||||||
| フィルム提供 | : | (株)アミューズ、KUZUIエンタープライズ(株)、東宝(株)、アスミック・エース(株)、ロシア・ソビエト映画祭実行委員会 | ||||||||
| 企画協力 | : | ぴあ株式会社 | ||||||||
| チケット | : |
|
| 上映作品 |
|
||||
| 1 | 『桃花泣血記』桃花泣血記 監督・脚本/卜萬蒼(プー・ワンツァン) 出演/金焔(チン・イェン)、李時苑(リー・シーユァン) 1931年/白黒/無声/94分 |
地主の息子との身分違いの恋に翻弄される純朴な娘。人気俳優・金焔とコンビを組んだ彼女は、従来の女優とは一線を画す新鮮な演技力を見せた。単なるメロドラマに止まらず、封建社会の悲劇や民族独立の意志など、社会性も盛り込まれている。 | ||
| 2 | 『おもちゃ』小玩意 監督・脚本/孫瑜(スン・ユィ) 出演/黎莉莉(リー・リーリー)、袁叢美(ユァン・ツォンメイ) 1933年/白黒/無声/107分 |
太湖ほとりの寒村で、玩具作りで生計を立て、貧しいながらも幸福に暮らす一家を襲う悲劇。阮玲玉は、物語前半では勝ち気で明るい母を、後半は一転して戦火や愛児の失踪で悲嘆に暮れる姿を見事に演じた。映画詩人・孫瑜ならではの叙情的な映像も見所。 | ||
| 3 | 『新女性』新女性 監督/蔡楚生(ツァイ・チューション) 出演/王黙秋(ワン・モーチウ)、鄭君里(チョン・チュンリー) 1935年/白黒/無声(サウンド版)/109分 |
大都会上海、音楽教師の傍ら女流作家を目指す韋明を、次々と苦難が襲う。自立する女の情を演じて並ぶ者のなかった阮玲玉は、本作でもその魅力を生き生きと見せつけるが、映画の展開は、この後に彼女自身に訪れた悲劇的な死を予感させるものともなった。 | ||
|
||||
| 4 | 『深夜の歌声』夜半歌聲 出演/胡萍(フー・ピン)、金山(チン・シャン) 1937年/白黒/125分 |
深夜、荒れ果てた劇場に響く不思議な歌声とマントの男。その裏には、劇薬で顔を潰された挙げ句に恋を引き裂かれた男の、悲しい物語があった。『オペラ座の怪人』を思わせる怪奇映画の体裁をとりながら、当時の抗日・反封建の空気も色濃く漂う。 | ||
| 5 | 『続・深夜の歌声』夜半歌聲續集 出演/談瑛(タン・イン)、劉瓊(リウ・チオン) 1941年/白黒/107分 |
前作の大ヒットにより作られた続編で、革命の志士・宋の後日談として回想形式で語られる。古城に棲む医師の実験や復讐など、『フランケンシュタイン』を想起させる箇所も盛り込まれ、監督の超自然なるものへの思想も色濃く反映され、特異な作家性を窺わせる。 | ||
| 6 | 『夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて』夜半歌聲 脚本・監督/干仁泰(ロニー・ユー) 出演/張國榮(レスリー・チャン)、呉倩蓮(ウー・チェンリン) 1995年/香港/98分 |
恋敵の手で劇場に火を放たれ、醜い火傷を負った人気俳優のタンピンは、仲を裂かれた末に発狂した恋人ユンエンを思い続け、遂に積年の復讐を果たす。馬徐作品から50余年、30年代の北京を舞台に、豪華なセットと衣装で描くリメイク作。 | ||
|
||||
| 7 | 『漁光曲』漁光曲 監督・脚本/蔡楚生(ツァイ・チューション) 出演/王人美(ワン・レンメイ)、韓蘭根(ハン・ランケン) 1934年/白黒/無声(サウンド版)/60分 |
漁村の貧しい家に生まれた双子の姉弟を主人公に、虐げられた人々と社会の不合理を描く。中国映画史上初の社会主義リアリズム作として成功した本作は、公開されるやロングランとなり、モスクワ映画祭など海外でも高く評価された。 | ||
| 8 | 『大いなる路』大路 監督・脚本/孫瑜(スン・ユィ) 出演/金焔(チン・イェン)、陳燕燕(チェン・イェンイェン) 1934年/白黒/無声(サウンド版)/109分 |
戦火の中、幼いチンは両親を失いながらも、一人前の道路工夫に成長した。だが、仲間たちと共に岩を砕き、ローラーを引き、歌いながら日々の厳しい労働に励む彼らも、敵の銃に倒れる。劇中の「大路歌」は当時の人々に感銘を与え、大ヒットした。 | ||
| 9 | 『嵐の中の若者たち』風雲兒女 監督/許幸之(シュイ・シンチー) 出演/王人美(ワン・レンメイ)、袁牧之(ユアン・ムーチー) 1935年/白黒/94分 |
満州事変による日本軍の占領を逃れ、東北から上海に流れ着いた二人のインテリ青年の姿を通し、民族解放の悲願に向かう人々の姿を描く。本作で歌われた「義勇軍進行曲」は公開と同時に人々に愛唱され、解放後は中華人民共和国国歌となった。 | ||
| 10 | 『生死同心』生死同心 監督/応雲衛(イン・ユンウェイ) 出演/袁牧之(ユアン・ムーチー)、陳波兒(チェン・ポーアム) 1936年/白黒/98分 |
脱獄した大物政治犯に似ていたため、警察に連行され処罰される身となった男。民族独立への思いをスリルに満ちた展開で描く。二役を演じる袁牧之は、その多彩な演技で「万の顔を持つ男」とも称され、この翌年には名作『街角の天使』を演出している。 | ||
|
||||
| 11 | 『上海ドキュメント』A Shanghai Doc,ument 監督/ヤコフ・モイセエヴィチ・ブリオフ 1928年/ソ連/無声/72分 |
20年代初頭の上海には、外国人たちが優雅に遊び暮らす租界と、過酷な労働に明け暮れる中国人たちの暮らす華界という二つの世界があった。やがて街には労働者たちのストライキが頻発するが、プロレタリアートの虐殺や革命勢力の弾圧も始まる。記録映画の傑作。 | ||
| 12 | 『支那事変後方記録上海』 監督/亀井文夫 1938年/日本/75分 |
若き日に観たブリオフの『上海ドキュメント』に衝撃を受け映画界入りを決意した、日本の記録映画の父・亀井文夫のドキュメンタリー。戦意昂揚映画として企画されたものの、冷静なカメラは戦場の厭戦気分までも鋭く描き出す。 | ||
| 13 | 『上海ルージュ』揺 監督/張藝謀(チャン・イーモウ)出演/鞏俐(コン・リー) 1995年/中国・フランス/109分 |
犯罪の横行する30年代の上海、暗黒街の顔役に雇われ、彼の愛人であるクラブの歌姫の使用人となった少年の目を通して、華やかな世界の裏側で生きる人々の愛憎と悲劇を描く。'95年カンヌ国際映画祭高等技術賞ほか受賞。 | ||
| 14 | 『花の影』風月 監督/陳凱歌(チェン・カイコー) 出演/張國榮(レスリー・チャン)、鞏俐(コン・リー) 1996年/香港/128分 |
マフィアのボスから、名家の跡継ぎ娘・如意を誘惑するよう指示されたジゴロの忠良は、次第に彼女に惹かれてゆく。辛亥革命後の名家を舞台に、退廃的な恋愛模様が展開する。撮影は『天使の涙』など一連の王家衛作品で知られるクリストファー・ドイル。 | ||