ホーム > 文化芸術交流 > 映像・出版交流 > 国内での映画祭 > ハンガリー 映画祭2003 〜タル・ベーラと新世紀のハンガリー映画〜

主旨
ハンガリーは中央ヨーロッパに位置する国ですが、ルーツのひとつをアジアに発している ために、他のヨーロッパ諸国とは異なる独自の精神が文化・芸術の伝統に生きています。
それはハンガリー映画においても顕著であり、ハンガリーがヨーロッパ連合に参加していく21世紀にも引き継がれるでしょう。統合と個別の文化の両立はヨーロッパの国にとって緊急課題です。映画を通して日本の人々にハンガリーを理解してもらい、かつ1990年代以降世界の映画祭で熱い注目を集める現代ハンガリー映画のルネサンスともいうべき活況を味わってもらうことでもあります。
| 開催概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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序文
21世紀のハンガリ−映画は、鬼才タル・ベ−ラが切り開いた新たな地平に新しい才能が登場して、切磋琢磨の活況を呈している。パリ、ニュ−ヨ−クをはじめ世界の都市でひんぱんにレトロスペクティヴが開かれるタル・ベ−ラ監督は、実は日本に3度来ており、初期代表作の『秋の暦』(84年)がぴあフィルムフェスティバルで上映されたのをはじめ、90年代には『サタンタンゴ』(91年)が東京国際映画祭と山形国際ドキュメンタリ−映画祭で、また『ヴェルクマイスタ−・ハ−モニ−』(00年)は東京フィルメックスで上映されるなど、縁は深い。
ただ、残念ながら2002年に『ヴェルクマイスタ−・ハ−モニ−』が劇場公開されるまでは、映画祭での上映のみであったために、幅広い映画ファンにタル監督の作品が浸透するまでにはいたらなかった。また、旧体制時代にはハンガリ−の異端児として見做されていたために
ハンガリ−の文化・芸術を愛する日本のハンガリ−・ファンの目にとまる機会が少なかった。
だが、世界中の映画ファンばかりかジム・ジャ−ムッシュ監督や作家のス−ザン・ソンタグまで魅了するタル・ベ−ラを放っておく手はない。タルを目指して我こそ新時代のハンガリ−の監督なりと名乗りをあげる新人も増えている。
そのなかで最も熱い注目を浴びるのは、2002年のハンガリ−を代表する『ハックル』のパ−ルフィ・ジョルジ監督である。1974年生まれのパ−ルフィ監督は、カッティングと長回しのモンタ−ジュ、時にCGを巧みに組み合わせて、超長回しのタルとはまた別の方向に向かっている点が頼もしい。
果たして、タルはパ−ルフィの挑戦をどう受けとめ、パ−ルフィは長兄とも言うべきタルを凌駕することができるやいなや。『ハックル』は、2002年ヨーロッパ映画賞のディスカバリー賞を受賞している!
今こそ、タル・ベ−ラ監督はハンガリ−映画の新世紀の監督たちと共に熱い注目を浴びるべきだ。それが<ハンガリ−映画祭2003>のコンセプトである。
このコンセプトをより鋭角的に実現する東京会場(赤坂の国際交流基金フォ−ラムにて4月4日から8日まで開催)と呼応して、大阪では大ベテランのサボ−・イシュトヴァ−ン監督のヒット作『太陽の雫』や、コ−シャ・フェレンツ監督の処女長編『一万の太陽』を含むハンガリ−映画の上映(大阪市九条のシネ・ヌ−ヴォにて3月29日から4月11日まで開催)が行なわれる。タル・ベ−ラ監督(予定)と文化人類学者で<ハンガリ−映画祭2003>実行委員長の中沢新一氏を囲むシンポジウム(東京会場)は熱気で包まれるに違いない。